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5章.金髪のイケメンに愛される

02.

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つまり。要するに。平たく言うと。
俺と獣人王たちとの関係は。

「…ヤッた勝ちってことだな」

「うわぁ、えげつな、しゃいて―――いっ」

しれっと言い放ったエイトリアンを精一杯非難したつもりが、ろれつが回っていない。勧められて口にした酒が思いのほか美味しくて、知らず知らずのうちに飲み過ぎてしまったらしい。頭がふわふわする。

「最低、な。よしよし」

ふわふわした頭をエイトリアンに抱かれ、撫でられる。頬に鍛え抜かれた胸筋の厚みを感じる。クッション性抜群。すごく寝心地が良い。

ヘッド、そいつ、本当に伝説のラピスラズリなんですか? 緊張感なさすぎじゃありません?」

うるせー、ゴリラ。

エイトリアンの城砦の奥の間で盛大な酒宴が繰り広げられている。煌々と火が焚かれ、次々に料理と酒が運ばれてくる。屈強な猪獣人をはじめ、カバ、ゴリラ、チーター、ハヤブサ、…どうにも猛々しい獣人たちが豪快に肉にかぶりつき、酒で喉を潤している。そう、ここでは肉が食されていた。何の肉だよ、と思ったが、聞いてみる勇気は出なかった。

「俺たちにはラピスラズリが分かる。ジョシュアの噛み痕がついているんだ、間違いないさ」

言って、エイトリアンが、指先で俺の耳を撫でた。くすぐったい。背筋がぞわぞわして、お腹の辺りがもぞもぞする。

「エイト様ぁ、そんな人間の小娘がエイト様を満足させられるんですか? いつでも相手しますから、私たちとも遊んでくださいませね」

ネメシス女史から頭脳を抜いて色気だけにした、みたいな、胸元や太ももの露出が甚だしい猫娘たちがエイトリアンにしなだれかかり、欲望全開で猫目をギラギラさせている。

「もちろん。お前たちにもお相手願うよ」

エイトリアンが長い指で猫娘の顎下を撫でて頬を寄せ合う。

…チャラい。チャラい。チャラすぎる! イケメンてのは女の扱いに慣れてるだけあって、このチャラさが普通なのか。ジョシュアは、…

『…まだ。俺の夢を見てろ』

ジョシュアも。
やっぱりこんな風にたくさんの女の子と楽しく過ごしてきたんだろうか。今も。俺にしたのと同じようなことを誰かに、…って、俺には関係ないけどなっ。俺とヤッたら無類の力を手に入れられるから、だからヤっただけだもんな。タラコ王子と変わんないじゃん。ジョシュアのバカ。

「キャトラ、こっちに来いよ。俺たちが相手してやる」
「やん、だってあんたたち激しいんだもん」

キャトラと呼ばれた猫娘たちはごつい獣人たちにも擦り寄って、露わにした肌を寄せ合い、満更でもなさそうな声を上げる。

ぼんやりした視界にパチパチ爆ぜる炎の赤が映って滲む。
盗賊の巣窟みたいだと思った。無法地帯というか、獣人国の秩序正しさとは正反対で、何でもあり、みたいな感じがした。
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