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番外編
彼女の知らないところで(2)
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「──レーナ?」
見るとそこには潤んだ瞳を向けるエレーナが、リチャードの裾を引っ張っていた。片手にはグラスを持っている。
視線が合い、花が綻ぶようにリチャードに笑いかける。
「でんか」
いつもより舌っ足らずな、甘い声である。頬は上気し、紅の引かれた唇はぷっくり色づいて少し艶かしい。
「どうしてここに来たんだい? ついさっきまであっちに居たよね」
さらりと目で追っていたことを告白してしまうほど動揺を隠せない。けれど、エレーナはそれには答えずにリチャードを見上げる。
むぅっと幼子のような顔をして、こてんと首を傾げながらこう言うのだ。
「みんな、リーさまと踊ってずるいです。私とも踊ってください──だめ、ですか?」
彼女はグイッと裾を引っ張って顔を近づけてきた。ふんわり髪から香る甘い匂いが鼻をかすめる。
「うおっストレート! ひゃー、これは誰でも心を奪われるな」
「黙れ」
「痛っ」
リチャードは思いっきりアーネストの頭を殴った。
(いきなりどうしたんだ……私に対しての焼きもち? まさかあのレーナが? いや、こういうレーナはアレだ)
頭が働かなくなるほどいつにも増して破壊力が凄まじい。理性が跡形もなく吹っ飛びそうだ。
だが、リチャードは気が付いていた。
「レーナ、そのグラスの中身は何かな」
「んーおみず、です」
エレーナは中身を揺らしながら答えた。
「あー、殿下残念ですね」
「うるさいよ」
ギルベルトは把握したようだ。哀れみの目を向けてくる。
「──ごめんね。後で新しいのをもらってくるからそれは僕がもらうよ」
「あっ」
半ば強引にエレーナの手からワイングラスを奪い、匂いを嗅ぐ。
何種類もの果実を合わせた爽やかな香りだ。明らかに水ではない。
確認のために口に含む。
「誰だ酒を飲ませたのは」
「知りませんよ。給仕から誤って受け取ってしまったのでは?」
リチャードはエレーナの鼻の先にグラスを持っていく。
「レーナ、これ水じゃないよね。飲んだ?」
「半分くらい飲みました。果汁が入っているのか甘くて美味しかったです」
とろんとした瞳を向けてえへへと笑う。
「完全に事故ですねこれ」
「……そうだな」
エレーナは極端にお酒に対して弱い。度数が低い物でも、一口飲んでしまうと目の前の状態になる。
初めて夜会でお酒を飲んだ時は、熱をはらみ潤んだ瞳に加えて普段より警戒心を解き、誰にでも笑いかけるその姿。誰も彼もを虜にしていた。
そのせいでエレーナに親しい者たちは、欲望を隠そうととせずに近寄ってくる者を蹴散らすので大変だったのだ。
以来、エレーナには飲酒禁止令が出されている。
「色が無色に近いので……配膳で水の盆に紛れてしまったのでは?」
光に当てて調べていたギルベルトが考察する。
エレーナが飲んだお酒は無色に近い黄金色のお酒である。ダンスフロアは目が疲れるほど光り輝いているので、薄く色づいた程度では分からなかったのだろう。
「で、どうするんだこれ」
アーネストは出来る限りエレーナを見ないようにしながらリチャードに尋ねた。
「──エルドレッドかルイス公爵を呼んでこい」
「了解」
(早く家に帰さなければ)
こんな状態のエレーナを一人にしておけない。リチャードは未だに自分の服を握っている彼女を眺める。
誰であって想い人の可愛らしい姿はずっと見ていたものである。
ましてや最近では見せてくれなかった類の姿である。目に焼き付けておきたい。けれど────
(場所が悪すぎる)
「あの」
「どうしたの」
「お返事いただいてません。私と踊ってくれますか?」
「うーん、残念だけどまた今度かな」
この状態のエレーナを他の子息に見せたくない。だからリチャードは自分の欲望を隠してエレーナを帰す方に動くのだ。
「なら、いいです。他の人と踊ってきますね」
不服そうなエレーナはふわふわな足取りでリチャードとギルベルトの囲いを横から抜けようとする。
しかし二人は彼女を妨害した。
「殿下は踊ってくれないのに邪魔をするのですか? 卑怯でずるいです」
唇を尖らせ、それでも逃れようとする。だから逃げられないように彼女の手を優しく握った。
「ずるいって思ってていい。だから、行かないでくれ」
他の人と踊ったらそのまま食われてしまいそうな様子なのである。彼女は押しに弱く、そもそも力で男に勝つことは不可能なのだ。
こういう時に王子という身分は忌々しい。何をするにしても一人を優先したら四方から横槍が飛んでくる。
舌打ちしそうになる感情を隠し、リチャードはエレーナに向き合う。
「じゃあ何処にも行かない代わりに、私と踊ってくださいませ」
再度、あどけない表情でエレーナは乞う。
「…………踊ればいいんじゃないですかね。相手からなのでそこまで心配しなくても。それに、」
煮え切らない主に対してギルベルトは一旦区切る。
「殿下だって踊りたいでしょう? たまには良いかと」
「…………」
「黙らせればいいんですよ。黙らせれば」
「──それはギルベルトが貴族たちの追求を全部引き受けてくれるということか?」
「えっ」
「そうか。ならいいね私の仕事は増えない」
そう言ってリチャードはエレーナを連れて踊っている輪の中に入った。
「ふふ」
彼女の手を取って最初の姿勢になるまで、ずっとエレーナは幸せそうに頬を緩めていた。
「そんなに嬉しいの?」
お酒の効き目は抜群で。エレーナは真摯な瞳をこちらに向けて、恋人が愛を囁くようにはっきりと告げるのだ。
「とってもとーっても嬉しいです。私、殿下のこと大好きなの」
純粋でリチャードのことを信じきった真っ直ぐな言葉だった。
想い人に大好きと言われて嬉しくならないはずがない。リチャードも自然と口元が緩む。
そしてボソリと彼女にも聞こえないくらいの大きさで呟いた。
「────僕はレーナのこと愛してるよ」
◇◇◇
エレーナは一曲踊って満足したようで、慌てて駆けつけてきたルイス公爵とエルドレッドに引き渡された。
後日、リチャードがこの件を覚えているのか探りを入れたところ、彼女は不思議そうに首を傾げ、「何か粗相を……?」と不安そうにした。
その為、「いいや、可愛い姿を見せてくれたよ」と言って、彼女を真っ赤にさせたのだった。
見るとそこには潤んだ瞳を向けるエレーナが、リチャードの裾を引っ張っていた。片手にはグラスを持っている。
視線が合い、花が綻ぶようにリチャードに笑いかける。
「でんか」
いつもより舌っ足らずな、甘い声である。頬は上気し、紅の引かれた唇はぷっくり色づいて少し艶かしい。
「どうしてここに来たんだい? ついさっきまであっちに居たよね」
さらりと目で追っていたことを告白してしまうほど動揺を隠せない。けれど、エレーナはそれには答えずにリチャードを見上げる。
むぅっと幼子のような顔をして、こてんと首を傾げながらこう言うのだ。
「みんな、リーさまと踊ってずるいです。私とも踊ってください──だめ、ですか?」
彼女はグイッと裾を引っ張って顔を近づけてきた。ふんわり髪から香る甘い匂いが鼻をかすめる。
「うおっストレート! ひゃー、これは誰でも心を奪われるな」
「黙れ」
「痛っ」
リチャードは思いっきりアーネストの頭を殴った。
(いきなりどうしたんだ……私に対しての焼きもち? まさかあのレーナが? いや、こういうレーナはアレだ)
頭が働かなくなるほどいつにも増して破壊力が凄まじい。理性が跡形もなく吹っ飛びそうだ。
だが、リチャードは気が付いていた。
「レーナ、そのグラスの中身は何かな」
「んーおみず、です」
エレーナは中身を揺らしながら答えた。
「あー、殿下残念ですね」
「うるさいよ」
ギルベルトは把握したようだ。哀れみの目を向けてくる。
「──ごめんね。後で新しいのをもらってくるからそれは僕がもらうよ」
「あっ」
半ば強引にエレーナの手からワイングラスを奪い、匂いを嗅ぐ。
何種類もの果実を合わせた爽やかな香りだ。明らかに水ではない。
確認のために口に含む。
「誰だ酒を飲ませたのは」
「知りませんよ。給仕から誤って受け取ってしまったのでは?」
リチャードはエレーナの鼻の先にグラスを持っていく。
「レーナ、これ水じゃないよね。飲んだ?」
「半分くらい飲みました。果汁が入っているのか甘くて美味しかったです」
とろんとした瞳を向けてえへへと笑う。
「完全に事故ですねこれ」
「……そうだな」
エレーナは極端にお酒に対して弱い。度数が低い物でも、一口飲んでしまうと目の前の状態になる。
初めて夜会でお酒を飲んだ時は、熱をはらみ潤んだ瞳に加えて普段より警戒心を解き、誰にでも笑いかけるその姿。誰も彼もを虜にしていた。
そのせいでエレーナに親しい者たちは、欲望を隠そうととせずに近寄ってくる者を蹴散らすので大変だったのだ。
以来、エレーナには飲酒禁止令が出されている。
「色が無色に近いので……配膳で水の盆に紛れてしまったのでは?」
光に当てて調べていたギルベルトが考察する。
エレーナが飲んだお酒は無色に近い黄金色のお酒である。ダンスフロアは目が疲れるほど光り輝いているので、薄く色づいた程度では分からなかったのだろう。
「で、どうするんだこれ」
アーネストは出来る限りエレーナを見ないようにしながらリチャードに尋ねた。
「──エルドレッドかルイス公爵を呼んでこい」
「了解」
(早く家に帰さなければ)
こんな状態のエレーナを一人にしておけない。リチャードは未だに自分の服を握っている彼女を眺める。
誰であって想い人の可愛らしい姿はずっと見ていたものである。
ましてや最近では見せてくれなかった類の姿である。目に焼き付けておきたい。けれど────
(場所が悪すぎる)
「あの」
「どうしたの」
「お返事いただいてません。私と踊ってくれますか?」
「うーん、残念だけどまた今度かな」
この状態のエレーナを他の子息に見せたくない。だからリチャードは自分の欲望を隠してエレーナを帰す方に動くのだ。
「なら、いいです。他の人と踊ってきますね」
不服そうなエレーナはふわふわな足取りでリチャードとギルベルトの囲いを横から抜けようとする。
しかし二人は彼女を妨害した。
「殿下は踊ってくれないのに邪魔をするのですか? 卑怯でずるいです」
唇を尖らせ、それでも逃れようとする。だから逃げられないように彼女の手を優しく握った。
「ずるいって思ってていい。だから、行かないでくれ」
他の人と踊ったらそのまま食われてしまいそうな様子なのである。彼女は押しに弱く、そもそも力で男に勝つことは不可能なのだ。
こういう時に王子という身分は忌々しい。何をするにしても一人を優先したら四方から横槍が飛んでくる。
舌打ちしそうになる感情を隠し、リチャードはエレーナに向き合う。
「じゃあ何処にも行かない代わりに、私と踊ってくださいませ」
再度、あどけない表情でエレーナは乞う。
「…………踊ればいいんじゃないですかね。相手からなのでそこまで心配しなくても。それに、」
煮え切らない主に対してギルベルトは一旦区切る。
「殿下だって踊りたいでしょう? たまには良いかと」
「…………」
「黙らせればいいんですよ。黙らせれば」
「──それはギルベルトが貴族たちの追求を全部引き受けてくれるということか?」
「えっ」
「そうか。ならいいね私の仕事は増えない」
そう言ってリチャードはエレーナを連れて踊っている輪の中に入った。
「ふふ」
彼女の手を取って最初の姿勢になるまで、ずっとエレーナは幸せそうに頬を緩めていた。
「そんなに嬉しいの?」
お酒の効き目は抜群で。エレーナは真摯な瞳をこちらに向けて、恋人が愛を囁くようにはっきりと告げるのだ。
「とってもとーっても嬉しいです。私、殿下のこと大好きなの」
純粋でリチャードのことを信じきった真っ直ぐな言葉だった。
想い人に大好きと言われて嬉しくならないはずがない。リチャードも自然と口元が緩む。
そしてボソリと彼女にも聞こえないくらいの大きさで呟いた。
「────僕はレーナのこと愛してるよ」
◇◇◇
エレーナは一曲踊って満足したようで、慌てて駆けつけてきたルイス公爵とエルドレッドに引き渡された。
後日、リチャードがこの件を覚えているのか探りを入れたところ、彼女は不思議そうに首を傾げ、「何か粗相を……?」と不安そうにした。
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