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iiyori.06
02.
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「…お前」
気絶しそうなくらい恥ずかしいのに、余韻に震えて動けない。そんな私をしっかり抱き寄せたまま、穂月は触れるだけのキスをたくさんしてくれた。
「ホント可愛いな」
穂月の唇が甘くて優しくて、後から後から快感が弾けて、ただもうひたすら息を喘がせて穂月にしがみついた。
穂月は私が落ち着くまでずっとそのまま抱きしめていて、それから私を抱き上げると、肌触りの良い布に包んで丁寧に拭き、手際よく着物を着せて、馬を駆ってお屋敷に帰っていった。
ふわふわする。
すごく気持ち良くて、幸せに溶け落ちる、…
馬を駆る穂月の腕の中で、幸福の余韻に包まれて、満天の星を見上げた。
綺麗で、儚くて、壮大で、愛しい。
どんな時代で、どんな出会い方をしても、多分私は、穂月しか見えない。
穂月しか好きにならない。
感慨が込み上げて、勝手に涙が零れた。
穂月、大好き、…
頭の芯までふわふわ蕩けて、夢見心地で感慨にふけっている間、屋敷では穂月の不在がバレて家臣たちが探していたようだった。
「穂月様、いづこに?」
「供も連れずに出歩いては危のうございます」
「ああ、すまぬ」
が、穂月の軽々しい返答からして、穂月が単独で抜け出すのは日常茶飯事であるらしかった。
「して、穂月様。その女子は?」
「どちらの姫君にござりまするか?」
更に、家臣たちも、穂月の不在よりも穂月が女の子を連れ帰ってきたことに興味があるようで、なんだか痛いくらいの注目を浴びている。
「あの、穂月、…」
多分、穂月が馬を下りてからもずっと抱きかかえてるから悪目立ちしてるんじゃないかと思う。どちらの姫君でもない私としては、注目に値しなくて忍びない。居心地の悪さを目で訴えながら穂月を見ると、
「なえ。俺の妻だ」
穂月はまるで悪びれることなく、きっぱりはっきり宣言したうえ、何ならちょっと得意そうに、
ちゅっと軽く口づけた。
なんで、キス!? そんで、いつ結婚した!?
戦国時代の結婚事情には詳しくないけど、名のある武将はそんな簡単に結婚できないんじゃ?? 自由な穂月と飛ばしまくりのステップに動揺し、家臣たちもさすがにどよめいている中、ひゅうっと軽い口笛が聞こえた。
「それは実にめでたい」
みると、家臣たちの間から、すらりとした長身で、髪の色が薄くて、まさかのピアスを付けている若侍がにこやかな笑みを浮かべながら進み出てきた。
ってこの人、…
「鷹峰くんじゃんっ!!」
「…タカミネクン??」
思わず叫ぶと、怪訝そうに首を傾げられた。
いやでも、間違いない。
鷹峰くん!! そっくり!! いつの間にか穂月に仕えてる、…っ
「鷹朋。なえを知っているのか?」
「いやぁ、このように愛らしい女性。一目見れば忘れるはずないと思うのですが」
鷹朋と呼ばれた侍姿の鷹峰くんは、ごくごく自然に私の手を取ると、恭しく唇を寄せてきた。
戦国武将のくせに中世の騎士もどき。チャラいとこも完璧、鷹峰くんだ。
気絶しそうなくらい恥ずかしいのに、余韻に震えて動けない。そんな私をしっかり抱き寄せたまま、穂月は触れるだけのキスをたくさんしてくれた。
「ホント可愛いな」
穂月の唇が甘くて優しくて、後から後から快感が弾けて、ただもうひたすら息を喘がせて穂月にしがみついた。
穂月は私が落ち着くまでずっとそのまま抱きしめていて、それから私を抱き上げると、肌触りの良い布に包んで丁寧に拭き、手際よく着物を着せて、馬を駆ってお屋敷に帰っていった。
ふわふわする。
すごく気持ち良くて、幸せに溶け落ちる、…
馬を駆る穂月の腕の中で、幸福の余韻に包まれて、満天の星を見上げた。
綺麗で、儚くて、壮大で、愛しい。
どんな時代で、どんな出会い方をしても、多分私は、穂月しか見えない。
穂月しか好きにならない。
感慨が込み上げて、勝手に涙が零れた。
穂月、大好き、…
頭の芯までふわふわ蕩けて、夢見心地で感慨にふけっている間、屋敷では穂月の不在がバレて家臣たちが探していたようだった。
「穂月様、いづこに?」
「供も連れずに出歩いては危のうございます」
「ああ、すまぬ」
が、穂月の軽々しい返答からして、穂月が単独で抜け出すのは日常茶飯事であるらしかった。
「して、穂月様。その女子は?」
「どちらの姫君にござりまするか?」
更に、家臣たちも、穂月の不在よりも穂月が女の子を連れ帰ってきたことに興味があるようで、なんだか痛いくらいの注目を浴びている。
「あの、穂月、…」
多分、穂月が馬を下りてからもずっと抱きかかえてるから悪目立ちしてるんじゃないかと思う。どちらの姫君でもない私としては、注目に値しなくて忍びない。居心地の悪さを目で訴えながら穂月を見ると、
「なえ。俺の妻だ」
穂月はまるで悪びれることなく、きっぱりはっきり宣言したうえ、何ならちょっと得意そうに、
ちゅっと軽く口づけた。
なんで、キス!? そんで、いつ結婚した!?
戦国時代の結婚事情には詳しくないけど、名のある武将はそんな簡単に結婚できないんじゃ?? 自由な穂月と飛ばしまくりのステップに動揺し、家臣たちもさすがにどよめいている中、ひゅうっと軽い口笛が聞こえた。
「それは実にめでたい」
みると、家臣たちの間から、すらりとした長身で、髪の色が薄くて、まさかのピアスを付けている若侍がにこやかな笑みを浮かべながら進み出てきた。
ってこの人、…
「鷹峰くんじゃんっ!!」
「…タカミネクン??」
思わず叫ぶと、怪訝そうに首を傾げられた。
いやでも、間違いない。
鷹峰くん!! そっくり!! いつの間にか穂月に仕えてる、…っ
「鷹朋。なえを知っているのか?」
「いやぁ、このように愛らしい女性。一目見れば忘れるはずないと思うのですが」
鷹朋と呼ばれた侍姿の鷹峰くんは、ごくごく自然に私の手を取ると、恭しく唇を寄せてきた。
戦国武将のくせに中世の騎士もどき。チャラいとこも完璧、鷹峰くんだ。
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