戦国男子高校生に言い寄られてます!?【完結】

remo

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「うわ、レズってる」

いつの間にか保健室にやってきた女子生徒の坂下沙里さりが、抱き合っている私たちを見て、心底嫌そうな顔をした。

「マキちゃん、お腹痛い。寝かして」

「またかよ、沙里。あんた生理重いんだからさ、そんな短いスカートで生足出してないで、中にきっちり短パン履いとけ?」

マキちゃんは卯月を私に渡すと、勝手知ったる様子でベッドに向かう坂下さんに手を貸している。

「薬飲んだ?」
「持ってない」
「だから、持ち歩けって言ってるじゃん」
「だって急になったんだもん」
「…たくもう」

ぶつぶつ言いながら薬と水を渡すマキちゃんは頼れる教師そのもので、女の私から見ても惚れてしまう。

「あ、…なえちゃんセンセーのちょっと信じられないくらいカッコイイ隠し子、全校女生徒のハートを鷲づかみにしてるけど、早くしないと食われちゃうかもよ?」

ベッドに入った坂下さんが仕切りカーテンを閉める直前、なんか恐ろしいことを言い捨てた。

えええ―――、…

隠し子じゃないけどな。
という突っ込みは、ひとまず置いといて。
いやでも親子に見えるのか。そうか親子か。という衝撃も置いといて。

穂月はまあ、あの見た目だから注目はされるだろうけど、言動が時代がかってるし、現代高校生の授業内容についていけるか謎だし、教室では浮きまくるんじゃないかと思っていたけど。

お昼寝中の卯月を保健室のマキちゃんに預けて、お昼休みに様子を見に行ったら、穂月が死ぬほどモテていた。

「え~? 穂月くん、お弁当持ってきてないの? 一緒に食べよう」
「なえちゃん、家事出来そうにないもんね。明日から作ってきてあげるよ」
「ねえねえ何が好き? 購買のパン買ってきたよ」
「放課後ヒマ? 遊び行こ?」
「海外に居たんだっけ? 日本案内してあげるぅ~」

穂月の周りを、どこぞのアイドルが来たのかと思うくらい大勢の生徒たちが取り囲んでいて、女子はみんな可愛さを前面に押し出し、

「志田のシュートすごかったな」
「足めっちゃ速いじゃん」「なんかスポーツやってたの?」
「サッカー部に入らねえ?」「いやいやバスケでしょ」
「たたずまいからして剣道がいいと思うけどなあ」

男子は男子で穂月の能力の高さに勧誘を繰り広げている。

当の穂月は静かな微笑みを浮かべて周りの話を聞き、丁寧に受け応えている。なんだか周りを囲まれたり、かしずかれたりすることに慣れているように見える。
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