【完結】乙女ざかりハゲざかり〜爆笑ハイテンションラブコメディ

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「何よ~ぅ、アイ。なんでそんな膨れてるのよ~?」

学校の教室で、これ以上ないほどふて腐れているオレを、親友のチナツが前の席からのぞき込む。

「リツキくんに告白されたんでしょ~?もっと幸せそうな顔しなよ~」

「だ~から!それは…っ」

机をたたいて勢いよく立ち上がったオレは、不敵な笑みを浮かべてこっちを見ているリツキの姿を認め、すごすごと座り込んだ。

クソ、エロリツ、悪魔。

あろうことか、悪魔のリツキは、オレを学校まで引きずっていった挙句に、

「俺たち、付き合うことになったから」

クラス全員の前で、寝耳に水な爆弾発言をかまし、

「これは、俺のモノってシルシだから、絶対誰も触るなよ」

楽しそうにオレの髪に結んだリボンを揺らした。

「アイもついに女に目覚めたか~」

…目覚めてねぇ。

「リボンつけるとか、…リツキくん、過保護~」

…ハゲ隠しだ。

「アイ、鈍感だからさ~、もう、見ててヒヤヒヤしたよ」

オレはイライラしかしねぇ。

「でも良かったね。初彼がリツキくんなんて最高じゃん!」

最低だ…。

リツキはオレのハゲをネタにオレで遊び倒す気なんだ。
オレを笑って楽しんでるんだ。

みんな、だまされている。

リツキは小5くらいから急にモテだした。
低学年の時はオレとそんなに背が変わらなくて、
サッカーだって、オレと同じレベルだったのに、
急に背が伸びて、手足が長くなって、
オレを見下ろすようになって、エースストライカーになった。

家でゲームしてるときは、アホ丸出しなのに、
中学の制服を着たら、別人みたいになって、
無駄に整ったルックスと万能なスポーツ神経と常にトップクラスの頭脳とで、女子からキャアキャア言われるようになった。

オレたちはサッカーのクラブチームで黄金コンビって言われていたのに、中学になったら、女子はチームにいられなくなった。

たまに、クラブの奴らが自主練の仲間に入れてくれたけど、
リツキがいると猛烈に反対されて外された。

リツキはオレなんか、逆立ちしたって追いつけない才能を発揮し始めて、天才サッカー少年とかもてはやされて、取材とかされたから、よけいに調子づいた。

んで、練習の合間に女子をはべらせて、イチャコラしやがる。

そうだ!
あんなスケベザルにいいようにされてたまるか。
オレは、アイツを見返すためにサッカー名門高校に入ったんだ!

オレがこぶしを握りしめて、すっくと立ち上がると、

「どうした、古町こまち。トイレか?」

数学のオギノがオレを指し、クラス中の注目を集めて、爆笑された。
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