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第三部 俺のハーレム・パーティはやっぱりおかしい/ラッキースケベは終了しました!
追っ手
しおりを挟む「みんな、ちょっと集まってくれ。
正式に紹介しておくよ」
と俺はミリアをみんなの前に連れ出し両肩の手を置きながら言った。
「このジャリン子はミリア・アルカートと言って未来のヴァンパイアの女王さまだそうだ」
「ヴァンパイア!?」
「吸血鬼!」
と言葉が漏れ、女子たちの表情が一斉に曇る。
「これでも齢3000歳だそうだ。
敬って媚びへつらって欲しいそうだから。よろしくな。
ほら、ミリアも自己紹介しろ」
「妾がミリア・アルカートじゃ。
そなた達より遙かに年上なので敬って媚びへつらうように」
と手首から先を切断された右手を挙げ、無い胸をを張り偉そうにのたまう。
「「「「キャー」」」
「手!!!」
「ミリアちゃん!大丈夫?」
「大丈夫じゃ、デカ乳。 ホラ! な!」
と言って切断された右手を何事も無かったように再生させた。
「あぁ?それから、碧は妾の物じゃから手を出すな!」
「おい、ミリア!その言い方は変な誤解を招くだろ!!」
「そうか? うう?ん」
と一度咳払いをし続けた。
「碧は妾の食料だから、余計な事をするな!」
「ミリア! 食料扱いは酷いだろ!
こいつ吸血鬼だからって血を分けてやるって必要ないからな。
みんなが吸われる事は無いから安心してくれ。
こんなジャリン子だけど魔族だから無用な誤解を招くから町へ行ったらミリアがヴァンパイアというのは内緒にしてくれ」
「あの??」
と小さく挙手をし弱々しい声で高沢が尋ねてきた。
「なぜ、未来のヴァンパイアの女王さまと一緒に行動しているの?」
「そうそう、私もそれを疑問に思っていたんだ。
テイムでもしているの?」
と井原が尋ねてきた
「デカ乳二号! お前!妾を馬鹿にしているのか!
ヴァンパイアに魅了やらテイムなどは通じないのじゃ!」
「ちょっと、デカ乳って何よ! しかも二号って!!」
井原が食って掛かる。
「あやつが一号で、お前が二号じゃ!」
と七海を指差す。
七海は恥ずかしいそうに下を向いていた。
「あ???、いいからいいから。
そのくらいにしてくれ!」
二人の間に入り大きくなりそうな諍いを止め話を続けた。
「実は昨日、出合ったばかりなんだけどな、グレイ・ウルフに齧られているのを助けたんだよ。
フェルナンドや紅姫を討伐するのを手伝ってくれるらしいから一緒に行動することにした。
ザコ・モンスターに齧られるレベルだけど、当人曰く、本当は強いそうだ」
「昨日、今日、仲間になった魔族なんて信頼できるの?」
井原が言う。
まぁ、そうだろ。
魔族=敵だから。
が、俺は信頼している。
多分、智弘や将太も同じだろう。
悪い奴には思えない。
「ザコ・モンスターに齧られて死にそうになっていたところを俺の血を吸って助かったそうだ。
俺の血が無ければ生きていけないそうだ。
変な事はしないだろ。
何故か悪い奴には思えない」
「魔族でヴァンパイアだから世界征服とか考えているんじゃない?」
「安心しろ。
こいつは何も考え無しに自分の城から飛び出てきたアホだ。
しかも、ザコ・モンスターに負けるレベルだ!
そんな弱っちい奴が世界征服なんて出来ると思うか?」
「お主! 妾はお主より遙かに年上だぞ!
目上の者に対しての尊敬が無いぞ!」
「はいはい、それは俺たちの役に立ってから言ってくれ」
「ぐぬぬ」
一瞬だけ拳を握り続けた。
「そちらも安心せい。妾は恩を忘れぬ。
助けられた恩を返さないわけにはいかないのでな。
恩を仇で返すほど愚か者では無い。
しばし世話になる」
と言うとミリアは頭を下げた。
そして、俺たちは一台の装甲車に全員乗り込みその場を後にした。
来た道を戻るようにナミラーへ向け北上した。
俺が運転し隣には智弘が座り・・・・・・俺の膝の上にはミリアが座る。
「なぁ?ミリア! 何故、お前は俺の膝の上に座る!
俺はクッションじゃないんだぞ!」
「良いではないか!
この装甲車というヤツの椅子は座り心地が悪いのじゃ!」
「良くねーよ!
智弘の隣に座れよ! 運転の邪魔になるんだよ!」
後のシートは右列、左列のように対面式になっているのだが将太と七海を中心に会話が弾んでいるようだ。
助手席の智弘と話を始めた。
「西原、鈴木に次いで赤城まで・・・・・手にかけちまったな」
「それは仕方ないだろう。
あのまま赤城を逃がしたら将太が死んでいたのだから。
俺も同じ事をしたよ」
「でも、3人も手を掛けてしまった」
「俺も鈴木を殺した事に加担しているし・・・・・・
西原の件にしても碧が気に病む事はないよ。
碧がやらなかったら俺か則之がやっていたことだ。
気に病む必要は無いさ」
智弘の言葉に何も返すことはできなかった。
「残っているのは山中だけだな・・・・・・・
1万人の現代正規軍は侮れないな。
オークにもなるし。
しかも死んだらゾンビになるだろ。
下手するとゾンビだらけになるかもしれないな。
茜さまが闘った『マルベラスの死の大行進』みたいになるかもしれないな」
「色々と難題だな。
が、ズガンダムやワレトラマンの方が厄介だったから、何とかなるんじゃないか?」
「いや、そうとも言えないぞ。
巨大な像一匹を倒すより、蟻を1万匹を一匹残らず全滅させる方が大変だぞ。
しかも、ゾンビになったりゴーストまでにもなるだろ」
「一万か・・・・・
いわれてみれば智弘の言うとおりかもしれないな」
!!!??
そのとき前方を走るトラックが見えた!
「マズイ!」
ハルフェルナに有ってはいけない物だ。
「コリレシア軍のトラックだ!」
俺は慌ててブレーキを掛けた。
「「「「「キャーーー!!」」」」」
女子たちの悲鳴が聞こえた。
「何て運転しているのよ!」
「もっと丁寧に運転してよ!」
女子たちの罵声が飛ぶが、そんな事、気にしていられない。
「智弘、見つかったと思うか?」
「その可能性は高いな。
トラックがいるという事は装甲車や・・・・・・戦車もいるかもしれない!」
「戦車に撃たれたら、この装甲車もつか?」
「いや、無理だろう」
「じゃ、逃げの一手だな」
慌ててUターンをし逃げ出す。
「「「キャーーーー」」」
「もう、何よ!!」
うるせー女どもだな!
少しは考えろ!
お前たちもガルメニアから命からがら逃げてきたんだろ!
もっと緊張感を持てないのか?
ここは戦地なんだぞ。
「則之! ハッチから後を見てくれ!」
智弘が叫ぶ。
則之は慌てて装甲車上部のハッチを開け覗く。
「追っ手が来ているでゴザル。
トラックの後から装甲車が!
装甲車がトラックを追い抜いて来たでゴザルよ!!」
則之の必死の声が車内に伝わる。
「装甲車のハッチが開いて・・・・
撃ってきたでゴザルよ!!」
タンタンタン!
キンキンキン!
装甲車に銃弾が当たる。
「「「「キャーーーー!!」」」」
女子の悲鳴が車内に響く。
「則之、顔を出すな!」
智弘が叫ぶ。
タンタンタン!
タンタンタン!
キンキンキンキンキンキン!
銃弾の当たる音が車内に響く。
「ヤバイな!。
装甲車の銃弾で貫通することは無いと思うが・・・・・」
智弘の声が焦っているのが分かる。
「僕が魔法障壁を掛けるよ」
将太がハッチを開け銃座に行こうとする。
「将太! 気をつけろ!」
「アオ君、大丈夫だよ、銃座には弾除けが付いているから」
「でも、気をつけろよ!」
「分かっているから心配しないで」
将太は銃座に座りミスリル製のメイスを握り魔法障壁をの呪文を唱えた。
タンタンタン!
カキンカキンカキン!
魔法障壁が銃弾を弾く音が聞こえる。
「奥からもう一台! 違う!
二台、三台、四台追いかけてくる!!」
将太の声が運転席まで響いてくる。
「怖い!」
「どうしよう」
「逃げて! もっと速く!!」
女子たちの声が車内に響く。
俺だってもっとスピードを上げたいのだが、これ以上スピードを上げると木に激突するか横転しそうだ。
「緑山君、私と代わって!」
七海が将太と銃座の交代を申し出る。
「七海、何をするんだ? 気をつけろよ!」
「分かってるわ。 私に任せて!! 土魔法・壁!!」
七海は銃座に登り魔法を唱えると瞬時に地面が盛り上がり5m大の土壁が現れた。
ドゴン!
先頭の一台が壁に激突をする。
そして、次々に土魔法を唱え、追っ手の装甲車の行く手を遮った。
ドン! ガン! ガキン! ガキン!
と、音が変化していく。
土魔法の壁に二台目が激突し、その後に三台目、四台目が次々と激突して言った音のようだ。
「ナイス! 七海、ナ~~~イス! さすが七海大明神さま!!」
「これで大丈夫かしら?」
七海はそう言いながら銃座を降りてきた。
それを見た将太は
「七海さんばっかり! 僕だって頑張ったのに」
とほっぺたを膨らましながら智弘を運転席とは反対側に押しのけ助手席に座るのであった。
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