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第三章 王立学校
ぶらり街デート
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「どうする、どこから行きたい?」
「えぇーとねぇ……あの店! あそこ行きたい!」
屋敷にいる今の内に、俺はメアを連れて二人で隣街へと来た。いわゆるデートというやつである。フリードにお願いをしたら、むしろ連れて行ってやってくれ、と言われた。
血を吸わせ、一時的に術式が解けるがまた組み直してくれるらしい。術式ってのは仕組みがよくわからないけど便利だな。俺でも出来んのか?
ともあれ、流石に護衛ナシというわけにはいかず、おそらくどこかにロイドとレイズがいるはずだ。二人とも気をつかって見えないところから付いてきてくれているんだと思う。
こうしてメアに連れられ、服の店に入った。
「うわぁ……すごい……」
店内に展開されているありとあらゆる服に圧倒され、メアは目を輝かせている。
「気になったやつがあったら、遠慮なく試着しろよ。金は持ってきてるから」
そう言って俺の財布を出す。この財布はそう、前の世界で使っていたものだ。というのも、俺がこの世界にきて魔物に襲われたときになくしたと思っていたリュックを、ロイドが回収していたとのことだ。
カマキリにガジガジと食われ、リュックはボロボロだったが中身は無事だった。
そしてその財布の中にはこの世界の貨幣と、例の魔法のカードが入っている。しかも俺専用のものだ。ないと不便だろうとのことで作ってくれたのだが、買い物をせずとも気にならない暮らしをしていたせいで、使う場面があまり訪れなかった。
「いいの?」
「もちろんだ。そのために来たんだからな」
「えへへ、じゃあお言葉にあまえちゃおうかな~」
メアに腕を引っ張られ、ショッピングデートが始まる。
俺もこういった洋服屋に来るのは初めてだから内心ワクワクしている。
メアは良さげなものを幾つか見繕って試着室の中に入った。女性が多い店内に一人取り残されるのは心細いが、なんかこれも漫画のデートっぽくていいな。
しばらく待っているとカーテンが開かれ、新品の服に身を包んだメアが現れる。
「ど、どう?」
「かわいい……」
そのあまりの可愛さに言葉が漏れる。天使だ。天使が降臨した。
「普段のゴスロリっぽいのもめっちゃいいけど、こういうカジュアルな感じのも似合うなぁ」
「えへへ、ありがと。じゃあ次は———」
次第に照れが消えたのか、メアのファッションショーが始まった。いつもとは雰囲気の違う服を纏い、カーテンが開くとともにポーズを決めて出てくる姿はモデルのようだ。雑誌の表紙を飾れる。間違いなく。
ある程度着終わると、その中から気に入ったであろう一セットを選び、俺はそれを購入した。メアはそれを着ていくそうだ。
「ありがとね、イスルギ」
「おうよ。よく似合ってるぞ」
こんなかわいい子と隣を歩けるなんて、来世は地獄に落ちてもおかしくはない。しっかりと嚙み締めねば。
「そろそろお腹が空かないか?」
「うーん、そうだね。朝はイスルギの血をもらっただけだし……」
「あー……」
今回も血を吸って暴走したメアを抑えるのに、それなりの苦労を要した。その過程でだいぶ吸われたのもこの空腹に関係しているだろう。
「そうだ、あそこがいいかな」
前の記憶を辿り、俺達はある店へと足を運んだ。
「えぇーとねぇ……あの店! あそこ行きたい!」
屋敷にいる今の内に、俺はメアを連れて二人で隣街へと来た。いわゆるデートというやつである。フリードにお願いをしたら、むしろ連れて行ってやってくれ、と言われた。
血を吸わせ、一時的に術式が解けるがまた組み直してくれるらしい。術式ってのは仕組みがよくわからないけど便利だな。俺でも出来んのか?
ともあれ、流石に護衛ナシというわけにはいかず、おそらくどこかにロイドとレイズがいるはずだ。二人とも気をつかって見えないところから付いてきてくれているんだと思う。
こうしてメアに連れられ、服の店に入った。
「うわぁ……すごい……」
店内に展開されているありとあらゆる服に圧倒され、メアは目を輝かせている。
「気になったやつがあったら、遠慮なく試着しろよ。金は持ってきてるから」
そう言って俺の財布を出す。この財布はそう、前の世界で使っていたものだ。というのも、俺がこの世界にきて魔物に襲われたときになくしたと思っていたリュックを、ロイドが回収していたとのことだ。
カマキリにガジガジと食われ、リュックはボロボロだったが中身は無事だった。
そしてその財布の中にはこの世界の貨幣と、例の魔法のカードが入っている。しかも俺専用のものだ。ないと不便だろうとのことで作ってくれたのだが、買い物をせずとも気にならない暮らしをしていたせいで、使う場面があまり訪れなかった。
「いいの?」
「もちろんだ。そのために来たんだからな」
「えへへ、じゃあお言葉にあまえちゃおうかな~」
メアに腕を引っ張られ、ショッピングデートが始まる。
俺もこういった洋服屋に来るのは初めてだから内心ワクワクしている。
メアは良さげなものを幾つか見繕って試着室の中に入った。女性が多い店内に一人取り残されるのは心細いが、なんかこれも漫画のデートっぽくていいな。
しばらく待っているとカーテンが開かれ、新品の服に身を包んだメアが現れる。
「ど、どう?」
「かわいい……」
そのあまりの可愛さに言葉が漏れる。天使だ。天使が降臨した。
「普段のゴスロリっぽいのもめっちゃいいけど、こういうカジュアルな感じのも似合うなぁ」
「えへへ、ありがと。じゃあ次は———」
次第に照れが消えたのか、メアのファッションショーが始まった。いつもとは雰囲気の違う服を纏い、カーテンが開くとともにポーズを決めて出てくる姿はモデルのようだ。雑誌の表紙を飾れる。間違いなく。
ある程度着終わると、その中から気に入ったであろう一セットを選び、俺はそれを購入した。メアはそれを着ていくそうだ。
「ありがとね、イスルギ」
「おうよ。よく似合ってるぞ」
こんなかわいい子と隣を歩けるなんて、来世は地獄に落ちてもおかしくはない。しっかりと嚙み締めねば。
「そろそろお腹が空かないか?」
「うーん、そうだね。朝はイスルギの血をもらっただけだし……」
「あー……」
今回も血を吸って暴走したメアを抑えるのに、それなりの苦労を要した。その過程でだいぶ吸われたのもこの空腹に関係しているだろう。
「そうだ、あそこがいいかな」
前の記憶を辿り、俺達はある店へと足を運んだ。
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