【完結】乙女ざかりハゲざかり〜爆笑ハイテンションラブコメディ

remo

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まあ、別に、チナツが元気ならそれでいいんだけど。

「ニャフ~~ン」

いつの間にか、チビ猫がオレの膝の上に乗りあがってきた。
相変わらず、偉そうだな、お前。
って、こいつが来たってことは、…

「アイ先輩。もうすぐ修学旅行ですね」

出たよ、マシュマロ。いや、腹に一物隠し持ってるからには、もはやダイフクニシモトと呼ばせてもらおう。

「ミク、この前の写真、ラウラさんにもあげたいんで、会えたら渡してくださいね」

天使のような微笑みを浮かべてオレに封筒を手渡すニシモト。
オレにこれを渡すあたり、デビルニシモトに決定だな。

「え?何の写真~?」

幸せボケしたチナツが封筒を手に取る。

「うふふ。後でゆっくり見てください。レオン様もこれで気兼ねなくご結婚できますよ」

チビ猫を抱き上げて、ひらひら手を振りながらニシモトが去っていく。

「アイっ!何この写真!!」

当然のことながら、チナツの顔色が変わる。

「リツキのイタリアの恋人なんだってさ」

オレはもう、そんな写真は二度と見たくないわけで。

「相変わらずだな、本多リツキ」

呆れたようなレオンの声。

「…アイが死んでたのはこのせいか」

チナツが写真をしまって、きりっとオレを見る。
幸せボケから目覚めたらしい。

「でもアイ、これはある意味チャンスだよ。修学旅行で、何が何でもリツキくんと2人で会えるようにしてあげるから、リツキくんの気持ち、ちゃんと確かめておいでよ」

チナツがニシモトの立ち去った方向を一瞥し、キッパリ言い切る。

「リツキくんを信じるなら、西本ミクの嫌がらせなんか無視だよ!自分で見たものだけを信じなね」

レオンがオレの頭に手を乗せた。

「本多リツキがアイにふさわしいかどうか、俺も見極めてやるよ」

レオンの手の重みが胸に響く。
リツキ。…信じて、いいよな?
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