51 / 118
hage.51
しおりを挟む
「リツキはどうせアイしか見えてねえよ」
ハセガワはタカヤの嫌み口調も軽く受け流す。
「そうか?2人して買いものしたり休み時間ごと会ったりして楽しそうだけどな」
そういや、アイツ、昨日、チビ猫のグッズ買いに行くとか言ってたな。
あの銀のリボンは、リツキが選んだってことか。
ニシモトと2人で選んだってことか。
「タカヤ。お前、変な言いがかりつけるの止めろって。アイだってどうせリツキしか見えてねえんだし」
オレはチビ猫とは違う。
チビ猫にアルファベットはわかるまい。
あああ~、オレもわからねー。
「どうかな。俺、本多のああいう軽いとこ嫌い」
タカヤがポーカーフェイスで冷たく言い捨てる。
「まあ、確かにリツキはちょっと素直じゃねえけど、でもアイツ、あれで結構一途だから」
ハセガワが苦笑しながらリツキをフォローする。
「ふぅん。まあ、お前も、素直じゃないけどね」
それを横目にタカヤが、ぼそっとつぶやいた。
「お、…っ!」
ハセガワは一瞬顔色を変えたけれど、すぐに何事もなかったかのように、
「俺の話はしてねえよ。ともかく!これ以上面倒くさいことになる前に、タカヤと勉強するのはやめとけ」
オレに向き直って、きっぱり言い切った。
「でも、オレ、今タカヤに捨てられたら、ぜってー平均いかない自信あるんだけど」
オレには悲しい現実が控えている。
放課後しかタケダに会えないチナツを付き合わせるのはわりーし、実際チナツは英語ができるわけでもねーし。
「く、…馬鹿に選択肢はねえのか」
ハセガワが悲しげに頭を振る。
何気に失礼じゃね?
「お前だって赤点組じゃん!」
「うるせーな。リツキに教えてもらえよ」
「アイツ忙しいし、今回は頼りたくねーし」
「チ!馬鹿なくせに挑発に乗りやがって」
「お前だって馬鹿じゃん!」
オレとハセガワが馬鹿の押し付け合いで揉めていると、
「馬鹿はほっといて帰ろ、コマチ」
タカヤがオレの右手をつかんで歩き出した。
「ちょっと待て。しょうがねーから、俺も一緒にやってやる」
ハセガワがオレの左手をつかんで着いてくる。
「は?長谷川と勉強とかテンション下がるんだけど」
タカヤがオレの右側から心底嫌そうな顔をハセガワに向けると
「同感だ。タカヤと勉強なんてため息しか出ねえ」
ハセガワがオレの左側からげんなりした顔でタカヤに応戦した。
「だったらやめろよ」
「親友の危機に黙ってられるか」
「本音は自分のためだろ?」
「お前と一緒にすんな」
なに、こいつら。何気に仲良し?
てか、なんで両手をつないで歩かなきゃなんねーんだ。
オレは幼稚園児じゃねー。
ハセガワはタカヤの嫌み口調も軽く受け流す。
「そうか?2人して買いものしたり休み時間ごと会ったりして楽しそうだけどな」
そういや、アイツ、昨日、チビ猫のグッズ買いに行くとか言ってたな。
あの銀のリボンは、リツキが選んだってことか。
ニシモトと2人で選んだってことか。
「タカヤ。お前、変な言いがかりつけるの止めろって。アイだってどうせリツキしか見えてねえんだし」
オレはチビ猫とは違う。
チビ猫にアルファベットはわかるまい。
あああ~、オレもわからねー。
「どうかな。俺、本多のああいう軽いとこ嫌い」
タカヤがポーカーフェイスで冷たく言い捨てる。
「まあ、確かにリツキはちょっと素直じゃねえけど、でもアイツ、あれで結構一途だから」
ハセガワが苦笑しながらリツキをフォローする。
「ふぅん。まあ、お前も、素直じゃないけどね」
それを横目にタカヤが、ぼそっとつぶやいた。
「お、…っ!」
ハセガワは一瞬顔色を変えたけれど、すぐに何事もなかったかのように、
「俺の話はしてねえよ。ともかく!これ以上面倒くさいことになる前に、タカヤと勉強するのはやめとけ」
オレに向き直って、きっぱり言い切った。
「でも、オレ、今タカヤに捨てられたら、ぜってー平均いかない自信あるんだけど」
オレには悲しい現実が控えている。
放課後しかタケダに会えないチナツを付き合わせるのはわりーし、実際チナツは英語ができるわけでもねーし。
「く、…馬鹿に選択肢はねえのか」
ハセガワが悲しげに頭を振る。
何気に失礼じゃね?
「お前だって赤点組じゃん!」
「うるせーな。リツキに教えてもらえよ」
「アイツ忙しいし、今回は頼りたくねーし」
「チ!馬鹿なくせに挑発に乗りやがって」
「お前だって馬鹿じゃん!」
オレとハセガワが馬鹿の押し付け合いで揉めていると、
「馬鹿はほっといて帰ろ、コマチ」
タカヤがオレの右手をつかんで歩き出した。
「ちょっと待て。しょうがねーから、俺も一緒にやってやる」
ハセガワがオレの左手をつかんで着いてくる。
「は?長谷川と勉強とかテンション下がるんだけど」
タカヤがオレの右側から心底嫌そうな顔をハセガワに向けると
「同感だ。タカヤと勉強なんてため息しか出ねえ」
ハセガワがオレの左側からげんなりした顔でタカヤに応戦した。
「だったらやめろよ」
「親友の危機に黙ってられるか」
「本音は自分のためだろ?」
「お前と一緒にすんな」
なに、こいつら。何気に仲良し?
てか、なんで両手をつないで歩かなきゃなんねーんだ。
オレは幼稚園児じゃねー。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説


召喚学園で始める最強英雄譚~仲間と共に少年は最強へ至る~
さとう
ファンタジー
生まれながらにして身に宿る『召喚獣』を使役する『召喚師』
誰もが持つ召喚獣は、様々な能力を持ったよきパートナーであり、位の高い召喚獣ほど持つ者は強く、憧れの存在である。
辺境貴族リグヴェータ家の末っ子アルフェンの召喚獣は最低も最低、手のひらに乗る小さな『モグラ』だった。アルフェンは、兄や姉からは蔑まれ、両親からは冷遇される生活を送っていた。
だが十五歳になり、高位な召喚獣を宿す幼馴染のフェニアと共に召喚学園の『アースガルズ召喚学園』に通うことになる。
学園でも蔑まれるアルフェン。秀な兄や姉、強くなっていく幼馴染、そしてアルフェンと同じ最底辺の仲間たち。同じレベルの仲間と共に絆を深め、一時の平穏を手に入れる
これは、全てを失う少年が最強の力を手に入れ、学園生活を送る物語。

【完結】勤労令嬢、街へ行く〜令嬢なのに下働きさせられていた私を養女にしてくれた侯爵様が溺愛してくれるので、国いちばんのレディを目指します〜
鈴木 桜
恋愛
貧乏男爵の妾の子である8歳のジリアンは、使用人ゼロの家で勤労の日々を送っていた。
誰よりも早く起きて畑を耕し、家族の食事を準備し、屋敷を隅々まで掃除し……。
幸いジリアンは【魔法】が使えたので、一人でも仕事をこなすことができていた。
ある夏の日、彼女の運命を大きく変える出来事が起こる。
一人の客人をもてなしたのだ。
その客人は戦争の英雄クリフォード・マクリーン侯爵の使いであり、ジリアンが【魔法の天才】であることに気づくのだった。
【魔法】が『武器』ではなく『生活』のために使われるようになる時代の転換期に、ジリアンは戦争の英雄の養女として迎えられることになる。
彼女は「働かせてください」と訴え続けた。そうしなければ、追い出されると思ったから。
そんな彼女に、周囲の大人たちは目一杯の愛情を注ぎ続けた。
そして、ジリアンは少しずつ子供らしさを取り戻していく。
やがてジリアンは17歳に成長し、新しく設立された王立魔法学院に入学することに。
ところが、マクリーン侯爵は渋い顔で、
「男子生徒と目を合わせるな。微笑みかけるな」と言うのだった。
学院には幼馴染の謎の少年アレンや、かつてジリアンをこき使っていた腹違いの姉もいて──。
☆第2部完結しました☆

聖なる夜に、愛を___
美鳥羽
青春
12月24日、クリスマスイブの夜に生まれたことから名付けられた、川上聖夜(かわかみせいや)は、中2の春、転校した。
生まれつき、スポーツ万能で、運動神経や筋肉、持久力、五感が優れている。
それと引き換えなのか、生まれつき人と違う部分があった___。
それが原因で、本当は大好きな体育の授業に、出られなくなってしまった____。
千寿fifteen
大和滝
青春
海のない、山と田圃しかない未開拓地千寿村は、子供なんて数いない。
買収待った無しの村に住む希少な15人の子供たち。夢も何もかもバラバラな彼らが村復興のために団結し動き出す
彼らの村おこしの手段とは…
『音楽』をやろう!
1人から始まった楽団はどこまで行けるのか…

俺の家には学校一の美少女がいる!
ながしょー
青春
※少しですが改稿したものを新しく公開しました。主人公の名前や所々変えています。今後たぶん話が変わっていきます。
今年、入学したばかりの4月。
両親は海外出張のため何年か家を空けることになった。
そのさい、親父からは「同僚にも同い年の女の子がいて、家で一人で留守番させるのは危ないから」ということで一人の女の子と一緒に住むことになった。
その美少女は学校一のモテる女の子。
この先、どうなってしまうのか!?
無敵のイエスマン
春海
青春
主人公の赤崎智也は、イエスマンを貫いて人間関係を完璧に築き上げ、他生徒の誰からも敵視されることなく高校生活を送っていた。敵がいない、敵無し、つまり無敵のイエスマンだ。赤崎は小学生の頃に、いじめられていた初恋の女の子をかばったことで、代わりに自分がいじめられ、二度とあんな目に遭いたくないと思い、無敵のイエスマンという人格を作り上げた。しかし、赤崎は自分がかばった女の子と再会し、彼女は赤崎の人格を変えようとする。そして、赤崎と彼女の勝負が始まる。赤崎が無敵のイエスマンを続けられるか、彼女が無敵のイエスマンである赤崎を変えられるか。これは、無敵のイエスマンの悲哀と恋と救いの物語。
ガイアセイバーズ spin-off -T大理学部生の波乱-
独楽 悠
青春
優秀な若い頭脳が集う都内の旧帝大へ、新入生として足を踏み入れた川崎 諒。
国内最高峰の大学に入学したものの、目的も展望もあまり描けておらずモチベーションが冷めていたが、入学式で式場中の注目を集める美青年・髙城 蒼矢と鮮烈な出会いをする。
席が隣のよしみで言葉を交わす機会を得たが、それだけに留まらず、同じく意気投合した沖本 啓介をはじめクラスメイトの理学部生たちも巻き込んで、目立ち過ぎる蒼矢にまつわるひと騒動に巻き込まれていく――
およそ1年半前の大学入学当初、蒼矢と川崎&沖本との出会いを、川崎視点で追った話。
※大学生の日常ものです。ヒーロー要素、ファンタジー要素はありません。
◆更新日時・間隔…2023/7/28から、20:40に毎日更新(第2話以降は1ページずつ更新)
◆注意事項
・ナンバリング作品群『ガイアセイバーズ』のスピンオフ作品になります。
時系列はメインストーリーから1年半ほど過去の話になります。
・作品群『ガイアセイバーズ』のいち作品となりますが、メインテーマであるヒーロー要素,ファンタジー要素はありません。また、他作品との関連性はほぼありません。
他作からの予備知識が無くても今作単体でお楽しみ頂けますが、他ナンバリング作品へお目通し頂けていますとより詳細な背景をご理頂いた上でお読み頂けます。
・年齢制限指定はありません。他作品はあらかた年齢制限有ですので、お読みの際はご注意下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる