【完結】乙女ざかりハゲざかり〜爆笑ハイテンションラブコメディ

remo

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でも、もし。
もしあんな幸せな感じなら。
オレ、リツキとだったら、シたいかも。

って、オレ、何キャラだよ!!
まさかのエロキャラかよ!!

ハレンチリツキに洗脳されたか、ハナクソ親子菌に浸食されたのかも。

うおおおお~~~~~、誰か、オレを止めて!

「アイっ?どした?悪い頭がさらに悪くなっちゃうよ!」

頭突きしてたオレを、若干微妙な言い回しでチナツが壁からかばってくれた。

そうだ。
世間はまだテスト期間なのだ。

ってことは帰りが早い。
ってことは、…

かねてから温めていた計画を実行に移す時が来たのかもしれない。

そう。
マシュマロニシモトに打ち勝って、チナツみたいな愛され女子になるには!

「…なぁ、美容院ってどこに行けばいい?」

オレの切実な問いかけに、チナツが、宇宙人でも見たような視線を投げてきた。

「アイの口から美容院って!完璧オンナに目覚めてるっ!リツキくんすご過ぎるぅぅ」

チナツがかわいく悶えている。

オレは今まで団地内にあるサトウ理髪店でおっちゃんにカットしてもらってたんだけど。

今、この状態でサトウに行ったら、明日には団地中にハゲが知れ渡ること間違いない。
それは断固避けたい。

ここは一つ勇気を出して、ビューティサロンとやらに行かなくてはっ!

そう。バイト代は入った。
後はハゲを第三者にさらす勇気。

ハゲですけど、ハゲ隠しをオシャレ目に、よろしく~、とか言うのか?
ハゲですけど、色気プラス気味で、よろしく~、でいいのか?

チナツ~~~っ

頼りになるチナツの手を握りしめたつもりが、

「あー、…私は一応妻子がいるんだが、古町」

いつの間にか全面にハゲをさらけ出しているハゲヤマの手をつかんでいたらしい。

ドンマイ、ハゲヤマ。ハゲをさらす勇気はもらったぜ。

「いらっしゃいませ~」

…眩しい。

爽やかさ全開の店内は、オシャレな小物やら観葉植物やらがセンス良く並べられ、妙にイケてるお兄さんお姉さんが、一斉にオレを注目する。

美容院、半端ねー。
異様な眩しさにくらっとして、ハゲヤマプラスのかき集めた勇気がくじけそうになる。

「お、デンワ、した、こ、まち、デス」

やべー。ロボット人間みたいになってる。

こんなことならチナツに着いてきてもらうんだったかな。
明らかにハゲをさらすことになるから一人で大丈夫って言っちゃったけど。

「本日担当させていただきます有野です」

カリスマ風の男性美容師さんが、椅子に座ったオレの横に軽くひざまずくようにして名乗るから、すっかりテンパって、

ハゲですけど、よろしくお願いしますって言うつもりが、

「ハ、…ハゲでお願いしますっ」

…しくじった。
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