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第三章 王立学校
コスプレ
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「あーえっと……その、なんだ……とにかく、似合ってるぞ」
「あ、あんまジロジロ見んな、バカッ!」
雷鳴鬼の作り上げたコスプレ衣装はそれはもう素晴らしい出来で、見るなと言われても見ざるを得ない。某ペンギンマスコットの店に売っている物よりも遥かに精巧にできている。
「流石のシャロもこれは恥ずかしいですね……」
丈の短いスカートに、警官の帽子を被ったシャロが珍しくうろたえている。さっきの
酔った姿もそうだが、ギャップがかなり刺さる。
「そういや、酔いは平気か? 二人して結構ベロベロだったけど」
「シルバーさんに醒ましてもらったんだよ」
「そんなこともできんのか」
「光魔法の応用で出来るらしいですよ。わたくしには無理そうでしたけど……」
なるほど、だからフリードもシルバーもあんなに酒に強いのか。
「そ、れ、でぇ……ご主人様はこんなものをシャロ達に着せて、一体ナニがしたいんですかねぇ?」
「うっ、そ……それは……」
先程の恥じらいが嘘のように、その服を見せびらかしながら距離を詰めてくる。ミニスカポリスに問い詰められるこの状況、まるで悪人になったみたいだ。もっとも、こんなにエッチな警官など絶対にいないだろうが。
「ほら、言ってみてください」
「く…………」
顎に手が添えられ、シャロの右足が俺の両足の間に蛇のように入りこみ、絡みついてくる。脚をかけられ、そのままベッドへと倒された。
「そんなにビクビクしないでくださいよ。痛くはしませんから」
「せ、せめてもう少ししっかりコスプレを見せ———んん!?」
馬乗り状態のシャロが俺の口を強制的に塞ぐ。主導権を完全に握られた。
「んんっ……はぁ……ふふ、どうですか、観念しました?」
「……ああ。もう無理そうだ……」
せっかくの服をこの目に焼き付けたいという気持ちに、今すぐ飛び掛かりたいという気持ちが勝っている。いよいよ限界だ。
「……おいちょっと、アタシのこと忘れてないか」
「あらぁ、恥ずかしがって何もしないので、てっきり諦めたのかと……」
「ちっ、ちがっ!」
「じゃあ、どうするんですか?」
「…………」
ティアは何も言わずに、そのまま部屋の明かりの方へと行き、電気を消した。そして、一直線にこちらへと歩いてきて、シャロから俺を引き離す。
「……こうする」
上書をするかのように唇が重なる。何とも初々しいこの感じが、また違ってとても良い。
「まぁティアったら。ダ、イ、タ、ン」
「うるさい!」
ティアに抱かれたまま、その柔らかい感触を全身に感じ、隅々まで彼女の服を見る。
「うーん、ティアの格好も中々に……」
ティアはなんかこう、色々と大きいから破壊力が半端ない。しかも、普段のツンとした態度と、この恥じらい混じりのデレが本当に俺の心を揺さぶってくる。
「ほ、ほら! イスルギだってアタシに夢中じゃん!」
「あーご主人様ぁ、浮気ですかぁ?」
このシチュエーション、燃えない訳がない。
月明りにチラリと見えるその衣装を糧に、俺は夢のような一夜を過ごした。
▷▶▷
翌朝
体の上の重みで強制的に目が覚める。
「う……なん……だ?」
「やぁ、おはよう。昨夜は楽しかったかい?」
寝起き早々、ドアップで映し出される白髪の少女のにやけ面に不快感を感じつつも、ゆっくりと脳を起動する。
「何だおまえか……」
「何だとは何さ! ボクだって清純華憐な乙女の一人なんだよ? 喜んで感謝の一言でも言ったらどうなんだい」
「あー……めんどいし、重いからさっさとどいてくれ」
昨晩のあれは正直感謝している。いつかコスプレをしている人を間近で見るのは俺の夢だったんだ。とはいえ、勝手に俺の記憶を探ったことは許さん。
「だからそれはごめんって。寛大な心で許してくれよぉ」
「なんで思考を……ってそうか」
つまりコイツはさっきまで俺の中にいたのか。そういや、食事がどうのこうのって話だったな。
「そうそう、それはもう極上の味だったよ! またお願いしたいくらいだね」
「あんな贅沢そう何度もできるかっ!」
まぁフリードの財力ならば可能だろうが、そんなことを繰り返せば俺は腐る。確実に。人間として。
「それで、今日はどうするんだい? またボクと戦う?」
「いや、遠慮しとくわ。流石にあれで力関係が分からない程俺も馬鹿じゃねぇよ」
改めて俺が弱いということを痛感した。最近は正直、すこし調子に乗っていたから鼻がへし折られた気分だ。だが、向こうに行く前に気を引き締められたという意味では、かえって良かったかもしれない。
「今日やることか……」
そう呟いて、俺はあることを考えていた。
「あ、あんまジロジロ見んな、バカッ!」
雷鳴鬼の作り上げたコスプレ衣装はそれはもう素晴らしい出来で、見るなと言われても見ざるを得ない。某ペンギンマスコットの店に売っている物よりも遥かに精巧にできている。
「流石のシャロもこれは恥ずかしいですね……」
丈の短いスカートに、警官の帽子を被ったシャロが珍しくうろたえている。さっきの
酔った姿もそうだが、ギャップがかなり刺さる。
「そういや、酔いは平気か? 二人して結構ベロベロだったけど」
「シルバーさんに醒ましてもらったんだよ」
「そんなこともできんのか」
「光魔法の応用で出来るらしいですよ。わたくしには無理そうでしたけど……」
なるほど、だからフリードもシルバーもあんなに酒に強いのか。
「そ、れ、でぇ……ご主人様はこんなものをシャロ達に着せて、一体ナニがしたいんですかねぇ?」
「うっ、そ……それは……」
先程の恥じらいが嘘のように、その服を見せびらかしながら距離を詰めてくる。ミニスカポリスに問い詰められるこの状況、まるで悪人になったみたいだ。もっとも、こんなにエッチな警官など絶対にいないだろうが。
「ほら、言ってみてください」
「く…………」
顎に手が添えられ、シャロの右足が俺の両足の間に蛇のように入りこみ、絡みついてくる。脚をかけられ、そのままベッドへと倒された。
「そんなにビクビクしないでくださいよ。痛くはしませんから」
「せ、せめてもう少ししっかりコスプレを見せ———んん!?」
馬乗り状態のシャロが俺の口を強制的に塞ぐ。主導権を完全に握られた。
「んんっ……はぁ……ふふ、どうですか、観念しました?」
「……ああ。もう無理そうだ……」
せっかくの服をこの目に焼き付けたいという気持ちに、今すぐ飛び掛かりたいという気持ちが勝っている。いよいよ限界だ。
「……おいちょっと、アタシのこと忘れてないか」
「あらぁ、恥ずかしがって何もしないので、てっきり諦めたのかと……」
「ちっ、ちがっ!」
「じゃあ、どうするんですか?」
「…………」
ティアは何も言わずに、そのまま部屋の明かりの方へと行き、電気を消した。そして、一直線にこちらへと歩いてきて、シャロから俺を引き離す。
「……こうする」
上書をするかのように唇が重なる。何とも初々しいこの感じが、また違ってとても良い。
「まぁティアったら。ダ、イ、タ、ン」
「うるさい!」
ティアに抱かれたまま、その柔らかい感触を全身に感じ、隅々まで彼女の服を見る。
「うーん、ティアの格好も中々に……」
ティアはなんかこう、色々と大きいから破壊力が半端ない。しかも、普段のツンとした態度と、この恥じらい混じりのデレが本当に俺の心を揺さぶってくる。
「ほ、ほら! イスルギだってアタシに夢中じゃん!」
「あーご主人様ぁ、浮気ですかぁ?」
このシチュエーション、燃えない訳がない。
月明りにチラリと見えるその衣装を糧に、俺は夢のような一夜を過ごした。
▷▶▷
翌朝
体の上の重みで強制的に目が覚める。
「う……なん……だ?」
「やぁ、おはよう。昨夜は楽しかったかい?」
寝起き早々、ドアップで映し出される白髪の少女のにやけ面に不快感を感じつつも、ゆっくりと脳を起動する。
「何だおまえか……」
「何だとは何さ! ボクだって清純華憐な乙女の一人なんだよ? 喜んで感謝の一言でも言ったらどうなんだい」
「あー……めんどいし、重いからさっさとどいてくれ」
昨晩のあれは正直感謝している。いつかコスプレをしている人を間近で見るのは俺の夢だったんだ。とはいえ、勝手に俺の記憶を探ったことは許さん。
「だからそれはごめんって。寛大な心で許してくれよぉ」
「なんで思考を……ってそうか」
つまりコイツはさっきまで俺の中にいたのか。そういや、食事がどうのこうのって話だったな。
「そうそう、それはもう極上の味だったよ! またお願いしたいくらいだね」
「あんな贅沢そう何度もできるかっ!」
まぁフリードの財力ならば可能だろうが、そんなことを繰り返せば俺は腐る。確実に。人間として。
「それで、今日はどうするんだい? またボクと戦う?」
「いや、遠慮しとくわ。流石にあれで力関係が分からない程俺も馬鹿じゃねぇよ」
改めて俺が弱いということを痛感した。最近は正直、すこし調子に乗っていたから鼻がへし折られた気分だ。だが、向こうに行く前に気を引き締められたという意味では、かえって良かったかもしれない。
「今日やることか……」
そう呟いて、俺はあることを考えていた。
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