【完結】乙女ざかりハゲざかり〜爆笑ハイテンションラブコメディ

remo

文字の大きさ
上 下
17 / 118

hage.17

しおりを挟む
「こら、古町っ!人に向けて放水するな」
「古町~、起震車体験は1人1回までだっ」
「古町!アルファ米を大盛りにするな」

宿泊防災訓練なるもののおかげで、学校に泊まることになった。
AEDとか煙体験とか止血法とかいろいろやった後、22時半には一人一枚毛布をもって、教室で寝る。

ワケだけど、当然誰も寝ない。

「ね~ね~、アイ~。それでリツキくんと、どこまでいったの~?」

女子部屋のヤツらが集まってくる。

「…海?」

ムグムグ昆布を噛むオレ。

この前帰りに、リツキが買ってくれた「おやつ昆布」は「だし昆布」を遥かにしのぐ美味しさだ。

「ちっが~う!」
「いったって言えば、2人の関係!」
「つまり、ヤッたかどうかってことでしょ~!?」

女子の迫力にビビる。
いつの間にそんな意味になったんだ?

「ヤッてねーよ」

ったく、みんな、そればっかじゃんよ。
そりゃあ、確かに女性ホルモンとかなんか変わりそうな気がするけど、リツキとって、…なぁ。

「アイ、そんなのんきにしてていいの?」
「女豹カワシマに持ってかれちゃうよ?」
「リッく~ん、って、何アピールだってのよ!」

憤慨する女子ら。

カワシマは授業終了後、必ずリツキに声をかけてから教室を出る。
そのたびに、落胆のため息を漏らす男子と、むっつりと黙り込む女子。

「中学ん時の塾のセンセって言ってたぞ」

この前のリツキの言葉を思い出していると、

「あれは、それだけじゃないよ」
「ただの塾講師と生徒には見えないね」
「ヤッてる可能性高いよ」

「全くこれだからお子ちゃまは」と言わんばかりの憐みのまなざしを向けられる。

え、…そうなの?

ご意見番チナツ様をうかがい見ると、言いづらそうに上目で見返してきた。

「わかった! 確かめてくるっ」

そうと決まれば、直接確認あるのみっ
速攻、教室を飛び出すと、

「アイ~、待ってよ」

チナツが着いてきた。

見回りの先生がいないのを確認しながら、男子部屋に乗り込む。

「リツ~っ」

「うわぁ、コマチっ!!」

大慌てで何やら隠す男子ども。100%エロ本と思われる。
ったく、最近こんなんばっか。

「あ、えーっと、リツキね」
「さっき、出てったろ?川嶋先生に呼ばれて」
「ああ、リッくん、か」

カワシマ…

「アイ…」

チナツが心配そうにオレを見てくるから、笑ってみせた。
別に呼び出しくらい、あるだろ。

男子部屋のヤツらに礼を言って、

「オレ、ちょっと捜してみるから…」

言いかけると、チナツがオレの腕にひっついてきた。

「一緒に行くよ」

「へへっ…」

チナツはマジで優しくてイイヤツだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私がガチなのは内緒である

ありきた
青春
愛の強さなら誰にも負けない桜野真菜と、明るく陽気な此木萌恵。寝食を共にする幼なじみの2人による、日常系百合ラブコメです。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

怪我でサッカーを辞めた天才は、高校で熱狂的なファンから勧誘責めに遭う

もぐのすけ
青春
神童と言われた天才サッカー少年は中学時代、日本クラブユースサッカー選手権、高円宮杯においてクラブを二連覇させる大活躍を見せた。 将来はプロ確実と言われていた彼だったが中学3年のクラブユース選手権の予選において、選手生命が絶たれる程の大怪我を負ってしまう。 サッカーが出来なくなることで激しく落ち込む彼だったが、幼馴染の手助けを得て立ち上がり、高校生活という新しい未来に向かって歩き出す。 そんな中、高校で中学時代の高坂修斗を知る人達がここぞとばかりに部活や生徒会へ勧誘し始める。 サッカーを辞めても一部の人からは依然として評価の高い彼と、人気な彼の姿にヤキモキする幼馴染、それを取り巻く友人達との刺激的な高校生活が始まる。

放課後はネットで待ち合わせ

星名柚花(恋愛小説大賞参加中)
青春
【カクヨム×魔法のiらんどコンテスト特別賞受賞作】 高校入学を控えた前日、山科萌はいつものメンバーとオンラインゲームで遊んでいた。 何気なく「明日入学式だ」と言ったことから、ゲーム友達「ルビー」も同じ高校に通うことが判明。 翌日、萌はルビーと出会う。 女性アバターを使っていたルビーの正体は、ゲーム好きな美少年だった。 彼から女子避けのために「彼女のふりをしてほしい」と頼まれた萌。 初めはただのフリだったけれど、だんだん彼のことが気になるようになり…?

【完結】勤労令嬢、街へ行く〜令嬢なのに下働きさせられていた私を養女にしてくれた侯爵様が溺愛してくれるので、国いちばんのレディを目指します〜

鈴木 桜
恋愛
貧乏男爵の妾の子である8歳のジリアンは、使用人ゼロの家で勤労の日々を送っていた。 誰よりも早く起きて畑を耕し、家族の食事を準備し、屋敷を隅々まで掃除し……。 幸いジリアンは【魔法】が使えたので、一人でも仕事をこなすことができていた。 ある夏の日、彼女の運命を大きく変える出来事が起こる。 一人の客人をもてなしたのだ。 その客人は戦争の英雄クリフォード・マクリーン侯爵の使いであり、ジリアンが【魔法の天才】であることに気づくのだった。 【魔法】が『武器』ではなく『生活』のために使われるようになる時代の転換期に、ジリアンは戦争の英雄の養女として迎えられることになる。 彼女は「働かせてください」と訴え続けた。そうしなければ、追い出されると思ったから。 そんな彼女に、周囲の大人たちは目一杯の愛情を注ぎ続けた。 そして、ジリアンは少しずつ子供らしさを取り戻していく。 やがてジリアンは17歳に成長し、新しく設立された王立魔法学院に入学することに。 ところが、マクリーン侯爵は渋い顔で、 「男子生徒と目を合わせるな。微笑みかけるな」と言うのだった。 学院には幼馴染の謎の少年アレンや、かつてジリアンをこき使っていた腹違いの姉もいて──。 ☆第2部完結しました☆

聖なる夜に、愛を___

美鳥羽
青春
12月24日、クリスマスイブの夜に生まれたことから名付けられた、川上聖夜(かわかみせいや)は、中2の春、転校した。 生まれつき、スポーツ万能で、運動神経や筋肉、持久力、五感が優れている。 それと引き換えなのか、生まれつき人と違う部分があった___。 それが原因で、本当は大好きな体育の授業に、出られなくなってしまった____。

唯一無二にして絶対永遠の最敗北者

丹波 新
ファンタジー
幼い頃に父に歴史会館へ連れられたホロム=ターケンは、そこである物に恋をしてしまう。 それは不吉と呼ばれ続ける壁画であった。 さらに言うなら壁画に描かれた少女にだ。 その名はヴァラレイス=アイタンという。 その数年後、とある事情で両親を失ってしまったホロム=ターケンだが、日々を平穏に何の変哲もなく家や学校で自由気ままに暮らしている。 友人と会話をしたり、診療所でアルバイトをしたり、なんと後輩からラブレターを受け取ったりしていた。 しかし、そんなある日、異常は起きた。 不吉の連続だ。 何の変哲もない日常は壊れてしまい、非日常へと変貌していった。 これは普通に高校生活を送っていたホロム=ターケンの奇想天外な夢物語である。

無敵のイエスマン

春海
青春
主人公の赤崎智也は、イエスマンを貫いて人間関係を完璧に築き上げ、他生徒の誰からも敵視されることなく高校生活を送っていた。敵がいない、敵無し、つまり無敵のイエスマンだ。赤崎は小学生の頃に、いじめられていた初恋の女の子をかばったことで、代わりに自分がいじめられ、二度とあんな目に遭いたくないと思い、無敵のイエスマンという人格を作り上げた。しかし、赤崎は自分がかばった女の子と再会し、彼女は赤崎の人格を変えようとする。そして、赤崎と彼女の勝負が始まる。赤崎が無敵のイエスマンを続けられるか、彼女が無敵のイエスマンである赤崎を変えられるか。これは、無敵のイエスマンの悲哀と恋と救いの物語。

処理中です...