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第三部 俺のハーレム・パーティはやっぱりおかしい/ラッキースケベは終了しました!

井原さんの性癖

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そこへ後方にいた6人が口の悪い姫川、小幡を先頭に近寄ってきた。
俺はこいつらの顔だけは見たくなかった。
口悪く、俺を見るたびに非難しかしてこない。
『赤木君・LOVE・チーム』の代表で、俺と智弘はこいつに目の仇にされていた。

「白田! 私たちが苦労して逃げ回っていたのに周りに女子を侍らせハーレム作っていたのか! ゴミクズ!」

いきなり棘のある先制口撃が始まった。
それにしても再開して早々、ここまで酷い罵声を浴びるとは思ってもいなかった

「助けてやったのに、これかよ! アホらしい!」
俺は右手首を下から上へ払い無視し、そのハーレム人員の方へ歩みを進めた。

「水原たちを見捨てて、何してるんだか!」
今度は姫川のお付きの小幡が辛辣な言葉を吐きかける。

「なんじゃ! お主、偉く嫌われておるの~」
ミリアが目を丸くして驚いている。

「あぁ、俺も今、思い出したよ。
 クラスの嫌われ者だったという事を今、思い出したところだよ!!」

「何、こんなお子様もハーレム入りしているの? ロリコン? キモー!最低!」

姫川の言うとおりかもしれない。
傍から見れば『ハーレム』にしか見えない。
ただ馬鹿馬鹿しくて何も言い返す気にはなれなかった。

一瞬、ミリアが俺を見上げ姫川に言い返す。

「小娘! 碧が不愉快な気持ちになると血も不味くなりそうじゃ。
 あまり調子に乗った事を言っていると眷族にするぞ!」

と言うとニヤッとした顔をしながら口の中から牙を見せる。

「キャ! 吸血鬼!」

「止めろ、ミリア!
 こいつも知っている顔を見て毒づきたくなっただけだよ」

「あんた! 化け物とパーティーを組んでいるの? バカじゃない!」

「そうか? お前と組むより信頼できるけどな」

「さいてー!」

「姫川さん、もう止めてよ。
 アオ君は誰も見捨ててなんていないから」
あまりの嫌味に将太が見かねて話しに入ってきた。

「あんた!誰よ!」

「緑山将太だよ」

「え? み、み、緑山君なの?」

「向こうの小さい子は水原君、背の高い金髪の女騎士は黒木君だよ」

「「「「「ええええーーーーーーー」」」」」

姫川を初め残りの女子たち、七海の友人たちも驚いた顔をしていた。

「う、うそーー」
「嘘でしょ!」
「何故女子になるのよ!」

「それは色々あって・・・・・・話は長くなるから、またの機会にでも」


「え!! 将ちゃんなの?」
『緑山 将太』と聞いて背の高い栗原が女体化して縮んだ将太を見る。

「将ちゃ~~~ん」

と言うと将太に飛びついた。

「可愛い~~ 将ちゃん!こんなに可愛くなちゃって!
 これで男のこのままなら文句無いけど・・・・・許す!!」

「ちょっと栗原さん止めてよ!
 そんなキャラじゃなかったでしょ!  どうしたの?」

「将ちゃ~~ん、会いたかった」
と言うと強く抱きしめる。

「お、お、おい。栗原、完全におかしいぞ!」
「栗原は、どうしたんだ?」

井原が手招きをしているので俺と智弘は井原の元へ行ってみると

「実は凜は・・・・・・ショタコンなんだ。
 可愛い男の子を見ると・・・・・・つい・・・・」

「マ、マジか! 智弘の逆パターンだったのかよ!」

「今、俺の事は関係無いだろ!
 で、いつからこんな風になったんだよ」

「水原たちが追放されて、数日経ってから症状が悪化した」

「悪化って、酷い言い草だな。
 お前たちも苦労していたんだな」
と智弘が相憐れむように言った。

「その小さい女の子は本当に水原で間違いないんだろうな!」
井原は智弘に視線を移しながら聞いた。

「あぁ、女体化してしまった。間違いなく俺だ!」

「凛があんな風になったのも、心当たりがある」
井原は一呼吸置いて続けた。

「凛の持っている剣のせいじゃないかと思う。
 エクズカリバーの力を使うたびにおかしくなっていっていると思う。」

「呪いの剣かよ! 聖剣じゃないのか?
 じゃ、姫川たちもあんなに攻撃的なのは武器のせいか?
 元々、俺は嫌われていたけど、再開した途端、罵声をいきなり浴びてくるからな」

「そうかもしれない。
 武器を持っていた男子も由香を襲おうとしたこともあるし」

由香というのは高沢のことだ。

「大丈夫だったのか?」

「凛と私で事なきを得た」

「それは良かった。
 武器以外の者は? 
 その高沢は踊り子だろ?
 ちっこい篠原は忍者だったっよな?
 俺以外職業系の『女神の祝福』だったけど女体化以外問題は無かったぞ!
 まぁ、俺も気が荒くなったと思うが、この世界のせいだと思ってはいるけど」

「由香も忍者の琥珀も問題は無いと思う」

「あっ、篠原は痴女だぞ! アイツ、けっこうスケベ女だぞ!」

「多分、・・・・・それは元々だと思う」

と井原はサラッと酷いことを言う。

「・・・・・・・実は私も・・・・実感があるんだ」

「お前もかよ!
 で、お前はどんな病気なんだよ!」

「病気とか言うな!
 今後、色々とあると思うから話しておくけど・・・・
 わ、わ、私は・・・・・・



 重度の腐女子でBLが好きなんだ」

と顔を両手で隠しながらいった。
それを聞いた智弘はあまりの告白にズッコケた。

「え! お前、学年でも有数の秀才じゃないか!」

「しゅ、秀才とか関係無い!」
と少し怒ったように井原が答える。

「私もこの槍のせいだと思う。
 私の場合はスーツを着ているときは問題ないのだが寝たり入浴するときに脱ぐと・・・・・」

「脱ぐと病気が発症するんだな」

「病気じゃない!! 茶化すな!」

「そんなの別に問題ないじゃないか」

「いや・・・それが大アリだ。
 最近は着ているときでも気を抜くと妄想壁が酷くなって
 恥ずかしい話だが・・・・・・色々と淫らな妄想を。

 白田と緑山とか、白田と黒木とか、白田と赤城とか・・・・
 そして、白田と水」

「ガーーーーーそれ以上、言うな!!
 則之や赤城までは許せても智弘の名前を出すな!!」
俺は身震いをしながら井原の言葉を遮った。

「碧!なんかそれ酷くね?」
「緑山はいいんだ! あーーーーーーー!」

と言うと井原は赤い顔をしながら座り込んでしまった。
座り込む井原を見ながら智弘が言った。

「井原!! 俺と碧の場合は、俺が受けなのか攻めなのかハッキリさせてくれ!」

「あぁぁぁぁぁぁ~~~」
と井原は声を上げ天を仰いだ。


そのとき、ガサガサと森の茂みを掻き分け

「やぁ~みんな元気だった? 逃げ足が速いから追いかけるのに苦労したよ。ハハハハハ」

一人の男が立っていた。

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