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hage.99
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「見下げ果てた振る舞いだな、本多リツキ。これがお前の愛情か?」
レオンの尖った声が夜明けのひんやりした空気を切り裂く。
「…誰だよ?」
リツキがオレを抱き寄せたまま、レオンと対峙する。
「あー、…リツキ、わりぃ。レオンがどうしても退かなくて、…」
よく見ると、レオンの後ろに苦い表情のハセガワがいた。
「俺はアイと将来を固く誓い合った婚約者だ。桐島レオン、覚えているだろう?保育園でお前がさんざん嫌がらせを、…」
「レオちゃんか!」
リツキが思い当たったようで、明るい声を上げた。
「マジか。久しぶりだな。うわー、お前、昔から美少女だったけど、まんまキレイな、…」
「寄るな、本多リツキ!好きモノめ」
リツキがレオンに近づくと、なぜかレオンがひるんだ。
「なんで?俺ら、将来を誓い合ってキスした仲じゃん」
はぁ?
リツキの日本語が理解できねー。
リツキとレオンが将来を誓い合って、…!?
「アイっ、ヤツの戯れ言を真に受けるなよ。こいつは、嫌がらせで俺に付きまとって…!」
レオンが慌てている。心なしか顔が赤らんでいるような気もする。
え。
レオンって、リツキが好きなの??
レオンとリツキを見比べていると、リツキがニヤリと意味深な笑みを浮かべて、ハセガワを呼び、オレを手渡す。
エロリツのせいで、足腰が立たねー。
「レオちゃん。会いたかったよ?俺のハジメテを奪って消えちゃうんだから」
「ひっ、人聞きの悪いことを言うな!あれはお前が無理やり…っ、アイっ!誓って俺はお前だけだ!」
リツキがレオンに迫って、レオンが後退している。
オレとハセガワは完全に蚊帳の外で。
「バレないうちに、戻ろうぜ、アイ」
ハセガワがオレにささやきかけた。
「…だな」
オレって、レオンに遊ばれたのか?
「しっかし、オトコもイケるなんてさすがリツキだな」
…え。
オレの顔色を見て、ハセガワが思わせぶりな笑いを浮かべる。
「どうする、アイ?昨日までの求婚者が今日からはライバルだぜ?」
「てめー、ハセガワっ、…」
え。
でも、リツキって、…え?
「…お前、今日からあんま、リツに近づくなよ」
オレは、オンナノコだけじゃなくて、オトコノコにも気を張らなきゃならないのか?
「…ふ」
めまいがしそうになっているオレをハセガワが笑う。
「こんなの付けて。満ち足りてんじゃん」
オレの胸元のネックレスを軽くつつくと、
「まぁ、お前のためなら、オトコだろうとオンナだろうと、リツキは何でもやるだろうけどな」
ほんの一瞬だけ、声に寂しそうな気配を漂わせて、ハセガワがリツキとレオンに目を向けた。
…リツキがレオンに頬ずりしている。
レオンの尖った声が夜明けのひんやりした空気を切り裂く。
「…誰だよ?」
リツキがオレを抱き寄せたまま、レオンと対峙する。
「あー、…リツキ、わりぃ。レオンがどうしても退かなくて、…」
よく見ると、レオンの後ろに苦い表情のハセガワがいた。
「俺はアイと将来を固く誓い合った婚約者だ。桐島レオン、覚えているだろう?保育園でお前がさんざん嫌がらせを、…」
「レオちゃんか!」
リツキが思い当たったようで、明るい声を上げた。
「マジか。久しぶりだな。うわー、お前、昔から美少女だったけど、まんまキレイな、…」
「寄るな、本多リツキ!好きモノめ」
リツキがレオンに近づくと、なぜかレオンがひるんだ。
「なんで?俺ら、将来を誓い合ってキスした仲じゃん」
はぁ?
リツキの日本語が理解できねー。
リツキとレオンが将来を誓い合って、…!?
「アイっ、ヤツの戯れ言を真に受けるなよ。こいつは、嫌がらせで俺に付きまとって…!」
レオンが慌てている。心なしか顔が赤らんでいるような気もする。
え。
レオンって、リツキが好きなの??
レオンとリツキを見比べていると、リツキがニヤリと意味深な笑みを浮かべて、ハセガワを呼び、オレを手渡す。
エロリツのせいで、足腰が立たねー。
「レオちゃん。会いたかったよ?俺のハジメテを奪って消えちゃうんだから」
「ひっ、人聞きの悪いことを言うな!あれはお前が無理やり…っ、アイっ!誓って俺はお前だけだ!」
リツキがレオンに迫って、レオンが後退している。
オレとハセガワは完全に蚊帳の外で。
「バレないうちに、戻ろうぜ、アイ」
ハセガワがオレにささやきかけた。
「…だな」
オレって、レオンに遊ばれたのか?
「しっかし、オトコもイケるなんてさすがリツキだな」
…え。
オレの顔色を見て、ハセガワが思わせぶりな笑いを浮かべる。
「どうする、アイ?昨日までの求婚者が今日からはライバルだぜ?」
「てめー、ハセガワっ、…」
え。
でも、リツキって、…え?
「…お前、今日からあんま、リツに近づくなよ」
オレは、オンナノコだけじゃなくて、オトコノコにも気を張らなきゃならないのか?
「…ふ」
めまいがしそうになっているオレをハセガワが笑う。
「こんなの付けて。満ち足りてんじゃん」
オレの胸元のネックレスを軽くつつくと、
「まぁ、お前のためなら、オトコだろうとオンナだろうと、リツキは何でもやるだろうけどな」
ほんの一瞬だけ、声に寂しそうな気配を漂わせて、ハセガワがリツキとレオンに目を向けた。
…リツキがレオンに頬ずりしている。
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