【完結】乙女ざかりハゲざかり〜爆笑ハイテンションラブコメディ

remo

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「そうよ、決めたわ!今度の期末考査であなたの成績が平均点以下だったら、リっくんは返してもらいますから!」

挙句の果てに脅迫まがいのセリフを吐いて、オレに人差し指を突き付ける。

なんでそうなる!?

ぎょっとして見返したオレに、カワシマは余裕の上から目線で、

「本多リツキくんは、この高校でも1,2を争う成績優秀な生徒です。つまり、私の宝、…もとい、学校の宝なの。これは、そんな彼にあなたがふさわしいかどうか、証明できるチャンスよ?」

巧みにオレにつけ込む。

リツキに、ふさわしいかどうか。

そうだ、オレは昨日も「いい気になるな、勘違いヤロー」の視線を浴びたばかりで。

リツキのカノジョであるからには、それなりに決まってなければならないって決意したばかりで。

つまりこれは、チャンス!

「わかったよ、その勝負、受けて立ってやる!」

「アイ!」

チナツが慌てて飛んできたけど、ハゲでもサルでも、オレにだってプライドがあるんだ!

授業終了のチャイムと同時に、ダッシュで教室を出た。

「待ちなさい!抜けがけは許さないわっ!」

にもかかわらず、すかさずカワシマが追ってきて、並んで廊下を走る羽目になる。

「あれ、コマチ、どこ行、…」
「わりーけど、また後で!」

タカヤとすれ違ったけど、ヤツをシメるのは、後。
一刻も早く、保健室に行かなければ!

「リツっ」
「リっくん!」

カワシマとほぼ同時に保健室のドアを開ける。
カワシマの執念深さ、マジ、半端ねーな。

「ちょっと、あなた!川嶋先生までっ!保健室では静かに、…!」

養護教諭の脇をすり抜けて、奥のベットにかかるカーテンを開けると

「リっくん!遅くなってごめんね~~~」

カワシマがベットにダイブした。

…カワシマ、感心するほど手段を選ばねーな。

「わ。なに、…っ?」

カワシマに布団ごと抱き込まれながら顔を向けたのは、

「…団長!?」

体育祭で赤軍の応援団長だった早乙女カズマ先輩だった。

「チビざる?…と、川嶋先生?」

「キャーっ、何するのよ~~~」

カワシマが派手に騒いで早乙女先輩を突き飛ばす。

「ちょっと、川嶋先生、病人相手に何してるんですか!保健室から出て行きなさい!」

養護教諭の逆鱗に触れて、カワシマは首根っこを捕まえられ、問答無用で締め出された。

「団長、…風邪ですか?」

「あー、まあな。お前はどうした?」

よく見ると、早乙女先輩の顔が赤い。

「お騒がせしてすみません。ちょっとお見舞いに来たんですけど、いないみたいで」

「見舞い、って、…タカヤ?」

「違いますっ!!お大事に!!」

カーテンを乱暴に閉めると、足早に保健室を出た。

クソ、なんでこんなことに…!
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