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第三章 王立学校
夕食会
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「あんまり無茶な命令は聞けないからな」
「えぇぇー、何でもっていう約束だったじゃないかー」
「限度ってものがあるだろ。聞いてから判断するからとりあえず教えろ」
雷鳴鬼のお願いは正直検討がつかないからだいぶ怖い。様付けで呼べとか言われたら、とんでもない屈辱だ。恥を晒すような命令は控えてほしいものだが、
「んーとねぇ……どうしよ?」
「思いついてなかったのかよ……」
「いやいやぁ、あの時は確かに考えてたんだけどなぁ」
「ないならこの話はもうおしまいだ。元々俺は命令するつもりなかったしな」
「そんなの負けたから言ってるだけだろー? 待って待って、今思いつきそうだから」
「早くしろよ」
雷鳴鬼はかなり忘れっぽい性格らしい。この話だってつい最近のことだ。記憶障害とかあるんじゃないのか? ……いや、まぁないか。ただポンコツなだけだろ。
「よし、じゃあこういうのはどうだい?」
「ん?」
「ボクは君の欲望が主食だ。その形は様々だけど、主に三大欲求がメインになってる。それらを最大限まで満たしてボクに提供しておくれよ」
「あー、まぁそのくらいなら……」
いいか、と言おうとしたところでふと考える。食欲、睡眠欲ならある程度は分かる。でも、性欲を最大限に満たすってなんなんだ? それっていわゆる……
「決まりだね! あぁ~楽しみだな~」
「おい、ちょっと!」
「ナシなんて言わせないからね。拒絶したらキミの中を探って色んなことをばらしちゃうよー?」
「くっ……卑怯だぞ……」
「何とでも言うがいいさ。主導権はボクにある。そうだねぇ……今日は夕食パーティーだろ? さっそく今夜頼むよ」
「わ……分かった……」
負けは負けなので受け入れるしかないのだが、一体どうすればいいんだ……
俺の性欲……おそらく三人を頼ることになる。最大限に満たすなんてだいぶ曖昧な説明だが、要は俺の欲望のままに事を行えばいいということだろう。
シャロとティアはいい。問題はメアだ。昨日の今日で、いきなりできるかと言われれば素直に首を縦には振れない。しかし、最大限という条件が入ってくる以上間違いなくメアもその対象だ。触れたい、抱きしめたい、めちゃくちゃにしたい。そんな感情を俺は思いっきり抱いている。
本当にどうしよう……
▷▶▷
「今夜はイスルギの合格を祝う夕食会だ。好きに飲み、好きに食え」
フリードの掛け声と共に夕食パーティーがスタートした。バイキング形式で多種多様な料理が並んでいる。確か初めてきたときもこんな感じだったな。あの時は周りに誰も知り合いなんかいなくて心細かったが、今はもうそんなことはない。
フリードがいてメアがいて、ロイドにレイズ、シルバーもいる。もちろんシャロとティアもだ。使用人の人たちも俺を祝ってくれている。そんな様子を見ると心の奥のさらに奥が熱くなってくる。
「……地球にいても、こうやって家族と合格を喜べたのかな……」
そんなことを考えてもキリがない。分かってはいても、どうしても考えてしまう。
「ほら! これ美味しいよ! ボクとの約束のためにどんどん食べてくれ!」
「分かった分かった。ちゃんと食うから、自分のペースで食わせてくれ……」
料理だけでなく、ワインなんかもある。額は恐ろしくて聞けないが、なんでもあのボロい城を修復できるくらいらしい。シルバーに注いでもらったが、手が震えるし味わう余裕もなかった。
ひとまず、近くの料理を適当に取り、食べていると、
「ほらっ、いするぎぃ~、食え食え~、もっと食え~」
「ティア!? お前、酒飲んだのか!?」
顔が赤くなって、完全に出来上がったティアが片手に骨付き肉を持って、それを俺の顔に無理やり押し付けてくる。
「待て待て、俺今これ食ってるから!」
「えぇ~、いするぎはぁ~、アタシがあげる料理も食えないのかーー!」
「そうじゃなくてだな……とりあえずこの皿に乗っけてくれ。後でちゃんと食うから」
「だめぇー! アタシが食べさせる!」
「ぐ……ぐお……」
仕方なくあーんされるが、開いた口に次々と肉を詰め込まれる。リスみたいに顔が膨んだところで、ようやくティアの手が止まった。なんとか肉を吐き出さないように骨だけ口から出す。肉は油っこくなく、胃もたれの心配はないのだが、そういう問題ではない。危うく窒息するところだった。俺は肉に殺されかけたのだ。
「だ、だれだ……ティアに飲ませたのは……」
以前、俺がアルコールデビューを果たす時、それはそれは大変だった。シャロは自分のキャパを把握しているようで、少量飲んでやめていたのだが、ティアは違った。普段は全く飲まないらしく、調子に乗って飲んだが最後、暴れに暴れまくって最終的にワインの瓶を俺にぶつけてそのまま寝た。
シャロ曰く、匂いだけでもティアは駄目なのだそうだ。じゃあなんでティアに飲ませた? なんて聞いたら、「面白そうでしたので」とふざけた理由が返ってきたのを覚えている。
「くそ……シャロはどこだ……」
このバーサーカー状態のティアを押し付けようと思ったのだが、
「ご、しゅじん……さま?」
そこにはいつもと少し、いやかなり違った様子のシャロがグラス片手に立っていた。
「えぇぇー、何でもっていう約束だったじゃないかー」
「限度ってものがあるだろ。聞いてから判断するからとりあえず教えろ」
雷鳴鬼のお願いは正直検討がつかないからだいぶ怖い。様付けで呼べとか言われたら、とんでもない屈辱だ。恥を晒すような命令は控えてほしいものだが、
「んーとねぇ……どうしよ?」
「思いついてなかったのかよ……」
「いやいやぁ、あの時は確かに考えてたんだけどなぁ」
「ないならこの話はもうおしまいだ。元々俺は命令するつもりなかったしな」
「そんなの負けたから言ってるだけだろー? 待って待って、今思いつきそうだから」
「早くしろよ」
雷鳴鬼はかなり忘れっぽい性格らしい。この話だってつい最近のことだ。記憶障害とかあるんじゃないのか? ……いや、まぁないか。ただポンコツなだけだろ。
「よし、じゃあこういうのはどうだい?」
「ん?」
「ボクは君の欲望が主食だ。その形は様々だけど、主に三大欲求がメインになってる。それらを最大限まで満たしてボクに提供しておくれよ」
「あー、まぁそのくらいなら……」
いいか、と言おうとしたところでふと考える。食欲、睡眠欲ならある程度は分かる。でも、性欲を最大限に満たすってなんなんだ? それっていわゆる……
「決まりだね! あぁ~楽しみだな~」
「おい、ちょっと!」
「ナシなんて言わせないからね。拒絶したらキミの中を探って色んなことをばらしちゃうよー?」
「くっ……卑怯だぞ……」
「何とでも言うがいいさ。主導権はボクにある。そうだねぇ……今日は夕食パーティーだろ? さっそく今夜頼むよ」
「わ……分かった……」
負けは負けなので受け入れるしかないのだが、一体どうすればいいんだ……
俺の性欲……おそらく三人を頼ることになる。最大限に満たすなんてだいぶ曖昧な説明だが、要は俺の欲望のままに事を行えばいいということだろう。
シャロとティアはいい。問題はメアだ。昨日の今日で、いきなりできるかと言われれば素直に首を縦には振れない。しかし、最大限という条件が入ってくる以上間違いなくメアもその対象だ。触れたい、抱きしめたい、めちゃくちゃにしたい。そんな感情を俺は思いっきり抱いている。
本当にどうしよう……
▷▶▷
「今夜はイスルギの合格を祝う夕食会だ。好きに飲み、好きに食え」
フリードの掛け声と共に夕食パーティーがスタートした。バイキング形式で多種多様な料理が並んでいる。確か初めてきたときもこんな感じだったな。あの時は周りに誰も知り合いなんかいなくて心細かったが、今はもうそんなことはない。
フリードがいてメアがいて、ロイドにレイズ、シルバーもいる。もちろんシャロとティアもだ。使用人の人たちも俺を祝ってくれている。そんな様子を見ると心の奥のさらに奥が熱くなってくる。
「……地球にいても、こうやって家族と合格を喜べたのかな……」
そんなことを考えてもキリがない。分かってはいても、どうしても考えてしまう。
「ほら! これ美味しいよ! ボクとの約束のためにどんどん食べてくれ!」
「分かった分かった。ちゃんと食うから、自分のペースで食わせてくれ……」
料理だけでなく、ワインなんかもある。額は恐ろしくて聞けないが、なんでもあのボロい城を修復できるくらいらしい。シルバーに注いでもらったが、手が震えるし味わう余裕もなかった。
ひとまず、近くの料理を適当に取り、食べていると、
「ほらっ、いするぎぃ~、食え食え~、もっと食え~」
「ティア!? お前、酒飲んだのか!?」
顔が赤くなって、完全に出来上がったティアが片手に骨付き肉を持って、それを俺の顔に無理やり押し付けてくる。
「待て待て、俺今これ食ってるから!」
「えぇ~、いするぎはぁ~、アタシがあげる料理も食えないのかーー!」
「そうじゃなくてだな……とりあえずこの皿に乗っけてくれ。後でちゃんと食うから」
「だめぇー! アタシが食べさせる!」
「ぐ……ぐお……」
仕方なくあーんされるが、開いた口に次々と肉を詰め込まれる。リスみたいに顔が膨んだところで、ようやくティアの手が止まった。なんとか肉を吐き出さないように骨だけ口から出す。肉は油っこくなく、胃もたれの心配はないのだが、そういう問題ではない。危うく窒息するところだった。俺は肉に殺されかけたのだ。
「だ、だれだ……ティアに飲ませたのは……」
以前、俺がアルコールデビューを果たす時、それはそれは大変だった。シャロは自分のキャパを把握しているようで、少量飲んでやめていたのだが、ティアは違った。普段は全く飲まないらしく、調子に乗って飲んだが最後、暴れに暴れまくって最終的にワインの瓶を俺にぶつけてそのまま寝た。
シャロ曰く、匂いだけでもティアは駄目なのだそうだ。じゃあなんでティアに飲ませた? なんて聞いたら、「面白そうでしたので」とふざけた理由が返ってきたのを覚えている。
「くそ……シャロはどこだ……」
このバーサーカー状態のティアを押し付けようと思ったのだが、
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そこにはいつもと少し、いやかなり違った様子のシャロがグラス片手に立っていた。
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