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hage.73
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部屋が揺れてんのか、オレが揺れてんのか、地球が揺れてんのか。
気が付いたら。
雲の合間をふわふわ漂っているみたいな、
波間をゆらゆらたゆたってるみたいな、
ぼんやりとした不思議な心地良さを感じていた。
眠りに落ちる一歩手前みたいな安らぎに、
このままずっと、こうしていたいと思った。
もう、このままずっと、夢見てるままでいたい。
身体中が、温もりに包まれる。
あったかくて、優しくて、ふわふわ、気持ちよくて、
オレを包む温もりにしがみつくと、優しく抱き返してくれる。
「…リツ」
眠くて、瞼が重くて、目を開けられないけど、ちゃんとわかる。
リツキはいつも、泣きたくなるくらい優しくオレを包んでくれるから。
リツキの匂いも。リツキの温もりも。
リツキの鼓動も。リツキの触れ方も。
安心する。
「…好き」
夢見心地のまま告げるオレの唇を、リツキが優しくふさいだ。
髪をなでる手も、背中に回った手も、
ぴったり張り付く身体も、顔中いたるところに落とされるキスも。
優しくて。気持ちよくて。
オレは。
リツキに触られるのが、好きなんだと思う。
差し込まれるリツキの舌が甘くて、
絡ませられる舌と舌に身体の芯からゾクゾクするような快感が這い上がってくる。
リツキの優しい指先が、宝物に触れるみたいに
オレの首筋を、肩のラインを、脇を、腰を
そっとゆっくりなぞっていく。
くすぐったくて、そわそわして、勝手に身体が跳ねるのを
なだめるように、リツキがオレの髪をなでながら、
甘いキスを繰り返す。
「…リツ」
キスの合間に名前を呼んだら、吐息みたいな声になった。
「アイ…」
オレを呼ぶリツキの声が聞こえたとたん、安心して涙が出た。
リツキ、オレのこと、いらなくなんか、ねーよな。
リツキがオレの涙を熱い舌で舐めとる。
こめかみに唇を寄せて、耳元で切なく告げる。
「アイ…っ」
オレを呼ぶリツキの声が、切羽詰って聞こえて、リツキに手を伸ばして必死に抱きしめた。
オレは、ここにいるって。
リツキのそばにいるって。
伝えたくて。
飢えたように繰り返されるキスに、もう頭が追い付かなくなる。
思考が消えて、リツキと触れ合う感覚だけが全てになる。
さえぎるものが何もなくて、熱く引き締まっているリツキの身体が、滑らかにしなやかに、オレを誘う。
リツキの指とリツキの唇が、余すところなくオレをたどって、身体中を甘くとろけさせる。
甘くしびれて、何度も何度も快感に弾け飛んで、すがるようにリツキにしがみついた。
「リツ…っ」
繰り返し、リツキを呼んだ。
リツキへの想いが伝わるように、オレの全てでリツキを呼んだ。
「アイ…」
どこにも、1ミリも隙間がないくらい、リツキがオレにぴったりくっついて、全身でオレを抱きしめて、…
低くかすれた声で優しく告げた。
「…愛してる」
リツキがオレをいっぱいにして、リツキだけがオレの全てになる。
内からも外からも甘く揺らされて、どこまでもどこまでも溶け合った。
今まで感じたことのない幸福感に包まれて、意識を飛ばしそうになると、
「アイ」
留めるように、リツキがキスでオレを呼ぶ。
自分の身体なのに、自分のものじゃないみたいで、
何度も溶け合ったリツキの身体と、境目が分からなくなる。
リツキが愛し過ぎて、
もう、このまま目覚めなくてもいいと思った。
このまま。一つに溶け合ったまま、ずっとずっとこのまま。
「リツキ…」
強力な快感の波にさらわれて、
「…リツ、…っ」
もうそれ以上耐えきれずに、完全に意識を手離した。
気が付いたら。
雲の合間をふわふわ漂っているみたいな、
波間をゆらゆらたゆたってるみたいな、
ぼんやりとした不思議な心地良さを感じていた。
眠りに落ちる一歩手前みたいな安らぎに、
このままずっと、こうしていたいと思った。
もう、このままずっと、夢見てるままでいたい。
身体中が、温もりに包まれる。
あったかくて、優しくて、ふわふわ、気持ちよくて、
オレを包む温もりにしがみつくと、優しく抱き返してくれる。
「…リツ」
眠くて、瞼が重くて、目を開けられないけど、ちゃんとわかる。
リツキはいつも、泣きたくなるくらい優しくオレを包んでくれるから。
リツキの匂いも。リツキの温もりも。
リツキの鼓動も。リツキの触れ方も。
安心する。
「…好き」
夢見心地のまま告げるオレの唇を、リツキが優しくふさいだ。
髪をなでる手も、背中に回った手も、
ぴったり張り付く身体も、顔中いたるところに落とされるキスも。
優しくて。気持ちよくて。
オレは。
リツキに触られるのが、好きなんだと思う。
差し込まれるリツキの舌が甘くて、
絡ませられる舌と舌に身体の芯からゾクゾクするような快感が這い上がってくる。
リツキの優しい指先が、宝物に触れるみたいに
オレの首筋を、肩のラインを、脇を、腰を
そっとゆっくりなぞっていく。
くすぐったくて、そわそわして、勝手に身体が跳ねるのを
なだめるように、リツキがオレの髪をなでながら、
甘いキスを繰り返す。
「…リツ」
キスの合間に名前を呼んだら、吐息みたいな声になった。
「アイ…」
オレを呼ぶリツキの声が聞こえたとたん、安心して涙が出た。
リツキ、オレのこと、いらなくなんか、ねーよな。
リツキがオレの涙を熱い舌で舐めとる。
こめかみに唇を寄せて、耳元で切なく告げる。
「アイ…っ」
オレを呼ぶリツキの声が、切羽詰って聞こえて、リツキに手を伸ばして必死に抱きしめた。
オレは、ここにいるって。
リツキのそばにいるって。
伝えたくて。
飢えたように繰り返されるキスに、もう頭が追い付かなくなる。
思考が消えて、リツキと触れ合う感覚だけが全てになる。
さえぎるものが何もなくて、熱く引き締まっているリツキの身体が、滑らかにしなやかに、オレを誘う。
リツキの指とリツキの唇が、余すところなくオレをたどって、身体中を甘くとろけさせる。
甘くしびれて、何度も何度も快感に弾け飛んで、すがるようにリツキにしがみついた。
「リツ…っ」
繰り返し、リツキを呼んだ。
リツキへの想いが伝わるように、オレの全てでリツキを呼んだ。
「アイ…」
どこにも、1ミリも隙間がないくらい、リツキがオレにぴったりくっついて、全身でオレを抱きしめて、…
低くかすれた声で優しく告げた。
「…愛してる」
リツキがオレをいっぱいにして、リツキだけがオレの全てになる。
内からも外からも甘く揺らされて、どこまでもどこまでも溶け合った。
今まで感じたことのない幸福感に包まれて、意識を飛ばしそうになると、
「アイ」
留めるように、リツキがキスでオレを呼ぶ。
自分の身体なのに、自分のものじゃないみたいで、
何度も溶け合ったリツキの身体と、境目が分からなくなる。
リツキが愛し過ぎて、
もう、このまま目覚めなくてもいいと思った。
このまま。一つに溶け合ったまま、ずっとずっとこのまま。
「リツキ…」
強力な快感の波にさらわれて、
「…リツ、…っ」
もうそれ以上耐えきれずに、完全に意識を手離した。
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