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第二部 お兄ちゃん、待っててね!/ラッキースケベは必・・・あぁ! そんなものねぇーよ!!
詩織の聖水
しおりを挟む館には囲うようにガラスの結界が張ってあった。
「結界って見えるの?」
と独り言をつぶやいた。
入ろうとしても入ることが出来ない。
結界を叩くと。
コンコン
コンコン
という音がする。
「ガラスみたいね。なんか壊れそう」
タナの剣を背中から取りはずし結界を叩き切ってみた。
ガンガン
ガンガン
ガンガン
ガガガガガン!
ピキ
ガンガン
ピキピキ
ガガガガン
ピキピキピキーーーーン
ガラスが割れるように結界が崩れ落ちた。
「凄いわね、タナの剣。神剣と言われるだけあるわね。じゃ、中に入ろうかな」
と言うと扉を開いた。
「おじゃましま~~~す」
コツン
コツン
コツン
床は石で出来ている。
「リッチさ~~~ん、いませんか? 手下もいないのですか~~?
なんか肩透かしね」
なおも館の奥へと歩みを進める。
立派な半螺旋状の階段があり、階段の上を見ると顔を隠すようにローブを被っている者がいた。
「あなたが虐殺のリッチね」
言い終わった瞬間、リッチの手が赤く光りファイヤーボールを撃ってきた。
茜は楽々交わし
「いきなり魔法を撃ってくるのは止めていただけませんかね?」
「お前を招いたつもりは無い。死ね!!」
ブラックホール!
茜の足元に怪しい黒い穴が現れ吸い込もうとする。
「危ない、危ない」
飛空呪文で空に逃げると、そこへ無数のウインドカッターが飛んでくる。
とっさにタナの剣を取り出しなぎ払うと突風が飛び出しすべてのウインドカッターを消しさった。
突風の正体はタナの剣の力ではなく茜の人間を超越したバカ力による真空刃なのだ。
降下してタナの剣で斬りつけるがリッチはひらりとかわされバランスを崩してしまった。
そこへリッチは石化の呪文を唱える。
「Stone cold!」
しまった!!
全身への石化の呪文は逃れることが出来たが左手に受けてしまった。
茜の左腕は徐々に石化が始り灰色になっていく。
マズイと思った瞬間、腕を振ると石化した腕にヒビが入りバラバラと砕け落ちた。
「何だと! Stone coldが効かないとは。お前は何ものだ! 勇者か!」
「え?勇者じゃないよ。普通の女子高生だよ」
「舐めるな!!」
ブラストチェンバー!!
茜は四角い箱に閉じ込められてしまった。
そして、無数の風が体を切り裂こうとする。
プシュ!
バシュ!
ババシュ!
「痛い、痛い、痛い」
痛みを訴えながらタナの剣を箱の中で振り回すと箱は木っ端微塵に壊れ、ほっぺたにかすり傷を一つ負った茜が飛び出てきた。
「何するのよ!! 女子高生の顔に傷つけるなんて死刑よ、死刑!!」
スキル・俊足を使い一瞬でリッチの元に寄りタナの剣でを振った。
あまりのスピードについて行けないリッチであったがギリギリ剣をかわす事が出来た。
「Holy!! Holy! Holy!」
と近距離で連発するとリッチは後ろに下がり防戦一方になった。
そしてタナの剣を振るとリッチの右腕に命中。
「うわ~~~、その剣は!」
斬られたところからジュワッッと湯気が立ち上がり左手で腕を抱えた。
「タナの剣って言うのよ」
「ぐぐ、神剣か!本当にあるとはな!」
ズキューーーン
茜はスカートと右腰の後ろ側に仕込んでおいたピストルを左手で取り出しリッチの頭めがけ撃った。
リッチの頭に穴が開く事はなかったが衝撃で後ろにぶっ飛び倒れた。
「往生せいや!!」
その隙に対リッチ用の必殺武器
聖水をぶっかけた。
「うぎゃーーーーー!! 何だコレは!! 焼ける体が焼ける! 熱い熱い!!」
「あっ、それ、詩織のおしっこ。
詩織は学校でも有名な美少女なのよ。
あなたもそんな美少女のおしっこをかけられて嬉しいんじゃない?」
「せ、せ、聖女の小水か!」
「とも言うわね」
「う、う、う、うぐわぁ~~~。苦しい」
「あなた村や町5つ壊滅させたんだってね。それに比べればたいした痛みじゃないでしょ。
一応、タナの剣でお腹も刺しておくわね。
うちのお兄ちゃんが言っていたのよ。
『悪い奴は徹底的に懲らしめろ! 懲らしめないで放置しておけば、また誰かが犠牲になる』って」
グサッ!
と茜は躊躇することなく虐殺のリッチの腹を突き刺した。
グリグリと!
「う、うぐ~~~」
リッチはヒクヒクと痙攣していた。
「じゃ、みんなのところへ戻ろうかな」
とリッチの足を掴み引きずりながら階段を下りた。
「詩織のおしっこの威力、凄いわね~~」
リッチは一段一段ゴンゴンと頭をぶつけながら引きずられていくのであった。
館を出ると、そこには詩織、加奈をはじめアルファ王子一行が寄って来た。
「茜、大丈夫か? 凄い音がしたけど・・・怪我は無いか?」
「茜ちゃん怪我は無い? もう、一人で行っちゃうなんて危ないわよ」
「加奈、詩織、ありがとう。この通り!!」
と言ってリッチを投げ捨てた。
「おお、茜様、ありがとうございます」
アルファが頭を下げ礼を言う。
「詩織のおしっこの効き目スゴイわ! 虐殺のリッチもイチコロよ、イチコロ!!」
よく見るとリッチは所々濡れている。
「キャーーー茜ちゃん、そんな大きな声出して言わないで!」
と詩織は真っ赤な顔を押さえた。
「織田、早く封印して」
と茜が言う。
織田だけではなく男子がリッチの周りに集まり
クンクン
と匂いを嗅ぎ出した。
「止めて、止めて、織田君、藤吉君、明石君、お願いだから止めて。匂い嗅がないで~~~」
とさっきより赤い顔をし顔を隠しながら涙目になっている詩織がいた。
「じゃ、私も嗅いでみようかな?クンカクンカ」
と茜も男子たちのマネをしてみた。
「止めて~~~! 茜ちゃんまで! お嫁にいけない!!」
と泣き叫ぶ詩織だった。
充分、詩織の小水の匂いを堪能した織田がリッチを封印すると銀色をした指輪になったのであった。
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