蒼き狼の愛慕【完結】

『お前の声が聞こえたら、飛んで行って抱いてやったのに』

帝都の歓楽街にある妓楼が燃えた。

妓楼を全焼させた放火犯として捕らえられた娘は火あぶりの刑になる。
大衆環視の中、処刑され火だるまになりかけた娘の元に白き人狼が降り立った。

「ハイイロ」と呼ばれる人狼たちは、人間を襲い、欲しいままに犯し、喰らう。特に満月の夜は凶暴性が増し、若い娘を好んで凌辱した末に無残に食い散らすため、夜が明けると惨殺された娘の亡骸が帝都中に転がることになる。

しかし、ハイイロに荒らされた帝都に、処刑された娘の姿はなかった、…―――



【ユキ】 白き人狼。灰色人狼(ハイイロ)たちの統領(ボス)。人間と人狼の混血で目が青い。

【久我宮リン】 伯爵家の妾腹の娘。声と記憶をなくし妓楼に売られる。

【久我宮キヨコ】 伯爵家の正妻。リンを冷遇し、妓楼に売る。

【久我宮ハルキ】 伯爵家の息子。リンに恋慕する。

【女将】 妓楼を経営する楼主の女房。遊女たちのまとめ役。鬱憤のはけ口としてリンを雇う。

【胡蝶】 妓楼で一番人気の高級遊女。

【ジーク】 灰色人狼の双子。ユキの側近。武力に優れた元帥。

【ザーク】 灰色人狼の双子。ユキの側近。武力に優れた元帥。

【ミイナ】 灰色人狼の雌。元老院によるユキの番(つがい)候補。


*『白き狼の寵愛』続編。こちらから読んでも大丈夫です。
*【完結】ありがとうございました!!
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