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第二部 お兄ちゃん、待っててね!/ラッキースケベは必・・・あぁ! そんなものねぇーよ!!
大浴場
しおりを挟む茜たちは城に戻り大浴場でくつろいでいた。
ローマ時代にあったような立派な公衆浴場のようなデザインだ。
「あ~~~~、疲れた!! ういっぷ、いい湯だ」
「茜ちゃん、おじいちゃんみたい」
詩織のツッコミが入った。
「もう、茜のせいでホコリだらけじゃない」
加奈が言う。
「そうよ、あんたのせいで砂埃だらけよ。もう、最悪!!」
こいつは小松理沙。
口うるさいクソビッチだ!!
この女は将太にホの字で仲の良い私を敵視している。
私が賢者を選ぼうとしたら狙ったように横取りしやがったクソビッチだ。
強烈なショタコンで中学時代まではジョンニーズ事務所の追いかけをしていた病気持ちだ。
それが高校に入学して将太を始めて見た時に衝撃が走ったとか気持ち悪い事を言っていたヘンタイのクソビッチだ。
将太は高校2年生にも拘らず中学生くらいにしか見えない。
下手すると半ズボンを履いていても似合いそうな子供にも見える。
確かに将太は美少年ではあるが・・・・・・頼りがいが無い。
だから将太と呼び捨てにするのだ。
私は『男の娘』などには興味が無い。
たくましい、お兄ちゃんこそが私の理想なのだ!!
「理紗! あんたはお兄ちゃん探索に協力するの?」
「あんたのお兄ちゃんにの探索には興味はない。勝手にすればいい、が、将太君を探すことには協力するわ」
「理紗、あなたも大概面倒くさい女よね。素直に協力しますと言えばいいのに」
「う、う、煩いわね~ 加奈!! 加奈は関係ないじゃない!!」
「加奈は私の専属マネージャーだから関係あるわよ!! それに、あんたより加奈の方が誰かの大好きな将太君と仲がいいから。
加奈に助けてもらった方が将太も喜ぶんじゃない」
私は手首をシッシッと追っ払うように挑発しながら言った。
「ムカーーーー!! あんた、前からいけ好かないのよ」
「それはこっちも同じだ!!」
二人は裸で立ち上がりながら相対した。
理沙のそこそこ豊かな裸体と茜のナイ~~~スな裸体が露になるはずなのだが、茜の胸と大事な部分には白い光が差し見えなくなっていた。
「茜ちゃんも理紗ちゃんも、もう少し落ち着いて話しましょうよ」
「お前たち二人、本当に仲が悪いな。前世で親の敵だったのか?」
と詩織はなだめながら、加奈は呆れながら言った。
「二人とも落ち着け! お風呂はゆっくり心を癒すところだぞ」
松平千代が注意してきた。
千代は剣道部の1年生で黒木則之さんの後輩だ。
子供の頃から則之さんと同じ剣道場で剣に磨きを掛け、県では有名な剣道女子だ。
高校も尊敬する則之さんを追って入学してきたと言うことだが・・・・・怪しい。絶対に怪しい。
恋愛マスターの茜ちゃんの目は誤魔化せない!!
則之さんも堅い性格をしているのだが、この子も硬い堅い固い・・・・・色々な意味で堅いのだ。
が、クソビッチ理沙より断然信頼がおける。
「千代は協力してくれる?」
「勿論だ! 私も則之先輩の行方が気になる! 茜! 私も手を貸すぞ!!!」
「お、おう! 千代、頼りにしているぞ!」
私は千代の気迫に負けないように応戦するように答えた。
「・・・・・・・私も協力したいのだけど・・・・・・下級職だから役に立てるかな・・・・・・」
僧侶職を選んだ氷室桃花が力なく答えた。
桃花はとても大人しく地味な子だ。
詩織以上に目立つ事を嫌っていた。
あぁ~ごめん。桃花、ごめん。
私が異世界召喚に巻き込んでしまった犠牲者なのかもしれない。
もし桃花が身の危険にさらされることがあったのなら私が助けてあげる。
理沙は助けないけどな!
「大丈夫だ!桃花。 私も下級職の魔法使いだ!」
「私は無職よ無職・・・・・恥ずかしい」
「茜は何でもいいだろ!」
「茜ちゃんは何言ってるの!」
「茜、お前は関係ない!!」
「茜、ふざけるなーーー!」
と全員から否定的な声が聞こえるのは何故だ!!
「茜、お前はとにかく加減しろ!加減という言葉を覚えろ!!」
「だって、しょうがないじゃない。魔法使ったこと無いんだもん。あの時だって始めて使ったんだよ」
「魔力も最大値なんだろ。少しは考えなさいよ」
あぁ、また加奈のお説教タイムが始ってしまった。
私だって初級魔法があれほど威力あるとは思っていなかったんだから仕方ないじゃない!!
「でも、茜ちゃん一人いれば何でも解決しそうよね。魔法だって全部使えるんでしょ。ステータスはMAXだし」
「詩織、そうは言うが茜は脳みそが筋肉でできているからな。
私たちが周りにいないといないと何をしでかすか分からないからな」
「そうそう、昼間だって危うく世界を破滅に導くところだったでしょ」
「詩織、加奈はいい。何を言っても許す。が、理紗!! お前だけは許さん!!」
「理沙ちゃんも茜ちゃんをからかわないの。茜ちゃんもそのくらいでムキにならないの!」
と詩織が私と理沙を諌める。
「あの女神様も茜によく魔法やスキルを与えたよな」
「それはね、千代、お兄ちゃんを召喚した負い目があるからじゃない」
「他にも剣やローブをよく貸してくれたしな」
「え?私にくれたんじゃないの?」
「あのなぁ~、あれはどう見ても強奪だろ。誰が見てもプレゼントでは無いぞ」
千代は呆れるように言い放った。
「ねぇ~ 茜ちゃん、あの剣とローブ タナ様の剣、ロゼ様のローブって言っていたけど、茜ちゃんの家のタナちゃんとロゼちゃんと関係あるんじゃない?」
「え?詩織、何言ってるのよ。犬よ、犬。犬がこの世界を救ったの?
タナが剣を振っていたって言うの?ロゼが着られる服じゃないわよ」
「そうは言うが偶然にしては出来すぎじゃないか?」
「加奈の言うことも分かるけど、犬が剣を振るということより似た名前の人間が召喚されたというのが自然じゃない?
本名はタナじゃなくてタナトスとか、ロゼじゃなくてロゼフィーヌとか言う名前が長いから短くなったと考える方が普通じゃないかな」
「偶然かな~?」
「偶然よ。加奈は色々考えすぎなのよ」
「茜は何も考えなさ過ぎなの!!」
と最後まで怒られてしまった。
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