【完結】乙女ざかりハゲざかり〜爆笑ハイテンションラブコメディ

remo

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hage.77

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「やぁん~~~っ、仲直りの昼までエッチって、どんだけ~っ」

おい。チナツ、超絶奇怪なキャラになってんぞ。

「切羽詰まった声でアリバイ頼んできたリツキくん、ツボったわぁ。もうキュンキュンっ」

妙な動きで腰をくねらせて迫ってきた挙句。

「アイ、良かったね。めちゃめちゃ幸せそうな顔してるよ?」

オレの頬を指でつつく。

「でもまあ、リツキくんのが、幸せそうかもね。アイのこと、愛おしくて仕方ない、みたいな顔してさ」

リツキは。

相変わらず、バカとかハゲとかオレをおとしめるんだけど、なんでだろう、…
それが「好き」って聞こえるんだから、オレの頭はそうとうやられている。

エロサルリツキのせいで、オレらは朝帰りどころか、夕方帰りだったんだけど、エロサルは知恵だけは回るらしく、チナツんちでお泊まり勉強会とか言っておいたらしい。

おかげでオレの無断外泊は全くおとがめナシに終わったんだけど、…

「…ヤったね」
「間違いないね」

ハナクソ親子にはソッコーでバレた。

リツキのせいでオレがヨレヨレんなって、ヤツに抱きかかえられながら帰る羽目になったから、…だろーな。

「初夜?」
「結納?」
「孫誕生?」

ハナクソ、うぜーし。


「なぁ、アイ。お前、大丈夫なの?」

うちの怪しいハナクソ親子を思い出していたら、いつの間にかオレの席にハセガワが来ていた。

「え。ナニが、…」

まさか身体?
そりゃあもうエロサルのせいで未だに感覚がおかしいような、…

「あいつ、夏休み中に行くんだろ?お前、一年も耐えられんの?」

「は? 行くってどこに?」

「え?聞いてねーの?」

ハセガワがはっきりと「しまった」って顔をして、オレとチナツは何のことだかさっぱりだったんだけど、…予感がした。

引き離されるような。




「古町~、古町~、古町はいらんか~」

授業が全然頭に入らなかった。
ハゲヤマ渾身のギャグにも、まるっきり反応できなかった。

…リツキが行ってしまう。

『イタリアにサッカー留学で1年。こないだの強化練で、推薦されたんだって』

嫌がるハセガワを無理やり締め上げて吐かせた。
リツキに殺されるとか青くなってたけど、それどころじゃねー。

部室でリツキが話してたのは。

『俺、アイのことは、正直抱きたくない、…っていうか、抱くのが怖い』

『アイを抱いたら、決心がつかなくなるんじゃないか、って』

『アイを、離せないから』

カリスマに嫉妬とかじゃなくて。
リツキは。

…オレと離れることを、考えていたんだ。

「古町~、古町~、せめてなんか言ってくれや」
「先生。今はそっとしといてあげて下さい」
「え~、つまんないつまんない」
「…子どもかよ!」
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