好きって言ってみなよ？

由貴と晶

1

「晶。入れよ」
「颯太ー」
「おかえり。準備できてるよ」



着替えを持って由貴と共に由貴の家へ。
大きめの一軒家で。
庭付き。
普通車が2台、ワゴン車が1台。




「なぁ、由貴。迷惑じゃない？」
「なんで？」
「だって」




あの時。
由貴は心配して病院に来てくれたのに。
それなのにあんなこと言って。



「気にすんな！それよりさ瑠衣は？どうなってんだよあのショタコンは」
「瑠衣さんは年末に事故にあってケガしたんだ」
「え？」
「そのせいで俺のことだけ忘れちゃったんだ」



由貴はしばらく考えこんだあと急に立ち上がった。





「颯太。ちょっと出かけてくる」




由貴は上着とカバンを持って出ていった。



「やれやれ。ね、晶くん夜寝れてる」
「え？」
「だってお腹に赤ちゃんいるんでしょ？」
「誰から聞いた？」
「誰からも」



なんなんだ。
由貴の旦那は。
聞いてないのにわかるのかよ？





「由貴くんからはキミをしばらく家に居させて欲しいって」
「体調悪くて兄さんと病院行ったら妊娠してるって言われた」
「相手はあの時の？」
「そう。瑠衣さん」
「健気だね。愛された証が欲しいんだね」
「それに俺はこの子を堕ろしたくないんだ」
「あ、俺のこと名前でいいから。みんな名前で呼んでるし」
「由貴嫌がらない？」
「晶くん。由貴くんの次に可愛い」



可愛いって俺男なんだけど。
俺が由貴の旦那と話していると……。




「ただいま！」
「由貴？」
「どうしたの？」
「瑠衣がムカついたから殴ってきた」
「はいはい。由貴くん落ち着いてね」
「だって！あいつ晶のこと忘れてて俺のこと覚えてるからふざけんなつって」
「わかったから。晶くん夕飯何がいい？」
「フルーツか冷たいの」
「由貴くんは？」
「魚」



今日はだいぶマシだったからなんとか食べれた。



「明日さ俺休みだから病院に行って検査してもらおう？」




そして。
由貴と一緒に寝た。
由貴の旦那は寂しそうだったけど。