好きって言ってみなよ？

高校入試

2

新学期が始まってもうすぐ願書の提出日というある日。





蓮也が話しかけてきた。




「あーもうすぐ入学願書の提出だよな」
「そうだな」
「瑠衣さんには、言ったのか？」
「まだ」
「何で？」



瑠衣さんは俺がどこに進学するのか知らない。




「楽しみはあとにとっとくモンだろう？」
「確かに」



いつも瑠衣さんにやられぱなしな俺は意地悪でまだ言ってない。



そして。
瑠衣さんに呼ばれた俺は瑠衣さんのマンションにやってきた。
瑠衣さんのマンションに行くと、いつになく上機嫌な瑠衣さんがいた。




「晶くんさ、うちの高校受けるの？」
「ん？あぁ聞いた？そうだけど」
「そんなに俺といたかったの？」



やっぱり都合のいいように解釈してるし。
まぁ、違うとも言い切れないけど。



「違うしっ!!」



俺が否定すると瑠衣さんは大げさな素振りしてきた。



「……俺傷ついたかもっ」
「えっ！？」
「だって、そんなに思いっきり否定しなくてもいいじゃない」
「あっ……」



すると瑠衣さんは笑いながら言ってきた。



「晶くん？そんなんじゃ、悪い大人に騙されるよ？」
「……例えば瑠衣さん、とか？」
「そうそう!俺とかって違うでしょ！？」
「本気にするなよ。じゃあ帰るから」
「風邪には気をつけてね？」
「わかってる」



そう言って姫の待っているマンションに帰っていった。