好きって言ってみなよ？

新学期

6

「げっまた担任かよ」



そういや、言ってたっけ。
春休みにまた担任になっていいかって。
まさか本当になるとはな。



「松山は隣のクラスだよ」
「隣って沙希ちゃんもいるじゃん」
「さっちゃん、また愚痴るかな？」
「あーかもな」
「また違うクラス！？」



そんな話しをしていると沙希ちゃんが落胆した声を出してくる。



「あ、沙希ちゃん。おはよう」
「おはよう。またお兄ちゃんが担任？」
「そ。ったく何考えてんだか」
「私はあっちゃんと同じクラスになりたいのに。お兄ちゃん酷いよね」
「ね、何でそんなに同じクラスになりたいの？中学ではクラス違ったの？」
「うちの中学変わってるから」
「変わってる？」
「そ。中学は男女で校舎が違ったからな」
「だから、あっちゃんと同じクラスになったことないの」
「瑠衣先生もひどいことするよね」



そして退屈な始業式が終わったあとのホームルーム。



「このクラスの担任になった火山瑠衣です。今年１年間よろしくね！」
「質問。瑠衣先生と如月って知り合いって聞いたけど」
「嘘じゃないよ」
「瑠衣先生がゲイって聞いた」
「それも本当だよ」
「なぁ、如月！」
「瑠衣先生の好きなタイプは？」
「……知らねー。ただ年下の可愛い奴が好きみたい。そういうＡＶ持ってたし」



そう。
春休みにムリヤリ見せられたしな。



「え……」
「春休み無理やり見せられた」
「ちょっ!!晶くん、何バラしてるの？」
「だってそういうＡＶ持ってたじゃん」
「如月ー瑠衣先生てお前が好きなんじゃ？」
「んなわけねぇだろう？」



クラスの奴は冗談でそう言ってきた。



「じゃあ如月は、瑠衣先生が嫌いか？」
「嫌いじゃない」



そしてホームルームが終わったあと、生徒会室に行こうとしたら瑠衣さんに呼ばれた。




「何だよ？」
「話しあるからね」
「もしかして怒ってるのか？あんたの持ってるＡＶの話ししたの」
「まあ、それは話したのは、仕方ないけど。そうじゃなくて……」
「何？」
「晶くん。晶くんは俺のことどう思ってるの？」
「え？」



瑠衣さんは真面目で少し寂しそうな顔して聞いてきた。
どうとは、恋愛対象としてか？