好きって言ってみなよ？

中学最後の2学期

17

「あ！瑠衣先生」
「どう？」
「ばっちしだよ！」
「ね、先生。如月、来たの？」
「来てるよ」



クラスの子たちの模擬店を見にきたら、うちのクラスの委員長をしている、青柳が話しかけてきた。



「よくわかったね？」
「さっき、瑠衣先生が車から降りる時、見えたからね」
「そうなんだ」
「如月、学園祭来て大丈夫？」
「大丈夫だよ。じゃあ、何かあれば連絡してね」



そう言って俺は晶くんの元に戻る。



「あー暇」
「もうすぐ、後夜祭が始まるよ」
「後夜祭ってダンスだけだろう？」
「それだけじゃないんだよ、今年は」
「？何があるんだよ？」
「いいから!いいから!」



今年は入院してたから晶くんは知らない。
あすかちゃんが何を後夜祭で何を計画したかを。



そして後夜祭のダンスが終わると俺は晶くんを連れて外に出る。


そして始まったのは。



「ビンゴ大会？」
「そっ。商品は食堂の食券だから大丈夫だよ」
「ふーん」



晶くんは興味ないのか、適当に相槌を打ってた。



「疲れた？」
「え？」



晶くんの顔色があまりよくないみたい。
少し疲れたかな？



「晶くん、終わるまで休んでおこうか？」
「そうする」



よほど、疲れているのか晶くんはすぐ眠りについた。



「ただいまー」



後夜祭が終わって沙希たちが戻ってきた。



「ご苦労さま」
「晶寝ちゃった？」
「昨日退院したばかりだからね」
「悪いけど、先に帰るね」
「あとは大丈夫だよ」




俺は起きない晶くんを背負い帰ることにした。