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hage.97

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「で。なに聞きたいって?」

ちけーし、なんかこいつ裸だしっ

リツキのムダに整った顔が迫ってきて焦る。

「あ、…えっと、…」
「早く言わないと、風呂プレイするぞ」

アホか、エロサル!

「おっ、前のイタリアの恋人がっ…!」

くそ、動揺していきなり核心を口走ってしまった…

「は?イタリアの恋人?」

リツキのアホ面を見る限り、やましいことは無さそうだけど。

「…ラウラって言うんだって」

リツキから視線を外してつぶやくと、リツキに両頬をつままれて超至近距離からのぞき込まれた。

「いへぇ…」

オレの顔は超絶ブサイクに違いない。

「お前が元気なかったの、そのせい?」

「…写真。キス、…して…」

言い終わる前に、ブサイクにつぶれたオレの唇をリツキがふさいだ。

「不安になるなって言ったのに」

ちゅ。

リツキがくすぐるようにオレの顔中にキスして、その胸に抱きしめた。

だからっ!素肌が、…っ!

「ラウラはサッカーチームのマネだけど」

リツキの柔らかい肌を頬に感じて落ち着かない。

「それだけだよ。お前が不安になるようなことはないから」

リツキの声が頭の上から落ちてくる。

「…ハグとか、キスの、…写真」

でもなんか、写真を見せられた時の衝撃がよみがえってきて、胸の中がくすぶってる。
オレって、めんどくせーヤツなのかも。

「ヤキモチアイちゃん」

若干自己嫌悪に陥りながら、なおもつぶやくオレを、リツキが笑った。

笑うとこじゃねーっ
って抗議のために顔をあげると、

「こういうんじゃねえだろ」

リツキの深いキスが落ちてきた。

リツキの舌が、甘くオレを溶かす。何回しても、身体の奥が熱くなって、頭がクラクラする。

リツキのキスに翻弄されて、ぼんやり目を開けると、

「…くそ、可愛いな」

リツキがまたオレを胸に抱きしめた。
素肌に触れるけど、もう抗う気力がねー。

「不安にさせてごめん。でも、誰に何吹き込まれたか知らないけど、お前だけだよ。こういうキスしたいと思うのも、抱きたいのも、離したくないのも」

リツキがオレの両頬に手を当てて、オレをのぞき込む。

「アイ、…」

オレの名前を呼ぶリツキの声が切なく揺れる。

「俺のこと、信じてろよ」

オレにまた口づけるリツキの舌が、甘くて切ない。

「他の誰かに、泣かされてんじゃねえよ」

1人でさっさとイタリアに行って、ろくに連絡も寄こさなかったくせに、勝手なヤツ。

そう思うのに、リツキのキスが言葉以上に気持ちを伝えてきて、胸がいっぱいになる。

そばにいて、触れられるってすごいな。

オレ、今までずっと、この幸せを当たり前だと思ってたんだな。
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