222 / 304
第三部 俺のハーレム・パーティはやっぱりおかしい/ラッキースケベは終了しました!
女子たちとの再会
しおりを挟む「お主の作る料理は美味いの~
妾の城のシェフより美味いぞ!」
「おうおう、そうだろ!そうだろ~~~!」
したり顔でミリアに言う。
「でしょ。アオ君の作る料理はどれも絶品でしょ!」
俺たちは召喚の犠牲になったイズモニアの人たちの埋葬を終え、森の中へ場所を移し食事にありついた。
「まぁ、これも女神様のスキルのおかげだけどな」
「お主らはどの神に呼ばれたんじゃ?」
「エッ? 神様は何人もいるのか?
あの女神さまだけじゃないのか?」
「おるぞ。 妾の知っているだけでもオーロラ、サイレント、オメガ、フェニックス、グラヴィタスとか
そして邪神と言われているアリーナというのもおる」
「沢山いるな! 何か有りがたくないな~
特に名前は名乗っていなかったし、俺たちも聞くこと無かったからな~」
「他にもいると言われておるがな!
まぁ、35人も召喚できるのは『名無しの女神』しかおらんと思うが。
多くいる神の中でも『名無しの女神』は別格と言われておる。
この世界、ハルフェルナを統治していると言われておる」
「あの女神様、名前が無いのか?」
「拙者らはそんなに凄い女神様に召喚されたでゴザルか!」
「そなたたちは良い女神に召喚されたのかもしれんな」
「凄い女神様なのは分かったけど、そんな凄い女神様や多くの神様がいる割には争いだらけなのだが、それは何故だ?」
「それは人間、魔族、獣人と入り乱れているからじゃないか?
ついこの間まで俺たちの世界でも白人は黒人を奴隷、黄色人種を猿と思っていたからな。
いや、今現在も白人は有色人種を見下しているだろ。
俺たちの世界となんら変わらない。
神が制御できないのかもしれないし、神様同士の対立もあるんじゃないか?
だから争いは絶えないんじゃないかと思ってるけどな」
智弘のあきらめとも思える鋭いツッコミが入った。
そのとき!
ダダーン!
チュドーン!
いきなり森の奥で爆発音が聞こえた。
「何物かが魔法を放ったようじゃの!」
ミリアが立ち上がった。
「俺が先に行く! 何かあったら合図を送る」
智弘が飛空魔法で宙に舞い上がった。
「俺たちも行こう!」
食事そっちのけで爆発音の方へ走り出した。
ミリアも空を飛び全速で智弘の後を追った。
そして、爆発音があった辺りから上空にファイヤーボールが打ちあがった。
智弘の合図だ。
俺は全速力で智弘の元を目指した。
たどり着くとオークの集団、いや、軍団と女子が10数名ほどいた。
その中には見慣れた制服姿、見慣れたジャージの上下とトレーナーの女子がいた。
智弘とミリアはオークと女子たちの間に割って入り、智弘はマジカルなんちゃらを伸ばしオークの頭を突き刺し、ミリアはファイヤーボールを駆使してオークを焼き尽くしていた。
智弘たちに負けず5名ほどの女子たちも頑張ってオークと戦っていた。
背の高い女子は両手剣を持ちオークを斬りつけ、見慣れたジャージの女子は槍を投げオークを絶命させていた。
忍者姿のちっちゃいのはクナイをなげ応戦していた。
見慣れたトレーナーを着ている女の子は踊っていた。
戦っている女子の後方には何とか立っているという感じで6人ほど固まっていた。
後方にいる女の子たちは明らかに疲弊していた。
!!!
「お前たち!無事だったのか!!」
闘っている女の子達に声を掛けた。
「白田!」
「白田!」
「白田君!」
「白田!」
女の子達が俺の名前を連呼する。
やっちゃいますよ! 女子の声援さえあれば俺は頑張っちゃいますからね!!
「オ、オ、オーク!!」
将太がオークを見た瞬間、俺の後に隠れる。
やはり、コリレシアのオークとの戦いがトラウマになっている。
これは治ることは無いかもしれない。
マジカルランドセルからマシンガンを取り出しグレネードモードにして、後方にいるオークの集団目掛け1発、2発、おまけにもう1発。
ポーン、ガシャン! ポーン、ガシャン! ポーン、ガシャン!
チュドーン! ドドーン! ドーン!
2,30匹のオークが宙を舞う。
則之が女子とオークの間に割り込みバッサ!バッサ!と叩き切っていく。
一振りするたびにオークの遺体が出来上がっていく。
オークも剣で受けるが剣ごと真っ二つにされていく。
鎧なども役に立たず着ていなかったかのように切伏せられていった。
則之の通った後にはオークの死体の山が築き上げられていった。
「サンダーブレード!」
「サンダーライトニング!!」
「サンダーボルト!」
七海もありったけの魔法を唱え女子たちに近寄るオークを倒していく。
オークたちも敵わないとみたのか、一斉に撤退を始めた。
「井原!栗原! 大丈夫か? 他のみんなも大丈夫か?」
俺は駆け寄り声を掛けた。
「白田」
「白田」
「白田君」
女子たちは俺の名前を呼びながらゆっくり近づいてきた。
「うわ~~~~~ん! 白田ーーーー!」
一人の小柄な女子が飛びついてきた。
「お、おい、篠原!!」
忍者姿の篠原が飛びつくと、堰を切ったように栗原、井原、高沢も飛びついてきた。
俺にモテ期到来?・・・・というわけではなく、知っている顔を見ての安堵感がからである事は間違いない。
「怖かったよ~~」
「死ぬかと思ったーー」
「早く帰りたい」
「もういやだ~~」
「みんな大丈夫だよ。
俺がついているからもう安心だ!
大丈夫、大丈夫!」
女子たちを安心させるために、つい口から適当な言葉が出る。
「痛い! 痛い! 痛い!!」
俺のお尻は左右から抓られた。
後を見ると七海と将太がいた。
後方で固まっていた女子たちも、ゆっくりとこちらへ歩いてくる。
「井原! これで女子全員か?」
井原はコクッと頷いた。
見知ったはずの女子の顔は数名足りなかった。
「数名足りないのだけど」
と再度、井原に尋ねると黙って頷いた。
「そうか」
としか答えることが出来なかった。
「男子は? 赤城は?」
「私たちを逃がすために囮になってくれた」
「安否は分かるか?」
「何人かは・・・・・亡くなったと思う」
「思う?」
「多分・・・・鶴岡や石原は真っ二つに斬られたから・・・・・
他にも斬られた男子はいたから・・・・・」
「赤城はどうした?」
俺たちには赤城だけが希望なのだ。
勇者だけが魔王を封印できる。
フェルナンドを倒せる唯一の手段。
「分からないの・・・・」
「みんな、大丈夫だった」
七海が仲の良かった4人に声を掛ける。
「え?」
「え!?
「え!!!!」
「そ、その声・・・・・・」
一瞬、犬の仮面を付けた怪しげな女性から声をかけられて戸惑う。
「「「「紫音??」」」」
一斉に疑問系の声を上げる。
「紫音?」
栗原が信じられないような声を上げる。
「本当に紫音?」
高沢が尋ねる。
「そうよ、紫音よ」
「うそ・・・本当?」
篠原も理解できたのか、出来ていないのか?
「七海紫音です!」
「本当に紫音なのよね! 嘘じゃないわよね!!」
井原が確認するように尋ねた。
「本物の七海紫音です・・・・まだ、骸骨のままだけど」
「「「「うわ~~~」」」」
4人が七海に飛びすがり全員がワオンワオン大声を上げて泣いた。
その姿を見ながら俺はホッとした。
智弘たちは女になったと言っても中身は男だ。
仲の良かった女子と再会でき、これで寂しくは無いだろう。
相談する相手もいなかったから心細かっただろう。
俺は5人の側からそっと離れた。
0
お気に入りに追加
781
あなたにおすすめの小説
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
ざまあ~が終ったその後で BY王子 (俺たちの戦いはこれからだ)
mizumori
ファンタジー
転移したのはざまあ~された後にあぽ~んした王子のなか、神様ひどくない「君が気の毒だから」って転移させてくれたんだよね、今の俺も気の毒だと思う。どうせなら村人Aがよかったよ。
王子はこの世界でどのようにして幸せを掴むのか?
元28歳、財閥の御曹司の古代と中世の入り混じった異世界での物語り。
これはピカレスク小説、主人公が悪漢です。苦手な方はご注意ください。
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
異世界に転生した俺は農業指導員だった知識と魔法を使い弱小貴族から気が付けば大陸1の農業王国を興していた。
黒ハット
ファンタジー
前世では日本で農業指導員として暮らしていたが国際協力員として後進国で農業の指導をしている時に、反政府の武装組織に拳銃で撃たれて35歳で殺されたが、魔法のある異世界に転生し、15歳の時に記憶がよみがえり、前世の農業指導員の知識と魔法を使い弱小貴族から成りあがり、乱世の世を戦い抜き大陸1の農業王国を興す。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる