【完結】乙女ざかりハゲざかり〜爆笑ハイテンションラブコメディ

remo

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「はぁぁ?? 付き合ってるんだから、彼氏に決まってるじゃん!」

どうにも自分じゃ解決出来なくて、学校でチナツに聞いてみると、チナツはかわいそうな子を見るような目を向けてきた。

「や、…付き合ってる、つか…」

「も~う、せっかく初体験の感想聞こうと思ってたのにぃ~」

ぷりぷりしても、チナツは可愛い。
けど、なんでヤッてる前提なんだ?

「リツキくん、告白してくれたんじゃないの~?」

ふっ。
ハゲがバレた、あの屈辱の「おもちゃ」宣言か?
あれは、通告であって告白ではない。

…よなぁ。

だいたいリツキがオレにコクハクとかするわけねーし。
アイツが告られてるのは、腐るほど見てるけど、
告ってんのは、見たことねーし。

アイツはオレで遊んでるだけで、
別に、オレのこと、…好きとかじゃねーし。

「あ、わかった! 好きって言ってくれないとか?」

ビクっ。

いや、ビクじゃねー。

「リツキくんの場合は、態度で分かるけどね~。
でも、まぁね~、わかってても言って欲しいよね」

うんうん、とチナツは一人で納得している。
かと思えば、急に詰め寄ってきて、

「聞いちゃえば? アタシのこと好き?とか」

耳打ちするから、

「ぶはぁっっ」

やべー、卵焼き吹いた。

「アイ~、何してんの、もぉ」

と言いつつ、ウェットティッシュで拭いてくれるチナツは優しい。

「てかさー、アイは言ってるの?好きって、ちゃんと」

「うげっほげほっっ」

今度は卵焼きを喉に詰まらせた。

「もぉ大丈夫?アイ」

チナツが背中をさすってくれる。
お前、とんちんかんなこと言うなよ。
死ぬだろ。

オレがリツキを好き、とか…

「…な、わけねーじゃんっ!!」

頭が沸騰しそうになって、立ち上がって叫んだら、食べかけの弁当が中庭に転がった。

5時間目に見たことのない若い先生がやってきた。

「産休代理の川嶋アヤです。
新崎先生の代わりに、このクラスの英語を担当します」

シンザキ、いつの間に産休?

全然授業を聞いていなかったオレには初耳なんだけど、誰もなんも言わないところを見ると、みんな知っていたらしい。
てか、男子のヤツら、妙に姿勢がいいうえに、顔がウハウハしている。

改めて川嶋センセを見ると、…美人だ。
足が長くて、胸もでかい。
谷間が見えそで見えない感じがまたそそる。

なーんてなっ、…と思っていると、視界にリツキが入った。
妙にマジメな顔で、センセをじっと見ている。

ハハ、なんだよ、リツもかよ。
ったくオトコってしょーもな。

あほらしくなって顔を背けたけど、胃の辺りがズキズキする。
弁当、半分食べ損ねたから、な…
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