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hage.76
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「でも、そんなわけにいかないし、…」
聞こえないくらい小さくつぶやかれた言葉の意味を、確かめたかったのに、リツキに揺らされて思考が溶ける。
1ミリも動けないくせに、リツキの腕の中では簡単にとろけてしまう。
「も、…リツ…っ」
なんでこんな続けざまに、際限なく何度も何度も、…
クソエロリツキっ!
「マジでこのまま、…離したくねえ…っ」
リツキの切なげな声を聞く余裕もなく、またリツキに果てまで飛ばされて、気づいたら、リツキに抱きかかえられたまま、フロに入っていた。
はぁぁぁ?
なんじゃ、この、史上最悪の羞恥プレイはっ!!
「は、なせ…っ」
リツキの腕から逃れようとするのに、まるっきり身体に力が入らねー。
「無理すんな。全然セーブしてやれなかったし、…どっかツラい?」
後ろにぴったりリツキが張り付いている、この体勢がツラいっつの!
「…全部」
ぶすくされて答えると、リツキがオレの頭をなでて、
「いいよ。全部にキスしてやる」
ちょっと待て!このエロサル!
平然と発言が卑猥なんだよっ
…クソ、茹だる。
「お前のハゲ、ちゃんと毛穴はあるんだな」
後ろからオレを見下ろすリツキには、オレのハゲが丸見えらしい。
「見んじゃねー」
ハゲ隠しに乗せたオレの手を握り、楽しそうに喉の奥で笑い声をたてながら、リツキがハゲにキスする。
「この、浮気もの」
なに、その変な言いがかり?
視線を後ろに向けると、すげー優しいリツキの顔が見えて、急いで向き直った。
顔とセリフに落差がありすぎて、急に心臓が落ち着きをなくす。
「勝手にハゲさらしてんじゃねえよ」
リツキがついばむようにハゲにキスするから、くすぐったくてそわそわする。
「変なパッチン付けやがって」
…パッチン? バレッタか?
「お前、ああいうのが好きなの?」
「や、好き、ってゆーか、…」
これって。もしかして。
いやでも、リツキに限って。
「ま。俺の首輪、ホントに首輪にしてたからいいけど」
リツキがオレのハゲに頬をすり寄せながら、オレが首からかけているチェーンをもてあそぶ。
オレのチェーンには、リツキがくれた金のリボンが結んである。
リツキってもしかしたら。
カリスマ有野に、妬いてた、とか。
いや、でも。
「お前、チビ猫にも首輪つけてんじゃん」
ふんぞり返って銀のリボンを見せびらかすチビ猫の姿が頭によぎり、おまけにマシュマロニシモトまで出てきてなんかムッとする。
「…妬いた?」
リツキが嬉しそうに、オレの耳に囁きかけて、そのまま耳を喰む。
やめろよ、って言いたいけど、…
リツキってもしかしたら。
…オレが思ってるよりオレのこと、好きなのかもしれない。
聞こえないくらい小さくつぶやかれた言葉の意味を、確かめたかったのに、リツキに揺らされて思考が溶ける。
1ミリも動けないくせに、リツキの腕の中では簡単にとろけてしまう。
「も、…リツ…っ」
なんでこんな続けざまに、際限なく何度も何度も、…
クソエロリツキっ!
「マジでこのまま、…離したくねえ…っ」
リツキの切なげな声を聞く余裕もなく、またリツキに果てまで飛ばされて、気づいたら、リツキに抱きかかえられたまま、フロに入っていた。
はぁぁぁ?
なんじゃ、この、史上最悪の羞恥プレイはっ!!
「は、なせ…っ」
リツキの腕から逃れようとするのに、まるっきり身体に力が入らねー。
「無理すんな。全然セーブしてやれなかったし、…どっかツラい?」
後ろにぴったりリツキが張り付いている、この体勢がツラいっつの!
「…全部」
ぶすくされて答えると、リツキがオレの頭をなでて、
「いいよ。全部にキスしてやる」
ちょっと待て!このエロサル!
平然と発言が卑猥なんだよっ
…クソ、茹だる。
「お前のハゲ、ちゃんと毛穴はあるんだな」
後ろからオレを見下ろすリツキには、オレのハゲが丸見えらしい。
「見んじゃねー」
ハゲ隠しに乗せたオレの手を握り、楽しそうに喉の奥で笑い声をたてながら、リツキがハゲにキスする。
「この、浮気もの」
なに、その変な言いがかり?
視線を後ろに向けると、すげー優しいリツキの顔が見えて、急いで向き直った。
顔とセリフに落差がありすぎて、急に心臓が落ち着きをなくす。
「勝手にハゲさらしてんじゃねえよ」
リツキがついばむようにハゲにキスするから、くすぐったくてそわそわする。
「変なパッチン付けやがって」
…パッチン? バレッタか?
「お前、ああいうのが好きなの?」
「や、好き、ってゆーか、…」
これって。もしかして。
いやでも、リツキに限って。
「ま。俺の首輪、ホントに首輪にしてたからいいけど」
リツキがオレのハゲに頬をすり寄せながら、オレが首からかけているチェーンをもてあそぶ。
オレのチェーンには、リツキがくれた金のリボンが結んである。
リツキってもしかしたら。
カリスマ有野に、妬いてた、とか。
いや、でも。
「お前、チビ猫にも首輪つけてんじゃん」
ふんぞり返って銀のリボンを見せびらかすチビ猫の姿が頭によぎり、おまけにマシュマロニシモトまで出てきてなんかムッとする。
「…妬いた?」
リツキが嬉しそうに、オレの耳に囁きかけて、そのまま耳を喰む。
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…オレが思ってるよりオレのこと、好きなのかもしれない。
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