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頭の上から柚くんのくぐもった笑い声が聞こえる。

「逃げたのお前じゃん」

柚くんがちょっと意地悪な顔をして、私をのぞき込んだ。

う。

そうだけど、そうなんだけど、なんでここでSっ気出してくるかなっ
そんなの全部、柚くんがカッコ良過ぎるのが悪いんじゃ―――んっ

急に恥ずかしくなって、だけど逃げ場がなくて目をつむったら、
唇に柚くんを感じた。

ちゅ。

目を開けたら、すぐそこに柚くんの長いまつ毛が見えて、
綺麗な瞳と整った鼻筋があって、
桜色の柔らかい唇が、もう一度私に触れた。

「2度目、…なんだ」

柚くんの掠れた囁き声が甘く耳をくすぐる。

ん? あれ? なんか?

「やっぱ、やる。約束したし」

なんか? なんか?

身を引こうとした私を柚くんの長い腕ががっちり捕まえて、
抱き上げるとあっという間に寝室に運び込まれた。

ちょっと待て―――――っ
私、言い方間違えた?
2度目ってそっち? 
いや、そうなんだけど。それはそれでその通りなんだけども。

確かに、2回目も柚くんがいいけど。
柚くんにだったら何されてもいいんだけど。

でも、ちょっと待って。

あれから7年も経ってるわけで。
その間ただただ老いて行ったわけだから。

心の準備っていうか、身体の準備っていうか。
洗い清めたりとかエステに行ったりとか、
せめて外装だけでもそれなりにしたりとかっ
失礼のないようにいろいろ整えたりとかねっ

「ちょ、…待っ、…柚く、…っ!」

柚くんの柔らかい唇が言葉を奪う。
甘い舌が思考をとろけさせる。

長い腕と長い脚が手際よく動いて、
何が何だかよくわからないうちにベッドの上で素肌をさらして組み敷かれていた。

なにこの慣れた感じ。

無理―――っ、死ぬ―――っ

涙が溢れてきて柚くんにしがみついたら、柚くんが涙にキスして甘く笑った。

「…大丈夫。俺も2回目だから」

う――そ――つ――き――――っ 
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