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iiyori.02

09.

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「ねえ、見た? 見たよね!? 見たの? 見たんだよね??」

制服に着替えて朝食を用意する穂月にまとわりつく。

気まずいっ、気まず過ぎるっ、気まずさの境地っっ

疲労困憊のあまりお風呂で寝てしまった私を、穂月が布団に運んでくれたってことは分かった。拭いたり乾かしたり包んだりしたのに、「お前が暑いと言って」全部はだけてまっ裸で寝てたのは自分のせいだってことも。

私が悪い。私しか悪くない。
でもでもだけどもっ

「ねえ、見た? 見たよね!? 見たの? 見たんだよねえっ!?」

このどうしようもない気まずさをどうしろと!?

「…まあ、見てない、…」

穂月は卯月にご飯とお味噌汁の和朝食を食べさせながら、平静そのもので、

「と言えば、嘘になるが、…」

無駄に慌てている私に朝食を勧めてくる。

1人で大騒ぎしているのも大人気ないので、気まずいながらテーブルについて、穂月が作ってくれた味噌汁に手をつける。短期間で素晴らしくマスターしたよなあ、と言わざるを得ない出汁のきいた美味な味噌汁を啜ると、

「正直、お前の身体は隅から隅まで腐るほど見たし、お前が良いところも好きなところも全部知り尽くしている」

涼しい顔して穂月がトンデモ発言をするので、思いっきり吹いてしまった。

「ははうえ、飛んでござる」
「なえは、どうも落ち着きがないな」

だから全部あんたのせいじゃんっ!!

「あ、…あんた、そんな、…そんな、…」

もう何も言葉が出てこない。
この恥辱にどう耐えれば、…っ!?

赤くなったり青くなったり、口をパクパクしたりワナワナしたり、雪だるまマモルもびっくりな顔面七変化を繰り出している私の頭に手をのせると、

「まあ、そんなところも可愛いけどな」

無駄に老成した18歳がポンポン優しく撫でた。
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