【完結】乙女ざかりハゲざかり〜爆笑ハイテンションラブコメディ

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「リツキはどうせアイしか見えてねえよ」

ハセガワはタカヤの嫌み口調も軽く受け流す。

「そうか?2人して買いものしたり休み時間ごと会ったりして楽しそうだけどな」

そういや、アイツ、昨日、チビ猫のグッズ買いに行くとか言ってたな。
あの銀のリボンは、リツキが選んだってことか。
ニシモトと2人で選んだってことか。

「タカヤ。お前、変な言いがかりつけるの止めろって。アイだってどうせリツキしか見えてねえんだし」

オレはチビ猫とは違う。
チビ猫にアルファベットはわかるまい。
あああ~、オレもわからねー。

「どうかな。俺、本多のああいう軽いとこ嫌い」

タカヤがポーカーフェイスで冷たく言い捨てる。

「まあ、確かにリツキはちょっと素直じゃねえけど、でもアイツ、あれで結構一途だから」

ハセガワが苦笑しながらリツキをフォローする。

「ふぅん。まあ、お前も、素直じゃないけどね」

それを横目にタカヤが、ぼそっとつぶやいた。

「お、…っ!」

ハセガワは一瞬顔色を変えたけれど、すぐに何事もなかったかのように、

「俺の話はしてねえよ。ともかく!これ以上面倒くさいことになる前に、タカヤと勉強するのはやめとけ」

オレに向き直って、きっぱり言い切った。

「でも、オレ、今タカヤに捨てられたら、ぜってー平均いかない自信あるんだけど」

オレには悲しい現実が控えている。
放課後しかタケダに会えないチナツを付き合わせるのはわりーし、実際チナツは英語ができるわけでもねーし。

「く、…馬鹿に選択肢はねえのか」

ハセガワが悲しげに頭を振る。
何気に失礼じゃね?

「お前だって赤点組じゃん!」
「うるせーな。リツキに教えてもらえよ」
「アイツ忙しいし、今回は頼りたくねーし」
「チ!馬鹿なくせに挑発に乗りやがって」
「お前だって馬鹿じゃん!」

オレとハセガワが馬鹿の押し付け合いで揉めていると、

「馬鹿はほっといて帰ろ、コマチ」

タカヤがオレの右手をつかんで歩き出した。

「ちょっと待て。しょうがねーから、俺も一緒にやってやる」

ハセガワがオレの左手をつかんで着いてくる。

「は?長谷川と勉強とかテンション下がるんだけど」

タカヤがオレの右側から心底嫌そうな顔をハセガワに向けると

「同感だ。タカヤと勉強なんてため息しか出ねえ」

ハセガワがオレの左側からげんなりした顔でタカヤに応戦した。

「だったらやめろよ」
「親友の危機に黙ってられるか」
「本音は自分のためだろ?」
「お前と一緒にすんな」

なに、こいつら。何気に仲良し?

てか、なんで両手をつないで歩かなきゃなんねーんだ。
オレは幼稚園児じゃねー。
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