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第一章 誰も望まないゲームスタート
黒色のヘッドホン
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振り向くとそこには自分よりも…いや、アークよりももっと小柄な少女が私の肩を掴んでいた。
「えぇ、お前誰…俺先からすっごく寝たいんだけど…」
「ぼく?ぼくはねー来杏紗良だよ!えとねーサラって呼んでねっ!」
来杏紗良と名乗ったその少女はきれいな緑色の目をしていてまるで太陽のような笑顔で笑っている。
「ねぇねぇ、君たちどうやってここに来たのー?ぼく全然覚えてないの!」
「俺も全然覚えていない、恐らくこいつも。」
私が質問に答える前にアークが先に答えてくれた。
確かにアークの言う通り私は来るまでの事を全然覚えていない。
ここに来るまでにあった最後の記憶は誰かに撃たれ意識を失った…くらいだ。
それがアークもサラも覚えていないとなると流石にこれは違和感を感じた。
「んーまぁそのうち思い出すかなー
たまに昨日の夜ご飯思い出せないとかあるからねっ!」
と呑気なことを言いながらアークになにかを渡す。
「…?なんだよこれ…ヘッドホン?」
「そうだよ!アークにプレゼント!ほら、着けて着けて!」
「…?あぁ…」
サラが渡したそれは黒色のヘッドホンだった。
アークは言われた通りに早速ヘッドホンをつける。が…
「ぽちっと!」
「ん?うわぁ!?!?」
聞こえてきたのは隣にいる私が聞こえるくらい大音量の叫び声。アークは急いでヘッドホンを外す。
「おい!お前このヘッドホンなんだよ!」
「うへへぇ、騙されたねっ!それはぼくが持っているこのボタンひとつでぼくが録音した言葉が流れるよ!
まぁ音量も設定できるからやり過ぎたかなーごめんね☆」
「はぁ…?」
「ぼくは悪戯大好きだからね、アークみたいな普段かっこいい人を騙すのすごい楽しいんだよー」
「お前どさくさに紛れて褒めたよな」
「んーそうかもねー?まぁアークかっこいいし?」
「お前…俺の事いじりたいだけだろ……」
ニヤニヤしているサラに呆れながらヘッドホンを返そうとしたその時だった。
銃声が突然なり響き暗転した。
辺りを見渡すと暗闇だが私たち以外にも何人かがいることに気付いた。中には音に驚いたのか啜り泣きをしている人もいる。
大きくなっていくざわめきを止めたのはあの声だった。
「レディースアーンドジェルトルメーン!ようこそ僕の楽しい実験施設へ!」
「えぇ、お前誰…俺先からすっごく寝たいんだけど…」
「ぼく?ぼくはねー来杏紗良だよ!えとねーサラって呼んでねっ!」
来杏紗良と名乗ったその少女はきれいな緑色の目をしていてまるで太陽のような笑顔で笑っている。
「ねぇねぇ、君たちどうやってここに来たのー?ぼく全然覚えてないの!」
「俺も全然覚えていない、恐らくこいつも。」
私が質問に答える前にアークが先に答えてくれた。
確かにアークの言う通り私は来るまでの事を全然覚えていない。
ここに来るまでにあった最後の記憶は誰かに撃たれ意識を失った…くらいだ。
それがアークもサラも覚えていないとなると流石にこれは違和感を感じた。
「んーまぁそのうち思い出すかなー
たまに昨日の夜ご飯思い出せないとかあるからねっ!」
と呑気なことを言いながらアークになにかを渡す。
「…?なんだよこれ…ヘッドホン?」
「そうだよ!アークにプレゼント!ほら、着けて着けて!」
「…?あぁ…」
サラが渡したそれは黒色のヘッドホンだった。
アークは言われた通りに早速ヘッドホンをつける。が…
「ぽちっと!」
「ん?うわぁ!?!?」
聞こえてきたのは隣にいる私が聞こえるくらい大音量の叫び声。アークは急いでヘッドホンを外す。
「おい!お前このヘッドホンなんだよ!」
「うへへぇ、騙されたねっ!それはぼくが持っているこのボタンひとつでぼくが録音した言葉が流れるよ!
まぁ音量も設定できるからやり過ぎたかなーごめんね☆」
「はぁ…?」
「ぼくは悪戯大好きだからね、アークみたいな普段かっこいい人を騙すのすごい楽しいんだよー」
「お前どさくさに紛れて褒めたよな」
「んーそうかもねー?まぁアークかっこいいし?」
「お前…俺の事いじりたいだけだろ……」
ニヤニヤしているサラに呆れながらヘッドホンを返そうとしたその時だった。
銃声が突然なり響き暗転した。
辺りを見渡すと暗闇だが私たち以外にも何人かがいることに気付いた。中には音に驚いたのか啜り泣きをしている人もいる。
大きくなっていくざわめきを止めたのはあの声だった。
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