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第二部 お兄ちゃん、待っててね!/ラッキースケベは必・・・あぁ! そんなものねぇーよ!!

聖女・早川詩織

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詩織の順番が来た。

詩織は何の職業を選んだのか茜は気になった。

そう、詩織の選んだ職業は『聖女』であった。

ぐは~~~、詩織は聖女を選んだのか!!ヒロイン属性が上がる!!
男子は聖女という言葉に弱いから・・・・・・・
と茜は思うのであった。

詩織は学年一の美少女と言われている。
女子視点から見ても綺麗で清楚で透明感があるのだ。
そして誰にでも優しく接することができ誰よりも思いやりがあり自分よりも周りを立てることができる女性なのだ。
茜が男子なら間違いなく詩織狙いだろう。

茜と詩織、加奈は最も親しい親友同士なのだが、ある事件を境に茜は詩織を警戒するようになった。
その事件とは碧と碧の友人のヘンタイ水原智弘が起こした『巨乳帝国60分の刑』という事件だ。
学校に持ってきた18禁本が教師にバレ、二人揃って首から『スケベ』『ヘンタイ』というプラカードを首から提げ職員室の前に60分正座させられた伝説的事件があったのだ。
兄の性癖が明らかになってから茜は巨乳女子を敵視するようになったのだ。
そう、詩織は絵に描いたようなバインバインの巨乳であった。

茜の警戒ランキング1位は学校でも有名な巨乳美少女、碧と同じクラスメイトの七海紫音。
そして2位は詩織であった。
詩織は碧とも面識があり茜を通じて親交もあるのでより一層、警戒しているのであった。
ちなみに加奈も碧と面識はあり親交もあるのだが胸が大人しい子なので警戒はしていない。

ちなみに3位は碧・茜の幼馴染の中世的美少年・緑山将太である。
茜から見ても将太はハッとするくらい可愛い顔をしており、子供の頃か碧と仲が良く高校まで碧と同じ高校を選び、一部の女子からBL疑惑を掛けられている。
まさかそんなことは無いと思うが警戒するに越したことは無いと思っているのであった。


「茜ちゃん、私も普通のステータスだって」
いかにも聖女らしい眩い笑みを振りまきプルンプルン胸を揺らしながら小走りで詩織が戻ってきた。

ムキー!なんか悔しい!!

「この胸か!この胸がいいのか!!」

発作的に詩織の胸にアイアンクローを噛ます茜であった。

「キャー!痛い、痛いよ、茜ちゃん!!」

周りにいた者はあまりにも突然なことなので反応に困っていた。

「おい、茜!!どうした? 詩織の胸を離せ」
一人だけ冷静な加奈だけが止めに入った。

「あぁ! ごめん、詩織。詩織の胸を見ていたら怒りがこみ上げてきて・・・・・・・
 私の心の中から『巨乳は敵だ!!』と叫び声が」

「茜、何言ってるんだ? お前も大概巨乳だぞ!」

と加奈に言われ真顔に戻り詩織の胸から手を離した。

「え!そうなの?」

「そうだよ! 女子から見て理想的なサイズ、形をしているぞ。ツンと上を向いた理想的なバストだぞ!!」」

「そ、そうよ。私も茜ちゃんの胸のほうがいいわ。私は大きいだけだけど茜ちゃんは大きさも形も理想的よ」

「そうなのか・・・・・・・・
 いや、私は騙されない! 女子の目は当てにならない! 男子の意見が重要よ!」

といきなり声を大にして言い出した。
そこにいた王や王子たちを含めた男達は目の前で繰り広げられていた様があまりにも突飛だったので訳の分からない顔をしていた。

茜はおもむろに男達の方を振り向き聞いた。

「ねぇ、男子達、私と詩織の胸はどっちが理想的?」

王を含めた男どもは鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていた。

茜の後で腕まくりをして加奈が男たちを威嚇している。
その顔は

「お前たち、答えはわかっているんだろうな!!」
と。

勇者・織田を含めた男子は

「白田」
「白田」
「うん。白田が理想的」
「ヤッパリ白田だよ」

茜が王や王子、宰相のほうを振り向くと

「あ、茜様です」
「茜殿ですじゃ」
王は黙って頷き、茜が騎士団の方に顔を向けると全員が全力で頷いた。

茜は握り拳をしながら「よしっ」と一人ほくそ笑んでいた。

加奈は茜が単純で良かったと心の底から思うのであった。

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