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第三章 王立学校
帰路
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改めて部屋の中を確認する。クローゼット、ベットの下、忘れ物はない。いよいよこのホテルともお別れだ。サービスも料理も、風呂も最上級に良い。観光でこの街に来たら、ぜひまた泊まりたい。
チェックアウトを済ませ、駅へと向かう。陽が昇ってからさほど時間が経っていないので、まだ少し肌寒い。いや、実際は風が吹けば寒いくらいで、両サイドから温もりを感じる。
「役得ですねぇ」
「アタシ達、なんかジロジロ見られてないか?」
昨日の夜、互いの思いを確認し、俺は二人と恋人関係になった。二股……ということになってしまうが、もちろんその責任はしっかりととるつもりだ。
しかし、昨日の夜か。人生初の経験にまだ心臓がバクバクしている。それに思い出すと……
『あのさぁ、ボクと繋がってるんだからムラムラしないでくれるかなぁ』
『してねぇよ。てか文句言うんだったらだすぞ?』
『わーごめんごめん! 冗談だよ、冗談』
『いくら寒がりだからってなぁ……』
電車賃を減らすため雷鳴鬼には体に入ってもらっているのだが、正直鬱陶しい。フリードの金だから遠慮するなと言ったのに、やけに真剣に説得してくるもんだから受け入れたのだが、どうやら寒さに弱いらしい。やっぱコイツはポンコツだ。返品できないかな。
『聞こえてるからね?』
心の声が駄々洩れだ。本当に厄介極まりない。
『厄介とかポンコツとか言うけどさぁ、これでも空気くらいは読めるんだよ?』
『お前が……空気を……?』
思い出される夕食の記憶、空気を読むどころか破壊していた姿しか思い出せない。
『ほら、昨日の晩ボクはいなかっただろう?』
『そういえばそうだな』
『あれはわざと帰らなかったんだよ。君たちがすることを察してね』
自信満々に言うが、とてもそうは思えない。もろもろの前後関係から察するに、
『……ダウトだ。どうせシャロに頼まれたんだろ?』
『いやいやいやいや! 違うよ!』
『動揺が伝わって来てるぜ?』
『んなぁッ!?』
俺は何故か、こいつほど心を覗くことができないが、ある程度は共感覚で伝わってくる。
『はい。お前はポンコツだ。証明完了』
『……くせに……』
『ん?』
『ボクより弱いくせに!!』
『え……』
『言っておくけどねぇ、こう見えてボクは強いんだよ!? 少なくとも君には負けないと思うね!』
『お、言うじゃねぇか』
俺も結構強くなったつもりだ。フリードやロイドとかと比べると天と地ほどの差があるが、一般的な奴には負けない自信がある。
『じゃあ帰ったら勝負ね。負けたら相手の言う事を何でも聞くって条件で』
『えぇー……それはちょっとな』
『別にエッチなお願いをしてもいいんだよ?』
『それは勘弁……』
『な、なんでさぁ!』
何でと言われても、そういう目で見れないのだから仕方がない。
『まぁ……いいか。分かった、そうしよう』
『ふんだ! 勝ったら何してもらおうかな~』
『はいはい。妄想膨らませとけ』
と、ここでようやく駅に着いた。屋敷に帰るまで道中で約五日間かかる。まぁ行きとと違って後には試験も控えてないから、しばらくは悠々自適な旅のようなものだ。気長にのんびり帰るとしよう。
チェックアウトを済ませ、駅へと向かう。陽が昇ってからさほど時間が経っていないので、まだ少し肌寒い。いや、実際は風が吹けば寒いくらいで、両サイドから温もりを感じる。
「役得ですねぇ」
「アタシ達、なんかジロジロ見られてないか?」
昨日の夜、互いの思いを確認し、俺は二人と恋人関係になった。二股……ということになってしまうが、もちろんその責任はしっかりととるつもりだ。
しかし、昨日の夜か。人生初の経験にまだ心臓がバクバクしている。それに思い出すと……
『あのさぁ、ボクと繋がってるんだからムラムラしないでくれるかなぁ』
『してねぇよ。てか文句言うんだったらだすぞ?』
『わーごめんごめん! 冗談だよ、冗談』
『いくら寒がりだからってなぁ……』
電車賃を減らすため雷鳴鬼には体に入ってもらっているのだが、正直鬱陶しい。フリードの金だから遠慮するなと言ったのに、やけに真剣に説得してくるもんだから受け入れたのだが、どうやら寒さに弱いらしい。やっぱコイツはポンコツだ。返品できないかな。
『聞こえてるからね?』
心の声が駄々洩れだ。本当に厄介極まりない。
『厄介とかポンコツとか言うけどさぁ、これでも空気くらいは読めるんだよ?』
『お前が……空気を……?』
思い出される夕食の記憶、空気を読むどころか破壊していた姿しか思い出せない。
『ほら、昨日の晩ボクはいなかっただろう?』
『そういえばそうだな』
『あれはわざと帰らなかったんだよ。君たちがすることを察してね』
自信満々に言うが、とてもそうは思えない。もろもろの前後関係から察するに、
『……ダウトだ。どうせシャロに頼まれたんだろ?』
『いやいやいやいや! 違うよ!』
『動揺が伝わって来てるぜ?』
『んなぁッ!?』
俺は何故か、こいつほど心を覗くことができないが、ある程度は共感覚で伝わってくる。
『はい。お前はポンコツだ。証明完了』
『……くせに……』
『ん?』
『ボクより弱いくせに!!』
『え……』
『言っておくけどねぇ、こう見えてボクは強いんだよ!? 少なくとも君には負けないと思うね!』
『お、言うじゃねぇか』
俺も結構強くなったつもりだ。フリードやロイドとかと比べると天と地ほどの差があるが、一般的な奴には負けない自信がある。
『じゃあ帰ったら勝負ね。負けたら相手の言う事を何でも聞くって条件で』
『えぇー……それはちょっとな』
『別にエッチなお願いをしてもいいんだよ?』
『それは勘弁……』
『な、なんでさぁ!』
何でと言われても、そういう目で見れないのだから仕方がない。
『まぁ……いいか。分かった、そうしよう』
『ふんだ! 勝ったら何してもらおうかな~』
『はいはい。妄想膨らませとけ』
と、ここでようやく駅に着いた。屋敷に帰るまで道中で約五日間かかる。まぁ行きとと違って後には試験も控えてないから、しばらくは悠々自適な旅のようなものだ。気長にのんびり帰るとしよう。
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