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hage.03
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「言うこと、って…」
なんだ、この追い詰められていく感じは。
「キス」
「あ?」
悪魔が笑った。
「キス、しろよ。アイ」
「ななな、なんで…」
リツキが、無駄に整った顔をオレに近づける。
「キスしたら。黙っててやる」
人差し指で、オレの頬をつつくと、親指で、オレの唇をなでる。
なんでーっ
クソ、エロ、リツキ!
「ほら、早くしないと俺の口が滑っちゃうよ?3秒しか待てないよ?」
リツキの顔が妙に近くて、なんでか心臓がバクバクして、
顔が急速に熱くなって、
「さ~ん、に~、い~…」
ブチ。
目をつむって、リツキの顔に突っ込んだ。
「…いてーよ、アイ」
うお、鼻がジンジンする。
そっと、片目を開けると、リツキが痛そうに顔をしかめて鼻と口を押えていた。
「お前ねー、キスだよ、キス。頭突きじゃねえんだよ」
…ご立腹なオーラが漂う。やべー。
バチ。
こっそり逃げ出そうとしたオレの両頬をリツキが両手で挟む。
「なにす、…」
ちゅ。
リツキが長いまつげを伏せて、首を傾け、なんでか妙に艶やかな唇でオレの唇に触れた。
ちゅ。ちゅ。
柔らかいリツキの唇が何度も何度もオレに触れる。
「やめ、…」
言いかけたオレの言葉は、差し込まれたリツキの舌に吸いとられた。
リツキの舌が、オレの舌を誘う。
腰のあたりがぞくぞくして、
頭がくらくらして、息が上がって、
なんでか涙まで込み上げて、
リツキの長い脚と腕に支えられながら、リツキのシャツをつかんでいた。
リツキがオレを塀にもたれかけさせて唇を離すと、
足ががくがくして、そのままへたり込んでしまった。
「…そんな良かった?」
塀に手をついて、オレをのぞき込むリツキの余裕っぷりが悔しい。
これ見よがしに唇なめんじゃねー。
エロ技使ってくるんじゃねー。
にらみつけるオレの頭に手を置くと、
「ま、初めてにしちゃ、上出来だよ、アイちゃん」
奪い取ったリボンをオレのハゲに結んだ。
「決めた。今日からお前は俺のおもちゃだ」
おも…!?
「な、なに言って…」
立ち上がってリツキの胸ぐらをつかんでやろうとしたのに、
足に力が入らなくて、そのまま尻もちをついた。
くそ、なんだこの威力…!
「楽しく遊ぼうな。ハゲアイちゃん」
理解不能な宣言を高らかにすると、屈みこんだリツキは俺の頭に顔を埋めて、
ちゅー。
ハゲに口づけた。
なんだ、この追い詰められていく感じは。
「キス」
「あ?」
悪魔が笑った。
「キス、しろよ。アイ」
「ななな、なんで…」
リツキが、無駄に整った顔をオレに近づける。
「キスしたら。黙っててやる」
人差し指で、オレの頬をつつくと、親指で、オレの唇をなでる。
なんでーっ
クソ、エロ、リツキ!
「ほら、早くしないと俺の口が滑っちゃうよ?3秒しか待てないよ?」
リツキの顔が妙に近くて、なんでか心臓がバクバクして、
顔が急速に熱くなって、
「さ~ん、に~、い~…」
ブチ。
目をつむって、リツキの顔に突っ込んだ。
「…いてーよ、アイ」
うお、鼻がジンジンする。
そっと、片目を開けると、リツキが痛そうに顔をしかめて鼻と口を押えていた。
「お前ねー、キスだよ、キス。頭突きじゃねえんだよ」
…ご立腹なオーラが漂う。やべー。
バチ。
こっそり逃げ出そうとしたオレの両頬をリツキが両手で挟む。
「なにす、…」
ちゅ。
リツキが長いまつげを伏せて、首を傾け、なんでか妙に艶やかな唇でオレの唇に触れた。
ちゅ。ちゅ。
柔らかいリツキの唇が何度も何度もオレに触れる。
「やめ、…」
言いかけたオレの言葉は、差し込まれたリツキの舌に吸いとられた。
リツキの舌が、オレの舌を誘う。
腰のあたりがぞくぞくして、
頭がくらくらして、息が上がって、
なんでか涙まで込み上げて、
リツキの長い脚と腕に支えられながら、リツキのシャツをつかんでいた。
リツキがオレを塀にもたれかけさせて唇を離すと、
足ががくがくして、そのままへたり込んでしまった。
「…そんな良かった?」
塀に手をついて、オレをのぞき込むリツキの余裕っぷりが悔しい。
これ見よがしに唇なめんじゃねー。
エロ技使ってくるんじゃねー。
にらみつけるオレの頭に手を置くと、
「ま、初めてにしちゃ、上出来だよ、アイちゃん」
奪い取ったリボンをオレのハゲに結んだ。
「決めた。今日からお前は俺のおもちゃだ」
おも…!?
「な、なに言って…」
立ち上がってリツキの胸ぐらをつかんでやろうとしたのに、
足に力が入らなくて、そのまま尻もちをついた。
くそ、なんだこの威力…!
「楽しく遊ぼうな。ハゲアイちゃん」
理解不能な宣言を高らかにすると、屈みこんだリツキは俺の頭に顔を埋めて、
ちゅー。
ハゲに口づけた。
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