【完結】乙女ざかりハゲざかり〜爆笑ハイテンションラブコメディ

remo

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「アイっ!おめでと~~~~っっ!」
「いやぁ、ついにアイもオンナになったのね!」
「どうだった?リツキ、優しかった?」
「初めての朝帰りとか照れるぅ~~~~~」

…なに、この母娘。

オレが自宅の玄関を開けると、満面笑顔の母親とハナクソに拍手で迎えられた。
しかも二人して腰をくねらせてたりしてキモさ爆発。

「ねえ、婚約?結納?本日はお日柄もよく?」
「あらやだ、そう?早速、本多さんと相談しなきゃかしら」
「そりゃそうだよ。善は急げよ!いつ、リツキが心変わりするかわかんないよ」
「それは大変!リツキくんを逃したら、アイに後はないわっ!ちょっと今から、…」

「いーかげんにしろっ!オレら、何もしてねーよ!!」

親クソとハナクソを押しのけて部屋に向かうオレに、

「…ヤってないって」
「やっぱアイじゃ無理か」

残念そうに会話するハナクソ親子は、音量を落とす配慮もしない。

一体、何を期待してんだってハナシだし!

「ちょっと、アイ~、リツキがソノ気になるように、もうちょっと色気出す努力しなよ。元がサルなんだから、あんたにはもう努力しかないじゃん」

オレの部屋はハナクソの部屋でもあるわけで、我が物顔で入ってくるハナクソを止める手立てはねー。

「うるせー、ハナクソ」
「ああ~ん?初体験もまだの小娘が何ナマイキ言ってくれちゃってるのかなぁ?」
「うぉ、ギブギブ。…ハナお姉さま、サルめが失礼いたしました」

相変わらずハナクソのバカ力は半端ない。

こうやってオレのストレスは増加し、ハゲが拡大していくんだな。

「今やリツキは泣く子も黙るスーパーイケメンに成長したんだからね!捨てられる前に既成事実よっ」

もうやだ、こんなハナクソ。



「えええ~っ、一晩中、一緒に寝て、何もナシ~~~??」

急いでチナツの口をふさいで廊下に連れ出す。
同じクラスにリツキがいるんだっつの。

うさんくさいハナクソ親子のいる家から逃げ出し、学校でチナツをつかまえた。

カワシマとの対決(?)から心配と応援をしてくれたチナツに、一部始終を報告すると、ニシモトの話には戦闘モードになったけど、そのうち、ニヤニヤしてニマニマして、…冒頭に至る。

「いくら相手がアイだからってあり得なくない?リツキくんのベッドに誘われて」
「…二段ベッドだけどな」
「それにしたってさぁ。別に後ろからでも出来るわけだし」

チナツちゃんっ!かわいい顔して何言ってんの。

「もおお、リツキくん、溜め過ぎぃ~」

まぁ、厳密には何もなかったわけじゃねーけど。

…身体中にリツキの温もりが残る。

いつの間にか、オレはリツキの腕の中にいて、明け方、リツキのキスで起こされた。
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