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瑠衣と步夏
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とおるたちが新婚旅行から帰ってきたあとの日曜日。
「晶たちと?」
「そ。一緒に暮らしたいんだけど」
「俺は構わないが」
俺は??
「この間。晶が相談しにきたんだ。その時……その沙希ちゃんが反対してたんだ」
沙希ぃっ。
あの子はっ!!
「何で反対してるの?」
「お兄ちゃんがあっちゃんを泣かせたからよ!」
言い返せない。
晶くんを泣かせていたことには間違いないから。
「どうしてもダメ?」
「ダメ!でも、あっちゃんがどーしてもって言うならいいけど」
沙希はとおると結婚しても相変わらず晶くんがお気に入りなのは変わらないみたい。
「それより来月あっちゃん誕生日だよ。どうするの?」
「有給取って出かける」
「步夏ちゃんは休ませるの?」
「もちろん」
一緒に暮らす話はゆっくり説得するしかないか。
もうすぐ誕生日。
その手があったか。
***********
「もうすぐ誕生日だね」
「え?あー俺の?」
「ママ。たんじょーび」
「晶くんさ步夏ちゃんを休ませて遊びに行かない?俺有給取るし」
晶くんは嬉しそうな顔して喜んでいた。
ついでだから晶くんに聞いてみた。
「ね、晶くんさ。今大学に通ってるの?」
「俺はその……」
今目逸らした。
「なぁに?」
「まだ高校卒業してない」
え?
まだ卒業してないの?
「兄さんから聞いてないのか?」
「とおるからは晶くんの体調が良くないからとしか……」
「もしかして。それが?」
「步夏の年考えてみろよ」
確か夏に4歳になったんだっけ。
で晶くんの歳から引くと……。
「学校に言えるわけないじゃん。妊娠したからしばらく休むとか。学校は相手誰だってなるだろう?」
「4月から行きなよ」
「え?」
「特待の資格はなくなっているけどさ。学費ぐらい俺出せるから」
どうせこう言わなきゃ絶対に学費は貯金からとか言うに決まってる。
晶の貯金がかなりあるのは知ってるよ?
それはさ学費じゃなくてさ他のことに使ったらいいのに。
「晶たちと?」
「そ。一緒に暮らしたいんだけど」
「俺は構わないが」
俺は??
「この間。晶が相談しにきたんだ。その時……その沙希ちゃんが反対してたんだ」
沙希ぃっ。
あの子はっ!!
「何で反対してるの?」
「お兄ちゃんがあっちゃんを泣かせたからよ!」
言い返せない。
晶くんを泣かせていたことには間違いないから。
「どうしてもダメ?」
「ダメ!でも、あっちゃんがどーしてもって言うならいいけど」
沙希はとおると結婚しても相変わらず晶くんがお気に入りなのは変わらないみたい。
「それより来月あっちゃん誕生日だよ。どうするの?」
「有給取って出かける」
「步夏ちゃんは休ませるの?」
「もちろん」
一緒に暮らす話はゆっくり説得するしかないか。
もうすぐ誕生日。
その手があったか。
***********
「もうすぐ誕生日だね」
「え?あー俺の?」
「ママ。たんじょーび」
「晶くんさ步夏ちゃんを休ませて遊びに行かない?俺有給取るし」
晶くんは嬉しそうな顔して喜んでいた。
ついでだから晶くんに聞いてみた。
「ね、晶くんさ。今大学に通ってるの?」
「俺はその……」
今目逸らした。
「なぁに?」
「まだ高校卒業してない」
え?
まだ卒業してないの?
「兄さんから聞いてないのか?」
「とおるからは晶くんの体調が良くないからとしか……」
「もしかして。それが?」
「步夏の年考えてみろよ」
確か夏に4歳になったんだっけ。
で晶くんの歳から引くと……。
「学校に言えるわけないじゃん。妊娠したからしばらく休むとか。学校は相手誰だってなるだろう?」
「4月から行きなよ」
「え?」
「特待の資格はなくなっているけどさ。学費ぐらい俺出せるから」
どうせこう言わなきゃ絶対に学費は貯金からとか言うに決まってる。
晶の貯金がかなりあるのは知ってるよ?
それはさ学費じゃなくてさ他のことに使ったらいいのに。
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