戦国男子高校生に言い寄られてます!?【完結】

remo

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04.

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このキスを覚えてる。

そんなはず、あるわけないけど。
私を探る手のひらの温度も。絡め合わされた舌先の強さも。切羽詰まったように交わされる吐息も。絶え間なく注がれる甘い唇も。

知らないうちに刻み込まれてた細胞が、全力で叫んでいる。
欲しかった。ずっと。
このキスを待っていた。

溶けて。とろけて。
甘くて。深い。

気持ちいい。すごく。
お願い。もっと。

気づかないうちに自分から穂月に腕を伸ばし、舌を伸ばしてねだっていた。薄く翳った視界の中で、月を映して金色に光る穂月の瞳が私を射る。

「ふ、…俺のキスが好きなの、変わらないな」

色っぽさ全開で、穂月が自分の唇を舐める。

…穂月。

スキ、…

って、ちょっと待て―――――いっ
変わる、変わってる、大変身よっ!!

我に返った私に思いきり跳ね上げられて、穂月は尻もちをつきながら目をぱちくりさせた。

「あんた、さっきから何してくれてんの!? 私とあなたは今さっき会ったばかりの他人っ!! 真っ赤な他人!! これ以上私に触ったら追い出すからねっ!!」

危ない。危ない。
スキ、…じゃないよ。何してんの、私。

ちょっと見たことがないような若いイケメンにキスされたからって、さすがにないわ。一夜の過ちとか犯罪かもしれないじゃん。怖っ、イケメンサムライこっわ!!

「…久しぶりで、恥じらっているのか?」

信じられないものを見るような表情で目を瞬かせていた穂月は、都合よくポジティブに解釈したらしく、

「可愛いな、…」

私の髪を一房摘んで撫でるので、切羽詰まって究極のプライバシーを大声で暴露してしまった。

「久しぶりどころか初めてですけどっ!?」

沈黙。3秒、…
穂月は本気で驚いた顔をして目を真ん丸に見開いた。

「え、…?」
「え、…!?」

次いで思わず顔を見合わせてしまった私たちは、

「俺ら散々やったよな!?」
「ちょっと待って! 今のナシ! 初めてな訳ないじゃん! バカじゃないの!?」

同時に喚き声を上げた。

兄さん、驚きすぎて口調乱れてまっせ、などという突っ込みを入れる余裕は1ミリもない。
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