【完結】銀の龍瑠璃色の姫君を愛でる―31歳童貞社畜の俺が異世界転生して姫になり、王になった育ての息子に溺愛される??

remo

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3章.銀髪のイケメンに愛される

05.

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「ジョシュア様と姫さま、最高にお似合いですわ」
「相思相愛、両想いっ‼ 最高ですわっ」
「ハッピーエンド、最高ですわ~~~っ」

本殿から居室のある離宮に戻りながら、タミル3人娘が最高潮に盛り上がっている。恥辱のデザートタイムが終わると、俺とタミルたちは玉座の間から辞することになった。

…あいつ。

間接チューどころか直接チューしやがった。
公衆の面前で‼ 堂々と‼

致し方なかったとはいえ。
公開告白からの、公開キス。

ああああ。なんちゅう破廉恥野郎だ、俺は。
埋まりたい。今すぐ。誰か俺を埋めてくれ。
脳内のふわふわピンクを、…甘くて柔らかいキングの唇の感触を、…
誰か今すぐ消してくれ―――っ‼

いかつい獣人の側近たちから生温かい視線を注がれるのも、ゲゲック宰相の苦虫噛むどころか険しい歯ぎしりの表情を見るのも、マシュマクベスト皇太子のなんか羨ましそうな顔を見るのも、かなりいたたまれなかった。

が、

「お姉さまとマシュー様は心から愛し合っておりましたのに。堅い契りを交わしておりましたのに、わたくしのせいで、わたくしのせいで―――…っ」

ソフィア姫がこっちに迫り来ながら泣き崩れたのが最も恐ろしくて、俺は撤収することに一も二もなく同意した。なんなら逃げ帰った。

「それにしても、…」

キャッキャしてたタミルたちの声のトーンが落ち、通路の壁に頭をぶつけようかと走りかけた俺も我に返った。

「ラズ姫さまとソフィア様って全然似ていませんのね」
「ジョシュア様とラズ姫さまの仲を裂こうとするなんて許せませんわ」
「恋路の邪魔をするものはワニに食われてしまえって言いますしねっ」

がるるっと喉を鳴らすワニ娘たちはちょっと怖い。

まあ確かに。見た目はともかく中身がなぁ。ソフィア姫にはほの暗い負のオーラを感じるよなぁ。

「姫さま、ジョシュア様に見つけてもらって本当に良かったですわね」
「あんな妹を野放しにしている国、出てきて正解ですわ」
「美しいラズ姫さまは麗しの王と末永く幸せに暮らすんですわ」

多分。この薄幸の美少女もそうしたいと思っているだろうけど、あのソフィア姫がこのまま黙っているかなぁ…という不安がなくもないし、

「あのさ。人間がエイトの森に居る意味、ってなんだ?」

ちょっと気になることもある。
キングはたった一言でゲゲック宰相もソフィア姫も黙らせていたけど。

エイトの森。人界と死界の境界。俺の銀龍がいるところ。

「人身御供ですわ」
「エイトには人肉を好む魔物が住んでいますの」
「どの道、エイトの中で人間は長く生きられませんし」

人界で罪を犯した人間を罰する方法は国によって様々あるが、エイトの森への追放が最も重い刑罰なのだという。つまるところ、死に値する。死罪に処せられエイトへ追放された人間を人身御供にする代わりに、魔物たちが人界へ入り込むのを防いでいるらしい。

そういえば俺を森に連れて行った時、兵士たちでさえ、逃げるように帰っていったよな。
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