好きって言ってみなよ？

夏休み

9

「お兄ちゃん、あの家って……」
「あぁ、そうだ。まこが死んだ家だ」
「え？」
「あ、そういや言ってなかったな。あの家には、５年前まで住んでたんだ。けど母さんたちがまこが死んだあの家にいたくないからか、別荘代わりにして引っ越したんだよ。ただまこの部屋はそのままで……」
「それ聞いたことないけど……」
「言ってないし……」
「冷たいなー」



ま、そんなとこも晶くんらしいけど。



「来年からは晶いないんだよな」
「晶くんはうちの高校に進学しないの？」
「さぁな？」



晶くんはてっきりうちの高校に進学するって思ってたのに。
残念。
でも俺が転勤になれば意味ないんだけどね。



「あっちゃんさ、高校は寮に入るんでしょ？悠ちゃんどうするの？」
「そうなんだよなー」
「えぇーお兄ちゃん、私を１人にするつもり!?」
「姫。頼むから家事ぐらいできるようになれよ」




そうだよね。
晶くんの話しだと、悠姫ちゃんてば、家事が全くできないみたいだし。
晶くんも大変だね。