好きって言ってみなよ？

夏休み

1

「80点…………」



期末テストが終わり答案が帰ってきた。
もちろん瑠衣さんに見せないわけにはいかない。
他はほぼ満点。



「数学は苦手なんだよ」



昔から言ってるじゃん。
大体さ数学なんてさ、たし算と引き算、掛け算と割り算ができりゃあいいじゃん。




「今はよくても大学入試の時困るよ？？」
「？？大学入試？」



なんで大学入試の話なんかするんだ？？



「…………晶くん。あの、もしかして高校卒業したら」
「え？仕事に専念するけど？」




何を聞いてくるんだよ。




「大学は？」
「行かない。アメリカの大学卒業してるんだし。いいじゃん」




それよりは新しい事業たちあげたりしたいし。




「パパ。ねるのはやいよぉ？」
「步夏。パパは寝てないから大丈夫だよ」
「ね。晶くん。三者面談は？」
「兄さんに頼んだ」
「いつ？」
「昨日」
「晶くん！」
「なんだ？」
「三者面談俺が休み取って行くから教えて」
「わかったよ」



瑠衣さんは何がなんでも行きたいらしくそう言ってきた。
ちょっと半泣きになっていたけどな。



「ねぇ、ママいるのにほいくえんいかなきゃダメ？」
「步夏。友達と遊びたくない？」
「みんなともあそびたいけど。あゆはママともあそびたいのぉ！」
「でも、步夏。夏休みはママお勉強しなきゃダメなんだよ」




それに全く納得していない步夏。
しばらく步夏を説得していた瑠衣さん。



夏休み2時までにしてもらってもいいけど。
そう言ったら『何言ってるの？仕事ほどほどであとは羽を伸ばしなよ』と瑠衣さんに言われた。



それどころか。
『友達と遊びに行ってもいいから』と言ってきた。
瑠衣さん学生時代に未練でもあるのか？？