好きって言ってみなよ?

葉月カイト

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高校入試

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「だから、馬鹿は風邪を引かないって言うじゃん」
「晶くん。もう一度言ってくれないかな?」



瑠衣さんは大人げなさすぎ。
こんくらいで怒らなくてもいいだろう?



「……なんでもない」
「そう?」
「瑠衣が来るなんて珍しいわね」
「俺が来ちゃいけないわけ?」
「そうじゃないわよ。瑠衣はお父さんが嫌いじゃない」
「あぁ。嫌い見たくもない」
「あ、晶くんがいるからなのかしら?」
「母さん?」
「あーら、怖い怖い。じゃあ瑠衣あとは任せるわね」



おばさんは言いたいこと言って出て行く。



「まだ熱あるね?」
「頭の上に手乗せるなよ」



俺の頭に瑠衣さんは手をのせてそう言ってきた。



「なかなか熱下がらないね?」
「俺が風邪引いて熱が出るのはいつものこと」
「明日面接終わったら、先生たちに言って帰りなよ?」
「大丈夫だって」
「1人で病院行けないのかな?」
「病院ならもう行ったから大丈夫」
「大丈夫ならいいんだけど」


瑠衣さんは笑いながらそう言ってた。



「怒らないの。はい、薬飲んで早く寝なさい」
「……」
「晶くん……」
「わ、わかってる」



仕方ないだろう!?
嫌いなもんは嫌いなんだから。


「晶くん?飲めないなら飲ませて……」
「いいっ」



けれど、瑠衣さんは口移しで薬を飲ませてきた。



「よくできました」



そう言って頭を撫でてきた。
ったく、子供扱いすんなよ!!
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