上 下
74 / 304
第一部 俺のハーレム・パーティがちょっとおかしい/ラッキースケベは必要ですか?

セキジョーダンジョン

しおりを挟む
「ここがセキジョー・ダンジョンです。山中様」

「ほほー、ここがセキジョー・ダンジョンか。遺跡が合ったように見えますが騎士殿」

ギリシアの神殿のような柱が至るところに倒れている。
この騎士は案内役と言うことだが半分は俺の監視役だろう。
何れチャンスがあれば始末しておこう。

「ダンジョン上部が大昔は遺跡だったと言われています。
 3階層になっておりダンジョンとしては深くありません」

「浅すぎるダンジョンですな」

「難易度も最も低いダンジョンと言われております。
  出てくるモンスターも高レベルのモンスターはいません。
 初心者用のダンジョンとして有名なのですがゲートと銃のあるところに行くのには迷路になっていて中々たどり着くことは出来ません」

「ふむ、迷路か。それにしても浅すぎる。
 そんなとこにゲートと勇者の銃があるのか・・・・・」

とにかく入ってみる事にしよう。
俺は連れてきた1個大隊300人のうち1個中隊60人ほど引き連れてダンジョン内へ入った。

ダンジョン内部は所々に魔石で作られたランプがあり明るい。
地下だから土壁なのかと思っていたが石作りになっている。これなら落盤とかは無さそうだ。
空気は思いのほか乾いているので土の中のような湿った臭いはしない。

俺と騎士の前後をコリレシア軍が囲むように進む。
内部に入って10分ほどするとゴブリンが3匹ほど突進してきた。

おいおい、こっちの人数を考えろ。

ダダダダーン
ダダダ

機関銃の音が響きゴブリンが倒れる。
知能指数が低いモンスターはこれだ。
死んだゴブリンはダンジョンに吸収されるように消えていった。

ふむ。ダンジョン外は死体が残る。どうやらダンジョン内部のモンスターと外の世界のモンスターは異なるようだ。
吸収された後に光る石が残る。

「騎士殿、あれは魔石というヤツでしょうか?」

「はい、あれが魔石です。ダンジョン内部のモンスターは必ず魔石を落とします。
 ただセキジョー・ダンジョンはあまり強いモンスターがいないので質の高い魔石は手に入りません」

魔石はこの世界の魔道具の燃料になるのでダンジョン中心に稼ぐ冒険者がいる。

内部へ進むとスライム、コボルト、ワームなど雑魚と呼ばれるモンスターが出てくるのだが我がコリレシア軍の一斉掃射の前に溶ける様に消えていく。
急に騎士が

「ストップ!、止まってください。ここからはワープトラップがあるので私が先頭に立ちます」

付き添いの騎士が先頭に立ちダンジョンを進む。
数メートル先に通路の真ん中に赤い杭が立っているのを指し

「あの赤い杭の付近には何かしらのトラップがあるの気を付けてください。
 通路の両脇を慎重に通ってください」
言われるとおり通路の両脇を静かに歩く。

しばらく歩くと宝箱があるが前には赤い杭が立っている。

「あの宝箱もトラップが仕掛けてありますので開けないようにお願いします」

「騎士殿、赤い杭は危険信号と考えて宜しいのですか?」

「そうです、赤い杭は危険なトラップを示す物です。
 すべてのトラップが判っているわけではありませんが目印にはなります。
 もうしばらく行くと下へ降りる階段があります」

地下2階へ降りるといきなりモンスターの大軍が現れた。
といっても、が合わせて100匹程度だ。
ふっ!現代兵器・マシンガンの敵ではない。

地下3階になるとゴブリン、コボルト、スライムの上位種といわれる色違いのモンスターが多く出てくる。
マシンガンも数十発打ち込まないと死なない。が、コリレシア軍の敵では無い。
モンスターの死体の山が出きるだけだ。

「もうすぐゲートと銃のある部屋になります」
騎士がそう言ってから200mほど進むと高さ5mほどの巨大な扉があった。

「扉というよりも門だな。いかにもこの部屋ですと言っているようなものだな」

門を開けて中に入ると部屋は50m四方あり部屋の中央の台座に近寄るとマシンガンが置いてあり、その隣には石版らしき物が壊れて放置されていた。

「これが噂の勇者の銃ですか。
 正確に言うと、これは銃ではなくマシンガンといわれる物です」
と俺たちの世界の知識が無い騎士殿に説明をしてやった。

俺は手に取ろうとしたが触ることが出来ない。
掴もうとするとすり抜ける。

「噂どおり手に取る事は出来ないのですね。おい。だれかこのマシンガンを撃ってみてくれ」
一人の兵士がマシンガンを構え銃に向かって撃つ。

ダダダダダ
ダダダーン

確かに当たっているが壊れた形跡がない。

「手榴弾で爆破してみてくれ」
兵士が手榴弾をセットする。

ズガーン

爆発音が部屋に響き火薬の臭いが部屋に充満するが、銃は破壊どころか傷一つ付いていない。

「手榴弾でも壊れないのか。
 手に入れたいと思ったが触ることも出来ない、破壊することも出来ない。
 だから放置されているということか」

「山中さまの部隊でも破壊できないのですか」

黙って頷き、その奥にある3mほどの赤い門に目をやり近づく。

「ほほー あれがゲートか。騎士殿。どこに繋がっているのですか?」

「異世界ともクリムゾン魔国とも言われています」

「ハッキリ分からないのですか?」

「行って帰って来た者が誰もいないので・・・・・」

「誰もいないで何故それが分かるのですか?」

「私も詳しくは分からないのです。言い伝えで言われているだけなので」

扉を開けてみると中は真っ暗なのだが奥に一点だけ虹色をした明るい光がある。

「入ってみたいものだな」

「お止めください。山中さまに何かあったら私の首だけでは済みません」

扉を閉めようとしたとき、突然部屋に響き渡る大きな声が聞こえた。



「お遊びはその辺で止めていただこうか。異世界人!!」

若い銀髪のオールバックの男がたった一人で立っていた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります

古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。 一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。 一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。 どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。 ※他サイト様でも掲載しております。

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

【完結】彼女以外、みんな思い出す。

❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。 幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。

異世界に転生した俺は農業指導員だった知識と魔法を使い弱小貴族から気が付けば大陸1の農業王国を興していた。

黒ハット
ファンタジー
 前世では日本で農業指導員として暮らしていたが国際協力員として後進国で農業の指導をしている時に、反政府の武装組織に拳銃で撃たれて35歳で殺されたが、魔法のある異世界に転生し、15歳の時に記憶がよみがえり、前世の農業指導員の知識と魔法を使い弱小貴族から成りあがり、乱世の世を戦い抜き大陸1の農業王国を興す。

突然だけど、空間魔法を頼りに生き延びます

ももがぶ
ファンタジー
俺、空田広志(そらたひろし)23歳。 何故だか気が付けば、見も知らぬ世界に立っていた。 何故、そんなことが分かるかと言えば、自分の目の前には木の棒……棍棒だろうか、それを握りしめた緑色の醜悪な小人っぽい何か三体に囲まれていたからだ。 それに俺は少し前までコンビニに立ち寄っていたのだから、こんな何もない平原であるハズがない。 そして振り返ってもさっきまでいたはずのコンビニも見えないし、建物どころかアスファルトの道路も街灯も何も見えない。 見えるのは俺を取り囲む醜悪な小人三体と、遠くに森の様な木々が見えるだけだ。 「えっと、とりあえずどうにかしないと多分……死んじゃうよね。でも、どうすれば?」 にじり寄ってくる三体の何かを警戒しながら、どうにかこの場を切り抜けたいと考えるが、手元には武器になりそうな物はなく、持っているコンビニの袋の中は発泡酒三本とツナマヨと梅干しのおにぎり、後はポテサラだけだ。 「こりゃ、詰みだな」と思っていると「待てよ、ここが異世界なら……」とある期待が沸き上がる。 「何もしないよりは……」と考え「ステータス!」と呟けば、目の前に半透明のボードが現れ、そこには自分の名前と性別、年齢、HPなどが表記され、最後には『空間魔法Lv1』『次元の隙間からこぼれ落ちた者』と記載されていた。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

処理中です...