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第三章 王立学校
十大罪人
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「おお、これはまた……」
目の前に立つ建物は周りのソレとは比べ物にならないほど大きい。まさに高級ホテルの入口といった感じだ。
「ここなら朝夜とご飯が付いて、会場にも近いから1番いいと思うぞ」
「すげぇ値段高そうだな……」
俺たちは今回、10日間滞在するつもりだ。それで泊まりっぱなしとなると、いくらかかるのか想像するだけで頭が痛くなる。
「フリード様は好きなとこに泊まれと言っていましたし、いいのではないでしょうか」
「まぁ、いっか。よし、じゃあここにするか」
フリードの貯金がいくらかは知らないのだが、噂によるとほぼ無尽蔵らしい。まぁあんな屋敷を建てるくらいだから薄々分かってはいたのだが、だったら城の方も直せばいいのになんて思う。あの古城の外観結構怖いんだよな。
ティアが受け付けを済ませ、いざ部屋とご対面だ。
「す、すごい……」
部屋は広く、落ち着いた雰囲気が出ていて、そこら中に品を感じられる。ベッドは4つあり、風呂は露天風呂を含めて2つ備わっていた。
館内にも大浴場はあるらしく、屋敷のように温泉仕様になっているとのことだ。毎度のごとく、その仕組みは分かっていない。
「食事は部屋に運んでもらうようにしといたからな」
「ああ、助かる」
試験は明後日だ。そこまで俺は最後の詰めに入らなければならない。正直、1か月前くらいに受けても受かるくらいの実力は付いていたのだが、念には念を、だ。
大学受験の時のような失敗はしない。
▷▶︎▷
「う~ん……よし、とりあえずここまでにするかぁ」
時計は18時を示している。そろそろ部屋に料理が届くはずだ。
シャロとティアは街の観光に行っている。俺が集中できるように気をつかって1人にしてくれたのだ。
そろそろ帰ってくると思うのだが―――
「ただいま戻りました」
噂をすればなんとやらだ。
「2人共遅かったな、なんか面白いもんでもあったのか?」
「面白いものというか……その……」
「ん?」
「十大罪人の犯行があったんだよ」
「十大罪人って……」
確かあれだ。世界中で定められている国際指名手配のような奴らだ。それぞれの犯行は突発的なもので、その行いに応じて二つ名が付けられている。
『狂人』クラリスもその中の1人だ。他にも『掌握者』や『悪童』など、大層な名前が付けられている。
「その内の誰の犯行なんだ?」
「いや、それが分かんなかったんだよ。街のどこかの店で不審火があって、現場に『俺は十大罪人の1人だ。俺は俺の罪を知っている』なんて書いてあったらしい」
「なんだそれ、自分で罪を認めてるじゃねぇか」
有名だからこその模倣犯という可能性もある。それにしてもこんな発展した街で堂々と犯罪なんて異世界は意外と物騒だな。
「二人とも野次馬とかはやめておけよ。犯人は現場に戻ってくるって言うしな」
「うん。次から気をつける」
「行ったのかよ……」
戦闘能力がほぼ無い二人がそんな所にいたと思うと、胃が痛くなる。
そんな胃を慰めるように部屋に料理が運ばれてきた。
10日間の滞在で、変なことが起きなきゃいいけどな。そう思いつつ、俺は料理を受け取った。
目の前に立つ建物は周りのソレとは比べ物にならないほど大きい。まさに高級ホテルの入口といった感じだ。
「ここなら朝夜とご飯が付いて、会場にも近いから1番いいと思うぞ」
「すげぇ値段高そうだな……」
俺たちは今回、10日間滞在するつもりだ。それで泊まりっぱなしとなると、いくらかかるのか想像するだけで頭が痛くなる。
「フリード様は好きなとこに泊まれと言っていましたし、いいのではないでしょうか」
「まぁ、いっか。よし、じゃあここにするか」
フリードの貯金がいくらかは知らないのだが、噂によるとほぼ無尽蔵らしい。まぁあんな屋敷を建てるくらいだから薄々分かってはいたのだが、だったら城の方も直せばいいのになんて思う。あの古城の外観結構怖いんだよな。
ティアが受け付けを済ませ、いざ部屋とご対面だ。
「す、すごい……」
部屋は広く、落ち着いた雰囲気が出ていて、そこら中に品を感じられる。ベッドは4つあり、風呂は露天風呂を含めて2つ備わっていた。
館内にも大浴場はあるらしく、屋敷のように温泉仕様になっているとのことだ。毎度のごとく、その仕組みは分かっていない。
「食事は部屋に運んでもらうようにしといたからな」
「ああ、助かる」
試験は明後日だ。そこまで俺は最後の詰めに入らなければならない。正直、1か月前くらいに受けても受かるくらいの実力は付いていたのだが、念には念を、だ。
大学受験の時のような失敗はしない。
▷▶︎▷
「う~ん……よし、とりあえずここまでにするかぁ」
時計は18時を示している。そろそろ部屋に料理が届くはずだ。
シャロとティアは街の観光に行っている。俺が集中できるように気をつかって1人にしてくれたのだ。
そろそろ帰ってくると思うのだが―――
「ただいま戻りました」
噂をすればなんとやらだ。
「2人共遅かったな、なんか面白いもんでもあったのか?」
「面白いものというか……その……」
「ん?」
「十大罪人の犯行があったんだよ」
「十大罪人って……」
確かあれだ。世界中で定められている国際指名手配のような奴らだ。それぞれの犯行は突発的なもので、その行いに応じて二つ名が付けられている。
『狂人』クラリスもその中の1人だ。他にも『掌握者』や『悪童』など、大層な名前が付けられている。
「その内の誰の犯行なんだ?」
「いや、それが分かんなかったんだよ。街のどこかの店で不審火があって、現場に『俺は十大罪人の1人だ。俺は俺の罪を知っている』なんて書いてあったらしい」
「なんだそれ、自分で罪を認めてるじゃねぇか」
有名だからこその模倣犯という可能性もある。それにしてもこんな発展した街で堂々と犯罪なんて異世界は意外と物騒だな。
「二人とも野次馬とかはやめておけよ。犯人は現場に戻ってくるって言うしな」
「うん。次から気をつける」
「行ったのかよ……」
戦闘能力がほぼ無い二人がそんな所にいたと思うと、胃が痛くなる。
そんな胃を慰めるように部屋に料理が運ばれてきた。
10日間の滞在で、変なことが起きなきゃいいけどな。そう思いつつ、俺は料理を受け取った。
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