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第一部 俺のハーレム・パーティがちょっとおかしい/ラッキースケベは必要ですか?

アンチポイズン

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翌朝、以前、覚えたレシピのうどんを作ろうと思ったのだが初めての失敗をしてしまった。
レシピのせいではなくマジックランドセルに入れっぱなしてしまった。
捏ねたものを寝かさないで、すぐに切って茹でるとうどんが溶けてしまう。
仕方ないので馬車の中に放置することにして野菜スープとパンで我慢してもらうことにした。
なんでもランドセルに詰めれば良いという安直な考え方は改めよう。

うどんの予定が狂ってしまったため出立が遅れてしまった。
俺たちが食事を終えて休憩地点を出るときには誰も残っていなかった。

いつも通り、御者台に則之と将太が座り、馬車の中は俺、智弘、七海の三人に分かれた。
七海が急に小さい声で

「私・・・・・・毛が生えてきたの」
とボソッと言った。

「毛?毛?どこの? あそこの?」

「えっ!? バカー」
と恥ずかしそうに七海が答えた。 うッ、可愛い。

「髪の毛。 まだ産毛みたいな感じだけど生えてきたの」

毛とか生えてきたとか可愛い声で言われると・・・・・
卑猥に想像してしまう俺はダメ人間なのでしょうか?
許されないことなのでしょうか?

と、フードを取って頭を見せてくれた。
確かにうっすら短い毛が生えてきたのが分かる。

「何か髪の毛が薄い人が産毛が生えてきて喜ぶ気持ちが凄くわかる気がした。これは人間化の効果なのかな?」


「多分、そうだろうな・・・・・・・・・
実は俺も・・・・・・・・




あれが小さくなった」

と、いきなり智弘が突飛な事を言い出した。

「キャーーー、もう何いきなり言い出すのよ~ もう~~」
と顔を隠す七海。

「見る?」

「見ません!!」
と、智弘と七海のやり取りが可笑しい。

「智弘、元々お前は小さかったんじゃないのか?」

「んなろう、見るか!見るか~~!! 見せちゃるけんのぅ!!」
なして、急に土佐弁?

「やめて、やめて。もぅ~ リッチになっても中身は女子なんですからね。ぷんぷん!」
怒る姿も可愛い七海であった。

「ほ、ほ、ほんとでゴザルか!? 我輩も小さくなってしまうのでゴザロウか?」
則之がいきなり振り返った。

「七海の髪の毛が生えてきたのも人間化の力だと思う。
俺のあれが小さくなったのも女体化の力だろうから、このまま進めば無くなってしまうだろうな。
で、女のピーピーピーが。そして胸もでかくなるんじゃないか?」

「うわぁ~切ないでゴザルよ」

「則之も今のうちに自分の息子に別れを告げておけよwwwww」

「嬉しそうだが、智弘、お前、本当に良いのか?」

「OK、OK俺が望んだことだ。女体化完成の暁には女体の神秘の探索に出るから。
碧、お前も一緒に探索に出るか?wwwww」

「お、マジか。神秘の旅に?w」

「白田君!!そんな誘惑に乗ってはダメですよ!!」

「あ、はい。分かりました」

七海にビシッ!!と釘を刺されてしまった。

「あの、それでは七海様の人間化が成就した暁には、七海様の素敵なナイスバデーを拝ませていただ・・・」

「それもありません!!!!!!」
先ほど以上にビシッと否定されてしまいました。


ギュドーーーーーーーーン
ヒヒーーーン
馬車の馬達が嘶く。

「どうした!?」

御者台に近づき前を見ると前方から火柱が上がっていた。
森の中から見えるほどの火柱だ、10mは優に超える。

「意外と近いでゴザルよ。どうするでゴザル?」

「商隊の人たちかもしれない。行ってみよう」

「マリーちゃんたち大丈夫かな。僕、心配だよ」

則之は馬にムチを入れ急いだ。


問題の地点に到着すると10mを超える大蛇が3匹いた。
商隊の馬車と思われる残骸が散乱し、幌には緑の液体が掛かっていた。
周りを見ると数人の人間がドス黒い緑に変色して倒れていた。
毒? 毒で変色したのか?
奥に魔道師と思われる姿の男が魔法を唱えようとしていたが大蛇の毒を吹きかけられ倒れてしまった。

「毒だ、則之と碧は前に出るな。俺と七海でやる!」

智弘と七海が馬車から飛び降りた。

「ファイヤーボール!!」

近くにいた大蛇にぶつけたがなんとも無い様子でこっちを振り向いた。
効いていない。

シャーシャー
と舌を出しながら威嚇している。

その表情は雑魚が何してくれるの?

と余裕顔をしているように見えた。

「ブリッツライトニング!」
「ブリッツライトニング!!」
「ブリッツライトニング!!!」
「ブリッツライトニング!!!!」


ドカーンドカーンドカーンドカーン
ビカビカビカビカ

おびただしい数の雷が降り注いだ。10本20本なんてものではない。
前を見ることが出来ないくらいの閃光が走り、鼓膜が破れんばかりの轟音。
それは天の怒り。
これが正しい説明だろう。
七海が怒りくるっているのが分かった。
3匹の大蛇は腹を出すようにひっくり返り黒焦げの状態で生き絶えていた。
あれだけの数の雷が当たり一面に降り注いだのだから当たり前だ。

「マリーちゃん!!」
将太が大声を出した。

馬車の影にで変色して倒れているマリーを発見した。
駆け寄ろうとした将太の手を掴む。

「あまり近づくな。お前にも毒の影響があるかもしれない」

将太は少し離れた場所から
「ヒール」「ヒール」「ヒール」「ヒール」「ヒール」
と連呼した。




「お、お、お兄ちゃん、苦しい」

「ヒール」「ヒール」「ヒール」「ヒール」「ヒール」




「ありがとう」


その言葉を最後にとマリーが動くことは無かった。



「うわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

将太は膝から崩れ落ち地面を叩いて悔しがった。

「何でだよーなんで、マリーちゃんが!!」

「将太、お前のせいではないから。お前が悪いわけじゃない」
将太は胸の中に飛び込んできた。

「僕が、僕が、もっと魔法を覚えていれば助かったんだよ。アンチポイズンを覚えていればマリーちゃんは・・・・・・・・」
胸の中で将太は泣き叫ぶ。狂ったように泣き叫んでいる。

「将太が悪いわけじゃないから・・・・・俺が料理に手間を掛けなければ助かったかもしれないんだから」

「違うよ、僕がアンチポイズンさえ覚えていれば助けられたんだよ。ヒールしか使えない聖女なんて・・・・・」

「俺はそのヒールに俺は何度も助けられたんだよ。」

「悔しいよー悔しいよー アオ君、悔しいよーーー」


将太は何度も叫びながら俺のボロボロの学生服を掴み縋りながら泣き続けた。

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