【完結】乙女ざかりハゲざかり〜爆笑ハイテンションラブコメディ

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「「「いらっしゃいませ~」」」

週末、サッカーの練習が終わった後、バイト予定の居酒屋に行った。

リツキが部室の前で張っていて、何とか撒こうと思ったけど、がっちり手をつかまれて、失敗に終わった。

「邪魔しないからぁ~」

ついでにチナツまで着いてきた。
最近彼氏と別れたから、新しい出会いを求めるとか言って。
オレはリツキとつないだ手を見られるのが決まり悪くて仕方なかったけど、

「アイと恋バナするの、楽しみっ」

チナツはウキウキしてたから、まあいいか。

おしゃれな雰囲気の洋風居酒屋は、「昼飲み」もしていて、昼過ぎでも客が多く、女性客も多かった。

なんとなくリツキが嬉しそうでイラッときた。
アイツ、マジで調子乗り過ぎじゃね?

「あ~、ハナが言ってた元気が取り柄のアイちゃん。よろしく~」

姉ちゃんの友だちという高坂ナナコさんが笑顔で説明してくれた。

「一通り、見てもらったから、試しにやってもらおうかな。習うより慣れよ、だよね」

スタイルが良く、インテリ風の眼鏡店長に言われ、着替えてホールの仕事を体験することになった。

「ねーねー、店長の杉井さんっ、彼女いるかなぁ」

更衣室ではしゃぐチナツ。
早速かよ…

若干げんなりしながら、服を脱ぐと、

「ちょっ、…アイっ? いつの間にヤッちゃった??」

…は?

チナツが脱ぎかけのオレを指差して興奮している。

「やぁ~ん、どだった?? リツキくん、優しかった??  痛かった?? 気持ちよかった??」

「なっ、…ヤッてねぇよ!」

クネクネしながら、迫ってくるチナツが何を言いたいかわかって、焦って、必要以上にでかい声を出してしまった。

「ええ~? そんなキスマークつけて? オンナにしてもらうって張り切ってたじゃん」

張り切ってねー。

「キスマ、…」

ってアレだろ?手紙とかに口紅の跡つけるヤツ…

「ココにー、ついてるよ。でも良かったね。リツキくん、アイにメロメロだし、抱きたくて仕方ないんじゃない?」

うふふ、って、着替え終わって楽しそうに更衣室を出て行くチナツを呆然と見送る。

オレにキスマークぅ???

くそぅ、自分じゃどう頑張っても見えねー。
ロッカーの小さな鏡でもイマイチわからねー。

しかし、思い起こせば、保健室でリツキが鎖骨に吸い付いていたような気がする。
アレって、そういうことなのか???

顔から火が出るって、こういうのを言うんだな。
なんだ、この猛烈に恥ずかしい感じ。
ぜってー、後でリツを締めてやるっ

何とか着替えてホールに出てからも、「キスマーク」と「メロメロ」と「抱きたい」が頭ん中ぐるぐる回ってて、本気で目が回りそうになった。
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