上 下
251 / 304
第三部 俺のハーレム・パーティはやっぱりおかしい/ラッキースケベは終了しました!

スケさん

しおりを挟む

装甲車に乗り込み逃げようとしたとき!

ドスーン!!

高速で何者かが空落ちてきた。
辺りは一瞬、砂煙が舞った。

「貴様らーーーー!! カクタスはどうした!!」

やはり、来た。
今度は痩せている悪魔が降って来やがった!
痩せた悪魔は俺を睨み叫んだ。

「逃げて行ったよ!」

拉致したと言うと必死になって取り返そうとするだろう。
俺たちは連戦で消耗が激しい。
これ以上、こいつと戦っても不利になるだけだ。
逃げることを第一に考え、誤魔化すことにした。

「嘘だな! カクタスがお前たちを放置して逃げるわけがない!
 何より、ここでアイツの気配が消えたんだよ!
 お前らが倒したと言うことだろ!」

ガリ悪魔が冷たい目で睨む。
こいつの方が、痩せている分、眼つきも口の尖り方も鋭く見える。

「アイツとは付き合いが長いんでね。
 仇の一つでも取らないとお譲に合わせる顔が無いんでね!
 悪いがお前たちには死んでもらう」

ガリ悪魔は右手を上に挙げ、手の平に大きな火の玉を作った。

「消し飛べ!! ファイヤーボール・極大!!」

と言うと一気に魔力を高め見たことも無いような大きさのファイヤーボールをこちらに投げつけてきた。
咄嗟にマジックランドセルを出す。
ファイヤーボールは何事も無かったようにランドセルの中に吸い込まれていった。

「なんだと! なぜだ!! 
 貴様、魔法を無効化! いや!対消滅させることが出来るのか!!」

どうやらファイヤーボールが大きすぎてランドセルが見えなかったようだ。
それにマジックランドセルが魔法を吸い込むなんて思ってもいないだろう。

「貴様!! 一瞬で俺と同じ魔法を逆相で唱えると言うことができるのか!」

エ?なに魔法の逆相って?
ひょっとすると魔法って音と同じく位相が逆になると無音になるのと同じ理屈なの?

やたらとビビッてくれているじゃないか!!
ここは一発、ハッタリをかましてみよう!

「フフフフ!だとしたら!!
 俺とお前! どちらが魔法使いとして優れているか試してみるか?
 俺がお前の魔法を打ち消してやるよ!!
 掛かって来いよ、ガリガリ!」

俺は余裕たっぷりなフリをしながら痩せた悪魔に人差し指を刺し挑発した。
勿論、内心は小便がちびりそうなくらいブルっている。

「アオ君・・・・・」

俺の虚勢を知っている将太は後ろで心配そうな声が聞こえる。

「将太は魔法障壁を作って、みんなを入れておけ」

と指示をしたあと、胸を張り強そうに見せ、痩せた悪魔に向け一歩、二歩、歩み寄った。

「ハーレム小僧! 貴様、戦士系だと思っていたが魔法使い系か!
 フッ!面白い! 俺はカクタスと違って殴る蹴るより知的な魔法戦の方が得意なんでな。
 その挑発! 受けてやるぜ!」

「掛かって来いよ、ガリガリ!
 お前の魔法全て無効化してやるよ!」
 
俺は将太たちから離れるように左へ左へ少し歩きながら焼き肉プレートを取り出し左手に構え、ガリガリ悪魔からマジックランドセルを隠すように右手に持った。
魔法を撃ってくる限り何とかなると思う。何とかなると思う。何とか・・・・・
下手に肉弾戦をするよりは何とかなるかもしれない。

「ほーーら、どうした!
 お前が撃ってこないと勝負にならないぞ!
 ガリガリ! お前如きが俺様の相手になるわけ無いだろ!
 ハンディだ!好きなだけ撃って来い!
 すべて俺様が打ち消してやるよ!」

「生意気の小僧だな! ファイヤーボール! ファイヤーボール!! ファイヤーボール・・・・・・・」

次から次へと火球が飛んでくる。
それを必死にでマジックランドセルで受け止める。
が、顔だけはクールに装う。

「ガリガリ! たいしたこと無いな! 
 お前よりデブの方が強かったな~ハハハハハ!」

「アオ君・・・・」

将太の呟きが聞こえてくる。

「ハーレム小僧! 俺がカクタスより劣ると言うのか!」

おお、目を血走らさせ、面白いように挑発に乗ってくれる。
多分、こいつとデブの悪魔はライバルでありながら一番の友だったのだろう。
そのライバルでもある友に『劣る』と言われたのが余計に腹立たしいのだろう。

「あぁ、そうだよ! ほら、撃って来いよ!!」

「なら、これならどうだ!!
 サンダーブレード! サンダーブレード!! エアーカッター! フレイムバースト!!」

「うぉーーー凄いな!ガリガリ!
 複合して撃ってくるのか!  やるな!!」

「チッ!! 一発も当たらないのかよ!」

マジックランドセルに吸い込ませているのだが、魔法が消えていく様は打ち消しているのと同じようにみえるらしい。

「サンダーブレード!! エアーカッター! ファイヤーボール!!」

また、痩せた悪魔が叫びながら魔法を撃ってきた。
が、最後の1発は火の玉ではなく水の玉だった。
そのフェイントも難なくマジックランドセルが吸い込む。

「チッ!」

痩せた悪魔が舌打ちをする。

「お前、悪魔のクセにセコイな! この程度か? 
 ファイヤーボールと叫びながらウォーターボールか!
 デブ悪魔も草葉の陰で鳴いているぞ! ハハハハ!」

「き、貴様! やっぱりカクタスを!! 殺す!!
 ヘルフレーーーーーーーーイム!!」

目を真っ赤にさせ狂ったように叫びながら極大呪文を唱えた。
来たぜ! 極大魔法!!

ゴチになりまーーーす!! でも、凄く怖い!ものすごく怖いです!!
マジックランドセルが吸い込んでくれる事は分かっているのだけれど・・・・
怒り狂った真っ赤な炎が目の前に迫る。
左手に持った巨大な焼肉プレートを前に出し、右手にマジックランドセルを構える。
真っ赤な炎は俺に当たる直前に吸い込まれて消失した。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜

一ノ瀬 彩音
ファンタジー
元勇者パーティーで雑用係をしていたが、追放されてしまった。 しかし彼は本当は最強でしかも、真の実力を隠していた! 今は辺境の小さな村でひっそりと暮らしている。 そうしていると……? ※第3回HJ小説大賞一次通過作品です!

異世界に転生した俺は農業指導員だった知識と魔法を使い弱小貴族から気が付けば大陸1の農業王国を興していた。

黒ハット
ファンタジー
 前世では日本で農業指導員として暮らしていたが国際協力員として後進国で農業の指導をしている時に、反政府の武装組織に拳銃で撃たれて35歳で殺されたが、魔法のある異世界に転生し、15歳の時に記憶がよみがえり、前世の農業指導員の知識と魔法を使い弱小貴族から成りあがり、乱世の世を戦い抜き大陸1の農業王国を興す。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

突然だけど、空間魔法を頼りに生き延びます

ももがぶ
ファンタジー
俺、空田広志(そらたひろし)23歳。 何故だか気が付けば、見も知らぬ世界に立っていた。 何故、そんなことが分かるかと言えば、自分の目の前には木の棒……棍棒だろうか、それを握りしめた緑色の醜悪な小人っぽい何か三体に囲まれていたからだ。 それに俺は少し前までコンビニに立ち寄っていたのだから、こんな何もない平原であるハズがない。 そして振り返ってもさっきまでいたはずのコンビニも見えないし、建物どころかアスファルトの道路も街灯も何も見えない。 見えるのは俺を取り囲む醜悪な小人三体と、遠くに森の様な木々が見えるだけだ。 「えっと、とりあえずどうにかしないと多分……死んじゃうよね。でも、どうすれば?」 にじり寄ってくる三体の何かを警戒しながら、どうにかこの場を切り抜けたいと考えるが、手元には武器になりそうな物はなく、持っているコンビニの袋の中は発泡酒三本とツナマヨと梅干しのおにぎり、後はポテサラだけだ。 「こりゃ、詰みだな」と思っていると「待てよ、ここが異世界なら……」とある期待が沸き上がる。 「何もしないよりは……」と考え「ステータス!」と呟けば、目の前に半透明のボードが現れ、そこには自分の名前と性別、年齢、HPなどが表記され、最後には『空間魔法Lv1』『次元の隙間からこぼれ落ちた者』と記載されていた。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

処理中です...