どこにでもある異世界転移~第三部 俺のハーレム・パーティはやっぱりおかしい/ラッキースケベは終了しました!

ダメ人間共同体

文字の大きさ
145 / 304
第二部 お兄ちゃん、待っててね!/ラッキースケベは必・・・あぁ! そんなものねぇーよ!!

瀕死のブラドー

しおりを挟む
会談を一方的に打ち切られた茜たち一行は城の外の一角で思案していた。

「王子様、どうします?」
と加奈が聞くと。

「ワシはライキン、ブラドーを助けに行く。そなた達とはここでお別れじゃ」

「待って、大王さん、それはウオレルと事を構えると言うこと?」
と茜が聞く。

「多分、そうなるじゃろうな」

「フェネクシー殿、人類と敵対する事になります」
アルファが問いただす。

「仕方あるまいて・・・・・すまぬ」

「ブラドーさんも気になるし・・・・・
 この国は気に入らないし・・・・・・ 
 どうしたら良いのかな、お兄ちゃん・・・・・」


ワン!ワンッ!ワワワン! ワン!!

茜の足元に子犬が近寄ってきて吠えた。
そして、靴下に噛み付き引っ張る。

「え??? 何、この子犬・・・・タナ!タナじゃない・・・何故ここにいるの?・・・・・
 アッ、似ているけどちょっと違うか。タナはもっと精悍な顔しているか」
よく見ると背中に見覚えのあるナイフを背負っている。

「おい、何だよ、この犬。うぜーな」
と織田が追っ払おうとするのだが

「待って、このナイフ、ブラドーさんの物じゃない? この子は使い魔かなのかな?」

子犬は背中を向けて10mほど走ると振り向きまた吠える。

「これはついて来いと言っているんじゃない?」
と加奈が言う。

「分かった、ワシが行って来る」

とフェネクシーは子犬のところまで走って行ったが子犬は茜の所に戻りまた靴下を噛み引っ張るのであった。

「私に来いと言うことね。分かったわ、大魔王さん、みんなを守って。 私が行ってくる」

「分かった。ブラドーを頼むぞ」

「茜だけじゃ不安だから私も行く」
と加奈が茜の後を追いかける。
子犬は全速力で城下を駆け抜け城の外へ出た。

「待ってよ、茜! 私じゃ追いつけないわよ!」

「もう~~加奈、遅いんだから」

「あんたと違って普通の人間ですから!」

子犬は城の北の方から外に出ると更にスピードを上げた。

「なによ、あの犬の速さ!!」
と言うと茜は加奈をお姫様抱っこをして飛空魔法を唱えた。
犬の通った後には砂埃が舞い上がる。
なおもスピードを上げると子犬はなんと空を駆け上がり始めた。

「なに、あの子。空を走っているんですけど」

「なんか、ハルフェルナについていけないわ・・・・」
と加奈がポツリと言う。




5分ほど猛スピードで空を駆けたろうか小高い丘が見えてきた。
すると、子犬は徐々にスピードを落とし丘に着地した。
そこには銀髪のブラドーが倒れていた。
心臓の辺りに銀色の杭が突き刺さっていた。

「ブラドーさん、ヒールヒールヒール!!」

「う、う・・・・・」
ブラドーは少しずつ意識を取り戻そうとしていた。

加奈が銀色の杭を抜こうと触る。

「キャーーー」

「どうしたの!加奈!」

「手が、痺れる。触れないわ」

「じゃ私が」

と言って茜が杭を抜こうとする。

「あ~~~~~!ビリビリする。痛いより気持ち悪い、何この不快感!!」
と一度手を離しほっぺたを両方からパンパンと叩きヨシッ!と気合をいれた。

「ふんご~~~~」
と女子高生とは思えない声を出し大股を拡げ踏ん張り銀色の杭をなんとか抜き放り投げた。
加奈はブラドーを支えるように体を起こした。

「ありがとう。異世界の者たちよ」
と力なく擦れるような声を出した。

「大丈夫ですか、ブラドーさん。勇者にやられたのね」

ブラドーは小さく頷いた。

「ねぇ~ブラドーさん、この周りにある赤いニンニクってあなたの血で染まってるんでしょ・・・・・
 血が足りないんじゃない?
 私の血で良かったら吸う?」

「あ、茜!、ちょっと何言っているのよ。眷属になっちゃうんじゃない?」

「だ、大丈夫よ・・・多分。成ったら成ったよ」

と言うと茜は手をブラドーに差し出した。

「いいのか?」

茜はブラドーの問いに黙って頷いた。

「茜!!」

「眷族などにしない事を誓いましょう」
とブラドーは茜の手の甲にくちづけをし手首より少し上の部分に噛み付いた。
ブラドーの顔色は見る見るうちに血色が良くなっていった。
ブラドーを口を離し、そして跪き臣下礼を取った。

「姫様。私の忠誠心、私の命、私の持つものすべてを捧げさせていただきます」

「え~~ブラドーさん、何言っているの!
 『困っている人がいたら助ける!』
 これがお兄ちゃんの教えだから気にしないで。
 お礼はワンちゃんに言って」

と辺りを探すがあの子犬はどこにもいなかった。

「あれ?あのワンちゃんどこへいったのかな?ブラドーさんの使い魔?」

「私には使い魔はいませんよ」

「え? あの子は一体・・・・・・」

「まぁ~いいんじゃない。ブラドーさんを助けることが出来たのだから・・・・・ハルフェルナで細かいことを考えたら負けよ」
と諦め気味な加奈であった。




と、そこへ馬に乗った水色の肌をした10歳にも満たない少年がやって来た。

「あれ! ブラドー、何してるの? 地ベタに這いつくばっていないとダメじゃない。
 もう一度、心臓に杭を刺してあげようか?」

と少年は敵意を剥き出し嘲笑いながらブラドーを挑発した。
しおりを挟む
感想 87

あなたにおすすめの小説

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~

甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって? そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

処理中です...