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hage.92
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まあ、別に、チナツが元気ならそれでいいんだけど。
「ニャフ~~ン」
いつの間にか、チビ猫がオレの膝の上に乗りあがってきた。
相変わらず、偉そうだな、お前。
って、こいつが来たってことは、…
「アイ先輩。もうすぐ修学旅行ですね」
出たよ、マシュマロ。いや、腹に一物隠し持ってるからには、もはやダイフクニシモトと呼ばせてもらおう。
「ミク、この前の写真、ラウラさんにもあげたいんで、会えたら渡してくださいね」
天使のような微笑みを浮かべてオレに封筒を手渡すニシモト。
オレにこれを渡すあたり、デビルニシモトに決定だな。
「え?何の写真~?」
幸せボケしたチナツが封筒を手に取る。
「うふふ。後でゆっくり見てください。レオン様もこれで気兼ねなくご結婚できますよ」
チビ猫を抱き上げて、ひらひら手を振りながらニシモトが去っていく。
「アイっ!何この写真!!」
当然のことながら、チナツの顔色が変わる。
「リツキのイタリアの恋人なんだってさ」
オレはもう、そんな写真は二度と見たくないわけで。
「相変わらずだな、本多リツキ」
呆れたようなレオンの声。
「…アイが死んでたのはこのせいか」
チナツが写真をしまって、きりっとオレを見る。
幸せボケから目覚めたらしい。
「でもアイ、これはある意味チャンスだよ。修学旅行で、何が何でもリツキくんと2人で会えるようにしてあげるから、リツキくんの気持ち、ちゃんと確かめておいでよ」
チナツがニシモトの立ち去った方向を一瞥し、キッパリ言い切る。
「リツキくんを信じるなら、西本ミクの嫌がらせなんか無視だよ!自分で見たものだけを信じなね」
レオンがオレの頭に手を乗せた。
「本多リツキがアイにふさわしいかどうか、俺も見極めてやるよ」
レオンの手の重みが胸に響く。
リツキ。…信じて、いいよな?
「ニャフ~~ン」
いつの間にか、チビ猫がオレの膝の上に乗りあがってきた。
相変わらず、偉そうだな、お前。
って、こいつが来たってことは、…
「アイ先輩。もうすぐ修学旅行ですね」
出たよ、マシュマロ。いや、腹に一物隠し持ってるからには、もはやダイフクニシモトと呼ばせてもらおう。
「ミク、この前の写真、ラウラさんにもあげたいんで、会えたら渡してくださいね」
天使のような微笑みを浮かべてオレに封筒を手渡すニシモト。
オレにこれを渡すあたり、デビルニシモトに決定だな。
「え?何の写真~?」
幸せボケしたチナツが封筒を手に取る。
「うふふ。後でゆっくり見てください。レオン様もこれで気兼ねなくご結婚できますよ」
チビ猫を抱き上げて、ひらひら手を振りながらニシモトが去っていく。
「アイっ!何この写真!!」
当然のことながら、チナツの顔色が変わる。
「リツキのイタリアの恋人なんだってさ」
オレはもう、そんな写真は二度と見たくないわけで。
「相変わらずだな、本多リツキ」
呆れたようなレオンの声。
「…アイが死んでたのはこのせいか」
チナツが写真をしまって、きりっとオレを見る。
幸せボケから目覚めたらしい。
「でもアイ、これはある意味チャンスだよ。修学旅行で、何が何でもリツキくんと2人で会えるようにしてあげるから、リツキくんの気持ち、ちゃんと確かめておいでよ」
チナツがニシモトの立ち去った方向を一瞥し、キッパリ言い切る。
「リツキくんを信じるなら、西本ミクの嫌がらせなんか無視だよ!自分で見たものだけを信じなね」
レオンがオレの頭に手を乗せた。
「本多リツキがアイにふさわしいかどうか、俺も見極めてやるよ」
レオンの手の重みが胸に響く。
リツキ。…信じて、いいよな?
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