好きって言ってみなよ？

瑠衣と步夏

9

「うわぁ！きれい」
「步夏。転ぶぞ！」
「へーきだもん」



旅行も明日まで。
今日は夜景を見に来ていた。




步夏は夜の街を歩けるから興奮気味。
夜出歩いたことがないらしい。
晶くんある意味有名人で知らない人があまりいないんだよね。
その晶くんが女の子を連れていたらゴシップネタになりかねないし。




「ホント、步夏は誰に似たんだか」
「晶くんでしょ？」
「俺あんな騒がしくないし」




出会った頃の晶くんはかなりやんちゃで見てるこっちがハラハラかしてたっけ。



「パパしゃしんとって！」



何気に俺を使うんだよね。
パパと呼んでくれてるけど。
まだ認めてくれてないのかな。



「步夏。たまにはパパとも撮れよ」
「パパ！」




步夏と写真を撮ることに。
晶くんは旅行用にデジカメを購入していた。
いつの間に買ったんだろう？？


携帯？
メール？



『瑠衣。旅行から帰ってきたら連絡くれ』



何かあった？？



「瑠衣さん」
「何？って寝ちゃったね」
「そろそろ帰ろう」



晶くんが夜出歩かないのは理由を聞いたわけじゃない。
俺がそう思っているだけだけど。
暗くなると見えにくいみたいなんだよね。