好きって言ってみなよ？

再会

1

そして。
あっという間に時はすぎ、步夏ももうすぐ1歳になろうとしていた。




「マーマ」
「步夏！」
「あい！」



步夏はすでに歩きだしていた。
しかもめっちゃ喋るし。




これはあれだよな。
瑠衣さん父親の血だよな。





「ママ。パパ」
「え？」
「あーのパパ」
「……步夏にもパパいるよ。でも、今は一緒に暮らせないんだ」




瑠衣さんは俺のこと忘れちゃったし、步夏のことを知らないんだ。



「步夏のパパはお仕事で遠くにいるんだ。でも、いつか帰ってくるから。なっ？」




步夏は納得していないみたいな顔していた。
そして。
あっという間に步夏の誕生日が来た。



今日は由貴たちが休みを取っていたみたいで朝から步夏の相手をしてくれている。




そして。
佐伯も呼んだ。
兄さんに頼んで步夏の誕生日プレゼント買いと頼んでおいた1升餅の受けとりに向かう。




「ママ」



帰ってくると脱兎のごとく飛びついてくる。



「おかえりー」
「步夏ちゃん。晶くんがいないから寂しそうだったよ？」
「ごめんな。步夏のプレゼント買いに行ってきたんだよ」




部屋にジャングルジムを作ってやると喜んでいた。



「步夏。滑り台する？」
「ママ！」




步夏は滑り台を何回も何回も強請っていた。



そして。
夜はヨーグルトで作ったケーキを美味しそうに食べていた。



「晶くん、こういうの得意？」
「妹がいたんだ。そいつに作ってやってたから」




そう、姫に。
言われてよく作っていた。